森の中を三日三晩歩き続けると、わたしは真夜中の遊園地にたどりついた。
なぜか電飾がちゃんと点いていて、とても幻想的だった。
「おうい、誰か、いませんかあ!」
返事が無いので、わたしは観覧車に乗ってまわりのようすをうかがうことにした。
遊園地はとてもひろい。どこかに人がいないかな、わたしはゴンドラの窓に顔を押し付けそこらを見渡す。
ローラーコースターは無人で動いているし、湖に浮かぶボートにも人影はない。
がっかりしてため息をつくと、むこうでキラキラ光りながらまわるメリーゴーランドに人影が見えた。
それも…たくさん!
「おーい!」
わたしは喜んで彼らのもとへ駆け出した。
わたしがそこに着くとメリーゴーランドは停止した。
「やぁ。君も乗るかい」
白馬に乗ったサラリーマン風のおじさんが言った。
「どうして、みんなメリーゴーランドに乗っているの」
わたしが尋ねると彼はこう答えた。
「前に進みたいわけでもなし、かといって後戻りもできない。同じ場所をくるくるまわっている…君にもわかるだろ、この気持ちが」
わからない。
人生はメリーゴーランドなんかじゃない。どちらかと言えば、レコードプレイヤーだ。
始まりがあって、終わりがある。
わたしが首を横にふると、おじさんは悲しそうな顔をした。
そしてまたメリーゴーランドは動き出した。
メリーゴーランドには、疲れた顔をしたおばさんや、青白い青年、ミイラのようにしわしわのおじいさん(いや、おばあさんだったかもしれない)が乗っていた。
わたしは遊園地をあとにした。
なぜか電飾がちゃんと点いていて、とても幻想的だった。
「おうい、誰か、いませんかあ!」
返事が無いので、わたしは観覧車に乗ってまわりのようすをうかがうことにした。
遊園地はとてもひろい。どこかに人がいないかな、わたしはゴンドラの窓に顔を押し付けそこらを見渡す。
ローラーコースターは無人で動いているし、湖に浮かぶボートにも人影はない。
がっかりしてため息をつくと、むこうでキラキラ光りながらまわるメリーゴーランドに人影が見えた。
それも…たくさん!
「おーい!」
わたしは喜んで彼らのもとへ駆け出した。
わたしがそこに着くとメリーゴーランドは停止した。
「やぁ。君も乗るかい」
白馬に乗ったサラリーマン風のおじさんが言った。
「どうして、みんなメリーゴーランドに乗っているの」
わたしが尋ねると彼はこう答えた。
「前に進みたいわけでもなし、かといって後戻りもできない。同じ場所をくるくるまわっている…君にもわかるだろ、この気持ちが」
わからない。
人生はメリーゴーランドなんかじゃない。どちらかと言えば、レコードプレイヤーだ。
始まりがあって、終わりがある。
わたしが首を横にふると、おじさんは悲しそうな顔をした。
そしてまたメリーゴーランドは動き出した。
メリーゴーランドには、疲れた顔をしたおばさんや、青白い青年、ミイラのようにしわしわのおじいさん(いや、おばあさんだったかもしれない)が乗っていた。
わたしは遊園地をあとにした。