bloodthirsty butchers | KO SLANG:日々是好日ブログ

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SLANG KOの日々是好日

2013.5.11.下北沢ERA

bloodthirsty butchers X SLANG



ブッチャーズと2マンって初だったとおもう

札幌当時も覚えてないからたぶん

今日、ほんとはMCで言おうと思ってた事たくさんあったんだけど

「bloodthirsty butchersのデビューライブから見てんだぜ...」

あの一言でもう涙が出て来てダメだった

16歳ぐらいの頃の話

もちろん札幌な

くせえ感謝の言葉なんか一言も言うつもりもなかったし

俺だって現役

だからね、そういう事は言うつもりはなかった。



けど、きのう面白い話いっぱい思いだしてた

89年頃

死んじゃったオッケーちゃんと吉村さんと一緒に家に向かって帰っててさ

みんな腹空かしてて

あの頃、吉村さんって財布持ってなくていつもポッケに小銭いれてた。
(札なんかみんなほとんど持ってない。なんで生きてたのか不思議なぐらい)

んで、俺とオッケーちゃんが「腹減った!腹減った!」うるさいから

吉村さんが「皆で金だしあって何か材料買って家で料理するか?」って言うから

俺たち元気いっぱいに「うん!」って

みんなの金ぱっと出したら300円ぐらいしかなかった

そんで、けっきょく赤ウィンナー2袋ぐらい買って貰って

吉村さんが自分家で焼いてくれたんだよ

塩こしょうかなんかでさ

「ケチャップじゃないの?」「贅沢言うな!」とか言われてさ

ばくばく食べてて、「もう無くなっちゃうよ?」ぐらいになった時に

吉村さんが「おい!」って言ってね

「食べないの?食べちゃうよ?」って言ったら

「おれ猫舌だ!」って

なまらオモロい。



17歳で初めて札幌に部屋借りて、半年ぐらいで引っ越す事になってさ

あの頃、車持ってるやつなんか皆無だったのに

ベースのいもりや君がかっこいいワーゲンのバン乗っててね

まあ、車種は関係ないんだけど

引っ越しの荷物ぜんぶ運んでくれた

俺、まだスラングもやったかやってないかぐらいで

ただのブッチャーズに憧れてた小僧だったのにさ

後日、なけなしの金でビールもってお礼に家まで行ったの覚えてる。



「おい、ちょっと付き合え」って何も言わないで歩いて行くから(もちろん吉村)

いい加減あきれて「どこ行くの?」って言ったら

電気だか水道だか止められて支払いしに行くだけだったとか

ブッチャーズの陰口言ってたやつを俺が血まみれにしたりとか

毎日そんなんばっかだった。



あれから25年ぐらい経って

今日こうやって東京で2マン出来てさ

バンドとしてはもちろん立場なんか気にしてらんないし

そんなもんに遠慮してステージ上がってたらただのカスだけど

言いたいは事いっぱいあった

けど

「bloodthirsty butchersのデビューライブから見てんだけど...」

これでもうだめだったわ。



もっと道産子いっぱいいると思ったけどな

まあ、これが今日だ

お互い感慨深さが隠しきれてなくて

俺はもっと刺々しい感じで行きたかったんだけど

まあ、それはそれで今回は良かったのかもね

優しい日だったと思う



「bloodthirsty butchersのおかげで今の俺がある」とか

そこら辺のあまちゃんみたいなことは口が裂けても言いたくないし

SLANGはSLANGであり、「そうであれ」とおれは先輩から教わった

なにを隠す必要もないが

俺にそう叩き込んでくれた先輩は増子さんであり、吉野くんであり、

その吉村本人だ。



bloodthirsty butchersと出会ったおかげで今の俺は在る

bloodthirsty butchersと出会わなかったら

俺が「札幌!札幌!」と言う事もなかったと思う。



勝負の場になったら、それが例え親であろうが相手を斬れ

俺が先輩から教わった事はそういうことでもある

良くも悪くも根付いてる「対バン」って形式とは

上手く付き合って行かないと命取りになる

今日という日はもう二度と来ない

今日が楽しみだったし

今日は楽しかったし

今日みたいな日を待ち望んでいた

手加減をしたライブをやったつもりは1ミリもない

けど、殺す気もなかった

それは誰かってことでもなく

俺の好きな

あのライブハウス独特のあの感覚のはなし。



こういう心境でこのような日を迎える事はもうない

bloodthirsty butchersと出会ったおかげで今の俺があるから

俺たちはお客さんからお金貰ってステージに上がってる

これはプロレスとも違う

真剣に誰かに立ち向かうとかそんな話でもない

あのライブハウス独特のあの感覚のはなし。



「bloodthirsty butchersのデビューライブから見てんだけど...」

この言葉の意味がどんだけのもんかってのは俺と吉村さんにしかわからないこと

ブッチャーズが東京に行って10年も経った頃だったかな

ある日カウンターアクションに現れた吉村さんが

何も言わず「ホラ」って包みをくれた

開けてみたら

その"デビューライブ"で吉村さんが着てたT-SHITだった

バンドTでもなく

ちょーヨレヨレで

その辺の古着屋で売ってそうなこ汚いシャツ

「こんなの誰が覚えてんだよ」ってぐらい

当時ならどこにでもありそうなカレッジ風のプリントの入ったグレーのT-SHIRT

それはいまだに俺家のタンスに入ってて

着るに着れないし

たまに独りの時に引っ張りだしては色んなこと思いだしてる。

誰かがいるときだとホラ

今日のMCみたいなことになっからね。


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