ミネラルウォーターに、硬水と軟水とがあることは広く知られています。硬水はどちらかといえば苦く、軟水はどちらかと言えば甘い味がします。ミネラルウォーターを飲んで、酸っぱさ、しょっぱさ、辛さを感じることはほとんどありません。強いて言えば酸っぱさは、極々わずかに感じられることがありますが、稀です。水にはタンパク質が含まれないので、今話題の旨みもほぼありません。つまり、水には甘い水と苦い水とがあり、ミネラルウォーターは雑味がないので、それを感じやすいということになります。
わらべ歌の「ほたるこい」の歌詞には、この水の味がよく書き分けられています。ほたるを呼ぶために「あっちの水は苦いが、こっちの水は甘い」というわけですが、この歌詞を書いた人は、水に甘いのと苦いのがあることを知っていたのです。ミネラルウォーターの定義は、「容器入り飲料水のうち、地下水を原水とするものを言う」ということですから、井戸水を飲んでいた人たちは、厳密には今とは異なるにせよ、ミネラルウォーターを飲み、その味の違いも感じ取っていたということになりますね。近くの井戸の水でもそれだけ差があったというよりは、日によって異なるわずかな味の差を感じる味覚を持っていたのかもしれません。
わたしたちの飲んでいるミネラルウォーターを昔の人が飲んだらどんな味だと評するか、尋ねてみたい気もします。