乳癌の手術が終わり、仕事の合間に通院する母。
病院が会社のそばにあったからだ。
その分仕事は遅れをとったのか、より母の帰りは遅くなり、自分と兄弟は放っておかれた。
母が死ぬんじゃないかと怖かったので、寂しいなどの気持ちは無かった。
小4の冬、私は高熱を出した。
今思えばインフルエンザかと思うが、当時は(田舎だったからか)その場で分かる検査キットもなく、病院に連れて行ってもらい、風邪薬を飲まされると母は仕事に行った。
母も急いでいたのかもしれないが、病人でも食べられるものや飲み物を置いて行ってはくれなかった。
渡されたのは体温計だけ。
無知な子供だった自分は、発熱時、水分をたくさん取る方がいいという事も知らなかったが、本能で動いたのか。
41℃まで熱が上がった時に、何か…と思い廊下に置いてあった段ボールからミカンを幾つか取り出し、布団に寝転がりながら食べた。
やることがないので、ひたすら熱を計っていた。
夕方になり41.5℃まで上がった時に視界がボヤけ、母が恋しくなった。
母の会社に電話した。
母はそれから帰ってきてくれたが、片道2時間の距離。
自分は幾つか食べたミカンをその間に嘔吐してしまい、布団を汚した。
帰宅した母にまず怒鳴られた事だけ覚えている。