日本うつ病学会のガイドラインが、昨年11月30日に改訂、ウェブ公開されています。

 

「日本うつ病学会治療ガイドライン」

http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/mood_disorder/img/171130.pdf

 

まず、見て頂きたいのは、3頁の執筆者の利益相反関係の開示。

国内外の製薬会社がずらり。

 

そして、6頁のサマリー(要約)。

その「第2章 抑うつエピソードの治療」に、修正電気けいれん療法が推奨。

ECT。いわゆる、電パチです。

「修正」というのは、「治療」前の全身麻酔・筋弛緩剤投与を意味するのであって、頭部に電極を当てて通電するのは、従来のやり方と変わりません。

 

電パチが、精神科病院の中で、「治療」ではなく「懲罰」や「見せしめ」として用いられてきたことは、よく知られています。

http://orifure-net.cocolog-nifty.com/net/2006/06/63_9a37.html

 

これを、最新のうつ病治療ガイドラインとして推奨するのが日本うつ病学会。

日本臨床心理学会は、先日、この学会を公式サイトにリンクさせたのです。

 

そして、ガイドライン同頁「第3章 維持療法の治療」は、推奨薬物名の列挙の後に、

以下のように、記されています。

 

心理社会的治療(いずれも薬物療法との併用)

■最も推奨される治療

・心理教育
■次に推奨される治療
・認知行動療法
・対人関係-社会リズム療法
・家族焦点化療法
■推奨されない治療 ・薬物療法なしに、心理社会的治療単独での治療 

 

 

こんなふうなガイドラインを掲げている日本うつ病学会と、日本臨床心理学会とが、今後とも積極的に連携する、共同歩調を取る、と宣言しているのも同然。

 

日本臨床心理学会は、医療心理師の名称替えの「公認心理師」国家資格化を長年に渡って推進してきた、日本精神科病院協会の御用組合「全心協」(この学会の公式サイトでは、「リンク」ページのトップに鎮座)の中核団体です。

 

本年から、「公認心理師」の国家資格者が誕生します。

 

「公認心理師」は、医師の指示に従う義務を負う国のおすみつきの精神保健福祉医療領域の心理専門職です。

 

この資格者は、老若男女の国民すべてのこころの健康に関わる場に進(侵?)出していきます。つまり、医療だけではなく、労働、司法、教育、福祉の場に。

 

その公認心理師集団の中核職能団体として、日本臨床心理学会は、学会勢力の再興の大きなチャンスを迎えたのです。

 

精神科医療は国策です。

 

国策にのっかることは、膨大な利益を伴う利権を生みます。

 

上記のガイドライン、3頁の利益相反開示をご覧なさい。

この、世界資本をはじめメガファーマの、威風堂々たる列挙(の惨状)を。

 

日本臨床心理学会は、薬物療法主体で、非人道的「治療?!」の極みである電気けいれん療法を推奨する団体と「共に生き」「共に歩んで」いくことを全く恥じません。

 

SLAPP提訴の完全勝訴に喜色満面、精神医療被害者を支援するわたくしたちを殲滅した今はもう、なんのはばかりも無く、誇らしげに、精神科医療コバンザメであることを誇り高くも堂々と告示できるのでしょう。

 

 

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