あっさり食べやすい蕎麦。でも腸を汚してしまう食べ方がある?栄養士が教える、蕎麦のNGな食べ方

あっさり食べやすい蕎麦。でも腸を汚してしまう食べ方がある?栄養士が教える、蕎麦のNGな食べ方© Adobe Stock

腸を汚すとはどういうこと?

腸は、食べ物を消化吸収する働き、水分を吸収して便を作り排泄する働き、細菌やウイルスなどの外敵から体を守る免疫の働きを担う消化器官の1つです。腸が汚れるとは、これらの働きが上手く行われなくなり、腸内環境が悪化するということです。

腸を汚す最大の原因は、食生活にあります。腸の中に長時間、食物が滞ることで腸の流れが悪くなり、腸壁に有害な物質が蓄積し、腸内環境は悪化します。腸内環境が悪化すると、体にはさまざまな不調が現れてきます。

腸の汚れによる体の不調

腸の汚れ(腸内環境の悪化)によって起こる体の不調を以下にまとめています。

頭痛

腸の働きが悪くなると、栄養が上手く行きわたらずに毒素が溜まっていくため、毒素を処理する器官である肝臓も弱ります。すると、血液の流れが滞り、酸素も十分に行きわたらなくなるため、頭痛が起こります。

肌荒れ

腸内環境が悪化すると、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増加します。悪玉菌は、腐敗することで有害物質を作り出し、その毒素は腸管から吸収され、血液を介して皮膚に届きます。すると、皮膚のターンオーバーを阻害して肌荒れの原因になります。

アレルギー

悪玉菌が増えると、悪玉菌の作り出す有害物質が腸に存在する免疫細胞に異常を起こし、アレルギーを引き起こします。また、善玉菌にはアレルギーを抑える作用もあるため、善玉菌が減ることでその働きが失われることにもなります。

 

うつ

幸せホルモンといわれる「セロトニン」は、分泌量が少ないとストレスを受けやすくなったり、やる気が起きないなどのうつ症状が現れることがあります。セロトニンは脳で作られますが、前駆物質を作るのは腸であるため、腸が汚れると作られるホルモンの量も減少し、鬱になりやすくなります。

下痢、便秘

腸内環境が悪化して悪玉菌が増えると、悪玉菌が排出する有害物質によってぜん動運動が鈍くなり、便秘になります。便秘になることで、毒素が溜まると腸内環境はさらに悪化するという悪循環に陥ることも。また、有害物質がぜん動運動を活発にし過ぎることもあり、すると今度は下痢になる場合もあります。

腸を汚す、蕎麦のNGな食べ方

そばの材料であるそば粉や、つなぎに使われる小麦粉は、消化管をゆっくりと通過し、消化に時間がかかるスロー食品です。一方、食品の中には消化が早いファスト食品も存在します。スロー食品とファスト食品を組み合わせて食べると、消化管の流れが驚異的に遅くなり、腸が詰まったり排便リズムが崩れる原因となります。

このように、食品の組み合わせが腸を汚す原因になるため、蕎麦を食べるときにも食べ方に注意する必要があります。腸を汚す食べ方はできる限り避けるようにしましょう。

NG①薬味

蕎麦を食べる際には、いろいろな薬味を添えて食べることが多いです。しかし、その種類によっては腸を汚してしまいます。

唐辛子、ゆず、かぼす、梅干しは消化が早い食品であるため、蕎麦との組み合わせはNGです。

ねぎ、大根おろし、ごま、のり、しょうが、わさびなどは、蕎麦と同じ消化の遅い食品であるためおすすめです。

NG②天ぷら

天ぷら蕎麦は、天ぷらの具材によって蕎麦と相性の良い物、悪い物があります。

かぼちゃ、ピーマン、ししとうの天ぷらは、そばと組み合わせると消化が悪くなるため好ましくありません。

野菜の天ぷらでは、ごぼう、にんじん、玉ねぎ、さつまいも、れんこん、しいたけでは腸が汚れることはないため、おすすめの食材です。

NG③カレーと一緒に食べる

外食などでは、カレー蕎麦もメニューの1つとして提供されることがありますが、蕎麦とカレーの組み合わせも消化管に負担のかかるメニューです。

 

カレーには、香辛料として唐辛子が使われています。唐辛子と蕎麦の組み合わせが良くないため、唐辛子を含むカレーは蕎麦と一緒に食べないようにしましょう。

まとめ

蕎麦は、穀類の中でもたんぱく質が多く、私たちに必要不可欠な必須アミノ酸もバランスよく含まれる食品です。
今回紹介した腸を汚すNGな食べ方に注意しながら、食生活に上手く取り入れて健康維持に役立てましょう。

参考:

「腸がすべて」 フランク・ラポルト=アダムスキー/著  東洋経済新報社

健康長寿ネット 「腸内細菌叢(腸内フローラ)とは」

農林水産省  「そばの栄養の特徴」

古山有紀

大学卒業後、管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。出産を機に独立し、ダイエットサポートや健康維持のための食事カウンセリングを行う。また、食事と健康、美容、ダイエットに関する記事を中心にライターとしても活動中。