鹿男、本気で面白くなってた。

元々、設定自体、大真面目ではないものだけど、

コメディ要素が強まってきて、ホントに笑えた。


サンカクをお店から盗むシーン、原作にあったかなぁ??

今日は一番そこがおもしろかった。


玉木宏は、コメディで魅力を発揮できると思う。

コメディ要素が強いと、面白いシーンと魅せるシーンのメリハリが出て、とってもいい。


たとえば、マドンナに会うシーン、本当に憧れているんだなという気持ちが人目で伝わってくる。


たとえば、ことの深刻さを伝えようとするシーン、「人間に戻れないんだよ」と絶望を訴える場面では、本当に絶望感が伝わってきて、こっちまで落ち込んじゃう。


役の心情を表すことにかけて、かなり力を発揮する玉木宏、今後も目がはなせません。

電話越しの風邪気味の声

なんだかとても不安になるよ


話をしながら時々咳き込んで

辛そうな声 心配なんだ


心配する資格はないってわかっていても

早く元気になって欲しくて


それでも私ができることは

お大事にとタダ一言、声をかけるだけ


少しはよくなったでしょ?

ちょっとうれしそうに言うあなたに


「よかったね」という私のことば

あなたへの思いがたくさん詰まっている


本当に本当に心配したけど

本心から喜んでること悟られたくなくて

少しぶっきらぼうに振舞ってみたりする


風邪をひいても

落ち込んでいても


おかゆも作ってあげられない

薬も買っていってあげられない


ただただ、電話越しに

「お大事に」と繰り返したり

話をずっと聞くことしかできない私は


あなたにとってどれほどの価値になれるだろう?


そんな事を時々思っては

ただただ、むなしくなるんだけれど


雨の日も風の日も

あなたの事を思っている

その思いだけは変わらないよ


そばにいたい

そう願ってやまないけれど


そばにいる

ただそれだけのことが

私にはできないんだよ


すべての出会いに大切な意味があるとするのなら

あなたとあたしの出会いにも、ちゃんと意味はあるのかな


好きになってはいけないあなたと

知っていながら出会ったあの日

好きになってはいけないことだと

分かっていながら思いは募った


「生まれ変わったら、口説きたい」だなんて

あなたは言うけど

生まれ変わらなきゃ叶わぬことなの?

あなたと過ごしたたくさんの時が

一コマ一コマ大切な思い出として残っているけど

たったひとつのコマにすら、私への愛はないのかな?


であったことへの意味を探して、悩んで悩んで苦しくなった

結論付けたって、何も変わらない、何も進まないのに


あなたとであって、たくさんの楽しいときを過ごした

辛い事だって、幸せに変えられる気がした

甘えるのが下手で強がっていた私が

あなたを頼って、甘えて、素直になれたの


それが全て  出会った意味だよね



「生まれ変わったら、口説きたい」だなんて

あなたは言うけど

生まれ変わったら、必ず見つけて、ね

あなたと過ごしたたくさんの時が

一こま一こま大切な思いとして残っているけど

たったひとつのコマにだけでいい

私への愛があると思いたいの



「生まれ変わったら口説きたい」だなんて

あなたは言うけど

生まれ変わったら必ず見つけて

そして聞けなかったことばを聴きたい

生まれ変わってもあなたを思い

あなたが見つけてくれる日を待ち続けるから


「一ノ瀬真人さま」


この気持ちは、あなたに伝えることはないと思います。

あなたに伝えても、あなたを困らせるだけだから。


今思えば、初めて会ったあの飲み会から、あなたのことが好きでした。

あれから、もうすぐ一年。

あのときの私は、一ノ瀬さんとこんなに仲良くなれるなんて、夢にも思ってなかった。


ネタと称して、盛り上がった、私と一ノ瀬さんを最も繋げたトモとナツの恋愛。

これがなければこんなに親しくなることもなかったでしょう。

だけど、二人をくっつけようとはじめたこの企画のおかげで、楽しいイベントがいっぱいになった。


スノボ、千住飲み、サッカー会、花見、深夜の千葉会、もんじゃ会、寿司会、初夏キャンプ、オムライス会、結婚式二次会、上野会、登山、焼肉会、そして最後のキャンプ


こんなにたくさん楽しい思い出がある。


あなたはいつでも頼りがいのあるお兄さんで、

決して優しすぎなくて

でも、いつも暖かかった

そして、甘えるのが下手な私にも、

いつも優しくしてくれたね


初めてだったの。誰かに素直に甘えられるのが。

初めてだったの。引っ張る人に惹かれたのは。


いつでも紳士だった

あなたには、他の女に愛させる隙がなかった


だから、好きになってしまった私が悪い


最後のキャンプで奥さんに会うこと、ホントはとても辛かったんだよ。

一ノ瀬さんが結婚しているっていうことの最後の確証をみるのが怖かった。


そして、奥さんの前で平然とする自信がなかったんだ。

だから、キャンプ中、いつものように接することが出来なかった。

奥さんに、この思いがバレてしまわないか心配だった。


別に不倫がしたかったわけじゃない

奥さんと別れればいいと思ったりもしてない

それでも、ただ好きという思いすら、バレてはいけないと思ったから


だから、自分の心に背を向けて奥さんと仲良くした

奥さんとたくさん話した

そうすることで、一ノ瀬さんへの思いを消し去ろうとした


薬指に光るおそろいの結婚指輪を目に焼き付けて

奥さんがあなたを呼ぶ声を何度も聞いて

夫一ノ瀬を感じ続けて


そうして忘れようと思った


でも正直、あなたを忘れられる自信はありません。



うまくいえないんだけど

一緒にいるときが本当に楽しくて、いつもワクワクした

話すことがうれしくて、ドキドキした

電話を待つのが楽しかった

会えるのが楽しみだった


気があっているのだと思う

うまもあっているのだと思う

性格もあっているのだと思う


気は使っているけどムリはしてない

遠慮はするけど、甘えられる

ドキドキするけど、自分を出せる


だけど、あなたにはあたしじゃないんですね。


あなたが京都にいってしまうって知ったとき

本当に、ショックだった。本当に悲しかった。



不毛な思いをあきらめるための、神様の配慮なのでしょうか

それは、私にとって幸せなのでしょうか。



本当につまらない日々だった。

連絡がパタとやんでからというもの、何をしても気力が起きなくて

そんな日々が続いた。


一ノ瀬さんと連絡を取るきっかけが欲しくて、ケータイを変えたりしたけど

連絡は取れてもほんの社交辞令だった。


突然鳴ったケータイ。

「もしもし?まお?これから一ノ瀬さんたちとご飯いかない?」

「行く。」

即決だった。

仕事があっても抗えない。

すきっていうのはそういうこと。

悔しいけれど、本当に好きになったみたい、アタシ。


車で迎えに来て、すぐに連れてってくれる辺り、本当に大人の男。

もんじゃ食べたいから月島っていうノリも本当によかった。

ドコのお店にするか、下町を歩いて

下町はなんだかお祭りみたいで

夏が来たように感じて

なんだかとても楽しい


やっぱり悔しいけれど一ノ瀬さんがいい


恋は自分の理性に抗えないものなんだ

あれから、パタっと連絡が途絶えた。

毎週末かかってきた電話も、今はもうならない。

あんなにたくさん話したのに、

あんなにいっぱい語ったのに

仲良くなれたとおもったのは、幻だったのかな?


やっぱり、一ノ瀬さんにとって私は

ただの利用価値のアル人間だっただけなのかな。


あんなに楽しかった日常が

あんなにワクワクした日々が


音を立てて崩れていくよ。


これが、叶わぬ恋をした

罰なのかな



あれから、パタっと連絡が途絶えた。

毎週末かかってきた電話も、今はもうならない。

あんなにたくさん話したのに、

あんなにいっぱい語ったのに

仲良くなれたとおもったのは、幻だったのかな?


やっぱり、一ノ瀬さんにとって私は

ただの利用価値のアル人間だっただけなのかな。


あんなに楽しかった日常が

あんなにワクワクした日々が


音を立てて崩れていくよ。


これが、叶わぬ恋をした

罰なのかな



その後、何度か飲み会を重ねて

何度も何度も、恋愛作戦を二人で立てて、

とても楽しい日々を過ごした。


電話で話すたび、

カレが既婚者だという事実を忘れてしまいそうになるけれど

会うたびに左手の薬指に光る指輪を見て

現実に打ちのめされた


私が本当に楽しかったのは、トモとナツの恋じゃない

一ノ瀬さんと、関わることができることただそれだけだった

こんな人任せな関係、いつか終わると思っていたけど

思いのほか早くその日は訪れた


その日が来るのが怖かった

私たちの繋がりは、トモとナツの恋愛を見守ること

そのほかに接点はもてそうにない


だってそうでしょ?

カレには愛する人がいて

家に帰れば温かいご飯があって

カレの愛する人はタダ1人


繋がりをなくしたら、どうやって会えるの?

何を話せるの?電話する理由をドコにみつければいいの?


「なぁ、大変なことがおこったよ。」

「え?」

「トモのことを好きな女が現れた」

「誰?」

「ナツの友達の、ユリ。」

「それって、ナツ知ってる?」

「分からない。けど、知ってるんじゃん?」

「だとしたら、ヤバイね。」

「だよね。そうすればいいと思う?」

「まだ、ナツが知らない可能性がある今のうちに告白するとか?」

「だけど、ユリの思いはまだトモは知らないんだよ。人の気持ち、言うわけにもなぁ」

「そうだよね~。なんとかして、遠まわしにトモに聞いてみるとか。」

「ん~難しい。まおやってくれない?」

「え?私?なんか不自然っぽくない?」

「でも、トモは後輩だから俺に遠慮して言えないかもしれないし。」

「わかった。やってみるね。それにしても、ナツは知ってしまっていたら、可能性はもうゼロになっちゃうと思うよ」

「やっぱりそう思う?でも俺はもうひとつ心配なことがあってさ…。」

「何?」

「ユリのこと、トモはわりと気に入っているんだよな。だから、ユリの思いを知ったら、トモがユリに傾くかも。」

「え?そうなの?何それ??」

「な?でも、人の気持ちを俺等でどうすることもできないし、そうなったらそうなっただけど」

「まぁそうだよね。」

「じゃあ、そういうわけで。」


私が聞くはずだった。だけど、結末は意外な方向へと流れていった。急速に。




ケータイを見ると、着信履歴、そしてメールが届いていた


ー「ミッション終了。」

すぐさま私は電話をかけた。


「ど~いうこと?」

「いや、俺が遠まわしに聞いてみたんだよ。」

「うん。」

「そしたらさ、言い寄られると弱いタイプだって。」

「ん?」

「ユリのほうに、ながれるっぽいよあいつ。」

「えーーー?一ノ瀬さんの悪い予感的中?」

「そういうこと」

「なんか、すっごくすっごく煮えきれないね。」

「強制終了ってかんじだろ?」

「ホント、自分の意図とは違う強制終了って感じ。」

「くやしい!」

「まぁそうだよな。でも、しょうがないよ。トモがモテることすっかり忘れてた。」

「まぁそうだよね。あ~あ。」

「ま、また誰か別のやつさそってイベント開こうよ。また、自分じゃ頑張れないやつが、ナツのこと好きになってくれれば、楽しめるさ。当分、トモは呼べないけど、夏とかキャンプしよう。」

「ホント?じゃあ、次も私たちを楽しませてくれる人が来るといいな。」



終わった。

終わっちゃった。

一ノ瀬さんのことだから、ほんとにキャンプに連れて行ってくれる可能性はあるけど

私たちをつなげてくれるものがなくなっちゃった。

あんなにドキドキしたのに、。あんなに楽しかったのに

もう、そんな日々は終わってしまうんだ。

会えなくなってしまうのかな。


私に、一ノ瀬さんを奪う覚悟があれば

誘ったり、遊んだり、頑張る方法はあるかもしれない


だけど、できない。

私には出来ない。


意気地がないなら、こんな思い、抱くべきではなかった。

好きになるべきではなかったんだ。


行き所のない思いを

そう消化すればいいんだろう?





ケータイを交換した日、突然


一ノ瀬さんから電話がかかってきた。


「トモと、ナツをくっつけられないかなぁ?」


トモは一ノ瀬さんの会社の後輩

ナツは私の友達



というわけで、

私たちの恋のキューピット大作戦が始まったんだ。


今度のイベントの話し合いということで、みんなで集まって飲むことになった。


「で、まおはどう思う?ナツはトモのことスキかなぁ?」


初めて、まおって名前で呼ばれた。

だって、いつも面白おかしいあだ名ばっかりだったから。


そんな時にふと思い出した。


一ノ瀬さん、まおのことあだ名でばっかり呼んでるけどさ、

 スノボのとき、まおがいなくなったら「今まおはどこにいるの?」って名前で呼んでたよ。

っていうナツの話を。



そんなこんなで、開かれた飲み会。

なんだかんだでやってきた一ノ瀬さんの中に

今まで見たことのないものを見つけたんだ


それは

左手の薬指に光る指輪

契約の証


この指輪に苦しむ日がくるなんて

このときは思っていなかった


ただこのときは珍しくて

瞳がその指輪に釘付けになっていたと思ってた

あぁ、本当に結婚しているんだなって。


一度目に会ったのは合コン

二度目に会ったのは、泊りがけのスノボ

だから、指輪ははめていなかったんだ