柿ピーの執筆活動

柿ピーの執筆活動

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お題

タイ焼き

柿ピー



「ふぅ、きょうもつかれたなぁ」

会社から出てつぶやいた。毎日残業、明日も残業が確定している。

駅に向かってとぼとぼ歩いていると、どこからか甘い匂いがした。

ふと顔を上げると、そこにはタイ焼き屋があった。

疲れてたからだろうか、足が自然と向かった。

店の中では20代くらいの女の子がせっせとタイ焼きを焼いていた。

見せに入ると、

「申し訳ございません、もう閉店の時間なんです」

といわれた。よく見ると入り口にはclauseの看板が立っていた。

「すみません、中からいい匂いがしたので、やっているんだと思ってしまいました」

「そうだったんですね。これは練習で作っているんです」

話を聞くと彼女はまだ半人前で、タイ焼きを作る練習をしているという。

「練習で作ったタイ焼きはどうするんですか?」

「基本食べるんですが、食べきれない分は捨ててしまいますね」

「でしたら、いくつか売ってもらえませんか?」

「申し訳ございません。商品じゃないので、お売りできないんです」

「そうなんですか...

少し落ち込んでいると、

「お売りすることはできないんですが、味見していただけませんか」

と彼女がタイ焼きを1つくれた。一口かじると、甘い香りが口の中に広がり、とてもおいしかった。

ただ、焼きすぎだったのか、外側はかたかった。

「どうですか?」

「おいしいですけど固いですね」

「そうですか...まだまだ半人前ですね」

「いくつかもらってもいいですか?」

「これでもいいならどうぞ」

彼女は袋にいくつか入れてくれた。


最寄り駅につき、車に乗り込んだ。

エンジンをかけてもらったタイ焼きを一つ食べた。

「やっぱり固いな」

そういいながらも優しい甘さを堪能した。

家につきスーツを脱ぐと、冷蔵庫からビールを出し、一口飲んだ。

キンキンに冷えたビールがのどを通り、胃袋に入るのを感じる。

ビール片手にまたタイ焼きを食べた。甘いと苦いのバランスが良く、すぐに食べきってしまった。

「つまみがなくなっちゃったな」

そう言い戸棚を開けて中にあった柿ピーを取り出した。

柿ピーを口に運ぶがあのタイ焼きが頭に残る。

「明日も寄ってみるか」

いやな仕事の後に楽しみがあると思うと、明日も頑張れるなと思った。