先日、ベランダの物干を数ヶ月ぶりに組み立てようと、雨除けカバーを外すと、

数匹の大きな蜂が舞い上がってきて、あわてました。

 

知らないうちに、アシナガバチが、大人の手のひら大の巣を作っていたのです。

規約で洗濯物はベランダに干せないのですが、草木のプランターがあるので、水やりに2日に1度はベランダをうろうろしていたのに、蜂の影さえも見ませんでした。

先週の台風の後、カバーがかかったまま物干が倒れていたので、無造作に元の位置に立てかけたりもしました。そのとき、かれらは賢くも舞い立ってこなかったのです。

 

 

いま思えば、今年の夏、アゲハのいも虫に蜜柑の葉っぱが食べられていないなあ〜って、思っていたぐらい。(そうか...天敵が同じ生態系内に居たんだ...)

近年では、かつてうちのベランダで孵ったアゲハが戻って来て卵を産み過ぎるので、うちの小さい蜜柑の木の葉っぱはいつもすっかり食べ尽くされて、けっきょく、いも虫たちは共倒れになっていました。可哀想なので、近くの川の土手の柑橘系の樹木にくっつけに行った事もありましたが、市の管理地に勝手に果実の樹木を植えるのは不法だったようで、柿やいちじくと一緒に市の委託業者が刈りとってしまいました。

(......法律って、なんなのでしょうね。誰かの権利を護るために誰かの別の権利がないがしろにされる、そんなとき勝つのはいつも、時間とお金に余裕がある、社会的強者の側。今回の裁判でも身にしみて、そう思いました。)

 

 

はてさて、「しらぬが仏」というのは、このことです。

 

お互いに不干渉であった、ベストな情況が、いまや、事実が判明することで、大きく変わってしまいました。アシナガバチ一族とわたくしと、いまわたくしの側が、かれらの生殺与奪の決定権を持つ強者です。でも、そうなりたくなどなかった。

「知らなければよかった...」と、ほんとうに思います。

 

そこで、はたと気づきました。

私は、日本臨床心理学会に、年間8000円も会費を支払っている会員なら、その会費がどんな目的でどのように使われているのかを知る権利があると信じていました。

 

それは、「大きな間違いだったのかもしれない!」と、気づいたのです。

 

 

私たちが国に税金を納めているのだから、この国は私たちのための政治をしてくれる。と思い込んだら、けっこう「幸せ(高いQOL)」に生きられるのです。

上の人がすることは、自分たちのためを思ってしてくれることで、少々失敗して批判されても、政治家やお役人たちに悪気があってのことじゃない、その人なりに一生懸命に私たちのために働いてくれるのだから、足をひっぱったりしないで、これからも応援していこう、と思っている人の方が、この世の中では、絶対に多数派なのです。

ここには、正常化バイアスがしっかりと働いているのだと思います。正常化バイアスって、「知らぬが仏」で、ず~といたい、できれば命が終わる瞬間にも、という願望なんじゃないかな。ピンピンころりを願掛けするお寺もあったと思います。

 

 

そのような「知りたくない権利」を侵害して、知れ知れと会員に事実を突きつけたのは、パワハラの一種だったのかも….と反省の思いが私の心に芽生えてきたのでした。

 

「知る権利」が問題になるのは、遺伝医療やがん告知の時の「知りたくない権利」ですが、これは、「知っている」側つまり医療者側に「知らせる」ことが治療的であるかどうかが委ねられる、という非対称(不均衡・不平等)さ、ですよね。

 

それとは別の場合にも「知りたくない権利」があるとすれば、それは、「リテラシー(情報を読み解く能力)」をあえて放棄して、負の部分に目をつむって、楽しいことだけを思って、死ぬ瞬間まで心穏やかに生きていたい権利かもしれません。

 

 

私は、3.11の福島原発の過酷事故で世の中は覚醒すると、思いこんでいました。

しかし、世の中の集合意識は、それとは逆の方向へと展開しました。🙀

正常化バイアスや「知りたくない権利」は、ますます強化されてきたようです。

 

私は会員に事実を訴え続けてきたことで「永久除名」されましたが、私が「永久除名」されたことなど、会員の方々の日々の生活にとって、ちょっとオモシロおかしい話題の一つを提供しているぐらいなのだなあ、とあらためて思われました。😿

 

気持ちの上では、このような諦観(あきらめ)に達しても、これからの生活の過酷さが、悟りの境地をぶちこわしてくれることでしょう。長年の奨学金返済がやっと終わって、年ごとの税金、(特に理不尽なのは、使うヒマのない国保料…)だけになっていたのに、これから死ぬまで払い続けることを義務付けられた、SLAPP賠償金を背負って行くと思ったら、それだけでもQOLはダダ下がりです。😹

 

ともあれ、10月31日の火曜、一審維持の可能性が濃厚な控訴審判決が出ます。

すでに判決文は書かれている筈。これって、「知らぬが仏」に当てはまるかなあ...

 

外は暴風雨......雨の日のねこは眠い....ベランダのアシナガバチ一家は大丈夫かなあ...