今回は人に話せるものではないかも知れない
関心を持たれたら黙って現地へ連れていくべき
「まぼろし博覧会」最後のルート、まぼろし神社ルートの話。ここが一番カオスというか、今までも人を選ぶ感じだったが、ここの篩は特に目が細かい。
まずこのルートには閉館した秘宝館から持ち込まれてきた展示物がある。秘宝館は生殖系に関する展示館であり、人間の裸体の模型がズラリと並ぶ施設だった。科学博物館の類いであれば「わーえっちー!」とか言っていたらそれはただの小中学生だが、秘宝館という名称と言い、展示物の内容と言い完全にイロモノな施設。ちなみに先程調べたら熱海に現存する。ここ「まぼろし博覧会」も静岡。静岡には何か集まりやすいのだろうか...。



このルートには他にも旅ノートが書ける神社や、深淵を覗き込んだような気分になれるサーカスなどがあった。



そんな大量の展示品のなかで、一番良い写真が撮れたのは壁展示の「人間ラブドール名鑑」。生きている人間を加工しておめかしして、一体の人形にする。人間の俗世から離れてただ愛されるだけのモノになりたい、という夢を叶えるものである。それぞれの写真ごとに、人形の名前と持ち主の設定などが書かれている。メイクを施した人間(ラブドールとは言っても、正直普通の人形との違いにピンと来ない...)は本当に無機物のように綺麗で1ミリたりとも動く様には見えない。それぞれの人形の横に書かれたコメントには、持ち主の職業や保有の経緯、人形の名前などが書かれている。
職業にはキャバクラ経営から銀行員、精神科医まで多様だ。
コメントは架空の創作かもしれないが、限りなく人形として飾り立てられた人間と、コメントから滲み出る現実味が奇妙なリアルさを醸し出していた。





他にも多様な世界観を持つ「まぼろし博覧会」だが、一旦話はここまで。他にも見どころ、ツッコミどころが満載、ハマる人は沼に足を取られてズブズブと沈んでいく。帰りも、セーラちゃんは車でもバスでも全力でお見送りの旗を振ってくれる。最初から最後まで良い思い出になると思う。(あとバスの時は道路を挟んだ向こうにあるバス停へ辿り着くコツを教えてくれる...)