ITB治療にかかる費用について

今日は治療関連の医療費を確認してきました。

ITB(脊髄くも膜下鎮痛療法)の導入にかかった費用は、保険支払い分で約200万。患者負担は3割で60万程度になります。

その後の薬液交換は年4回、1回あたり3割負担で約6万。年間で24万程度の見込みです。

実は、以前はボトックスやゼオマインで治療を受けていました。保険ベースでは1回10~20万を年4回、つまり年間80万程度かかっていたのです。

新しい治療に切り替えることで、導入費用を除いた年間費用は80万から24万へと大幅に圧縮されました。保険組合にとってはありがたい話でしょうね。

興味深いのは、導入コストを逆算すると、4年でペイできるという計算。長期的に見れば、実は効率的な選択なんです。

なぜこの治療を選んだのか

勧められるままに、何も考えずに「受けます」と言ったわけではありません。

いくつかの理由がありました。

まず、ボトックスとゼオマインに対する耐性の疑いが出ていたこと。コスト面でも新しい治療の方が良さそうなこと。そして、最悪のシナリオについても考えました。失敗すれば死ぬ可能性もありますが、それでも後悔していません。

他の患者さんの選択肢になるかもしれない、という考えもありました。その病院では実施していない手術も多く、症例数もまだ少なかった。ただし、先生と看護師が本当に頑張ってくれたんです。

最悪のことになったとしても、訴えるつもりはありません。これは完全に私の判断と責任による選択だからです。

投与量のこと

治療に際して、副作用として死亡も記載されていますが、どうやら私の場合、そこまで致命的な量は使用されていないようです。

実は、私より多くの量を投与されている患者さんがほとんど。これは先生の知識、医局の知識、業者の知識があってこそ。通常のプロトコルで流せば、今の2倍くらいになっていたと思います。

実際の投与は下限を使いながら、メインはボーラスモードで時間ごとに調整。先生曰く、私の身体の反応が良すぎるということもあるかもしれません。

でも本当のところは、先生が私という患者に対して先入観を持たず、いろいろ試してくれたからこそ、この量で副作用も出ずに済んでいるんだと思います。本当に感謝しています。

私はこの治療の被験者になることくらいしかできていませんが、病院での初症例となるには倫理委員会や薬事委員会といった手続きが本当に大変らしいです。

この治療まで含めて、症例は3例ほどまで伸びたそうですが、予後が一番安定しているんじゃないかな。分かりませんけど。

スクリーニング検査について思うこと

スクリーニング検査で治療を諦める人も多いようです。ただ、検査で分かるのは「重大な副作用が発覚する」ということだけ。

個人的には、副作用が出ないように投与管理すれば済む話で、検査結果があたかも予測可能なものとして扱われるのは違うと思います。どこにどう影響してくるかなんて、本当に分かりませんから。

本当に必要な人、効果が見込める人には、そもそも選択肢がないはずなんです。悩む余地のある人こそ、別の治療を選べばいいじゃないか。それが私の考えです。

ITB治療について

結論として、私はITB治療を勧めるものでも否定するものでもありません。

一番大事なのは、信用できる先生に出会うことだと思うんです。

実は、この治療を受ける人の多くは意思疎通が難しい状況にあるらしいです。小児患者がメインですし、年間の実施件数も200件にも満たないとのこと。

かくいう私も、薬の効き目は検査をしないと意識できていません。ただ、重度の副作用が出たら止めるという判断基準があれば十分です。これは正しい判断だと思います。

この治療という選択肢を、この病院で受けることができる環境を作ることができた。その点で満足しています。

後は、将来的に火葬の際に外さなきゃいけないのかな、という疑問と、先生が太らないか心配していること。体重が増えるとポンプ周りの脂肪も増えて、ポンプアクセスが難しくなるんですよね。

その程度の懸念事項で、今は良好です。