相談にやってきた相手の話しを聞かないカウンセラーっているのかしら?

そもそも、「相手の話しを聞かないカウンセラー」という言い方は、一種の形容矛盾じゃないかって思われるかもしれません。

 

形容矛盾とは.....「丸い四角」とか「冷たい熱湯」とか「明るい闇」とか、....ポエムの(詩的な「たとえば」の)表現で、現実のことは言っていないように思えます。

 

でもね、いるんですよね...。ぞろぞろと...。

 

相手への絶対的な受容と共感、積極的な肯定は、カウンセリングの基本中の基本。

でも、それを本当に完璧に実践するのは、人間わざじゃとてもとても無理!!です。

ほとんどのカウンセラーは、人の話しを「傾聴」している「ふり」をしてます。

 

見た目で「ふり」をしてるのですが、その中身はどうかと言いますと....

 

カウンセリング場面によっては、頭の中は真っ白で...<眠り>に入っていて、ときには実際に身体も寝てしまうことがあります。

カウンセラーから指示命令的な助言を、がっつりともらう目的で来られた相談者は、このカウンセラーの「ふまじめな」態度に、大いにお怒りになります。

 

 

 

 

....でも私は、寝てしまうカウンセラーの罪って、「けっこう軽い」と思うのです。

クライアントの中には、話し相手の頭の中が<眠って>いてくれる方が、自分の考えを自分の力で整理していきやすい方もおられるのです。

カウンセリングにこうやって向き合うほうが、対症療法ではない根本的な「解決」への道を、まっすぐにご自分自身で見いだしていかれるのだと思います。

 

寝てしまうカウンセラーもほめられませんが、ニーズが違っていたのでしょう。

使い回しのよい言い方をするなら「カウンセラーとの相性」の問題なのかも...。

 

ご自分の真剣な相談の場で「寝られてしまった」クライアントの方が、ところどころで元のカウンセラーのダメさを広めつつ、ご自分にとって絶対的な「弁護士」となってくれるカウンセラーを、はてしなく求め続けることもありがちです....。

 

 

 

 

さっき、真剣な相談の場で寝てしまうカウンセラーのほうが、まだ罪が軽いと言いました。じゃ、どんなカウンセラーが罪深く、ほんとうの意味で人の話を聞かないのでしょう!?

 

それは「話しを聞かない」というより、「話しをすりかえる」カウンセラーです。

そんなカウンセラーほど、相手の話しを見た目も頭の中でも、しっかりと聞いています。寝てしまうカウンセラーなんかより、よほど「信頼」できそうですよね!

 

でも、問題は、そのカウンセラーはあらかじめ、「カウンセラー自身の落としどころ、つまり結論」を持っているということです。

 

そして、自分が誘導したい方向へと切り出すチャンスを、クライアントの話の中に虎視眈々と狙っていて、自分が持っていきたい結論には不要だったり都合の悪い部分はスルー(無視)します。だから、しっかりと聞いているのです。

 

 

 

 

相手に信頼感(「ラポール」... とかと言いますが)を持たせた上で、相手を一種の「洗脳」によって誘導し、そのカウンセラーが導きたい結論を、その相手自身が選んだかのように思わせて、言葉に出させるのです。

 

その導きたい方向性が、そのカウンセラー個人の思想・信条であるというのもどうかと思いますが、もっと良くないのは、そのカウンセラーが所属する(雇われている)機関に利益をもたらそうとする場合です。

 

「ものの見方を変える(リフレーミングとかとも言います)」技法等を使い、カウンセラーが所属する組織に対し、クライアントが抗議したり批判したりする言動を、なだめて押さえこむために、つまり雇用主や上司の意図に沿うようにクライアントのこころを導いていくことが多々あるのです。

 

 

 

 

とくにこの事態は、大きな組織、公的機関などでも生じがちです。

組織のカウンセラー的役割をする専門職は、そのような立場を上から期待され、上の意に逆らうと追い出されて生活の糧を失うことにおびえなくてはなりません。

 

たとえば精神科病院のPSW(精神保健福祉士)が「医者の奴隷」と言われるのは、

そういうわけです。

 

さて、「公認心理師」の資格取得バブルがやってきました。盛況です。

先週現任者講習受付が開始、日本精神科病院協会主催講座は、即日、満員御礼。

 

公認心理師法42条2項には、「医師の指示に従う」義務が規定されています。

 

 

 

 

 

上記Q&Aに答えておられる宮脇稔教授は、日本精神科病院協会傘下の心理職能団体「全心協」会長さん。