困ったことに食材偽装が明るみになりました・・・・メニューに「ステーキ」と書いているのに実は「牛脂が注入された肉」を提供していたのです。
つまり「牛脂注入加工肉」を提供しているのに非表示(ごまかし)にして「和風ステーキ膳」などという名前で提供していました。
見た目はきれいな「霜降り肉」なのに本当の霜降り肉と比べて格安、その安い肉を高い肉として消費者を騙し利益をあげようとしたことが問題視されています。
牛脂注入加工肉(インジェクション ビーフ)とは?「インジェクション ビーフ」とは、主に脂が無くて硬い赤身肉に脂を注入(インジェクション)し、サシを入れた牛肉でのことで、ブロック状の牛肉に巨大な注射針が60本から100本付いた「ピックル インジェクター」という機械を使用して牛脂を注入(注射)する方法です。この牛脂注入加工肉は年間8000トン以上も日本国内で生産され、ファミーリーレストランや一般のステーキハウスにて10年程前から盛んに提供されています。
ハムやソーセージも同じような工程で製造する加工肉なので、安全性についても問題がなく「牛脂注入加工肉」が悪いという訳でもありません。
言い換えれば、本物と加工牛と見分けがつかない程、精巧なこの製造技術を考案した人は「すぐれた発明家」 で ”ノーベル賞” ものと云えます。
阪急阪神クループが提供している料理の食材が表示している物と異なるという事が発覚しマスコミのネタとして報道された途端にシェラトンホテル、近鉄ホテル阪急ホテルばかりか ほぼ全国有名ホテル、レストラン、百貨店を巻き込んで泥沼状態となっています。
一番の問題は「ステーキ」と表示されているのに、実際は水飴、植物性蛋白、増年多糖類、卵白リゾチーム、化学調味料等々を液体にして様々な添加物を注入しています。
加工することが悪いことではないのですが、加工工程や添加物それらの情報を 殆ど開示しないで提供しているから「偽装」という事になるのです。もう一つの盲点は、スーパーマーケット等の対面販売でない所では 「成型肉」と表示義務があるのですが、ファミリー・レストランでは対面なので聞かれれば説明する義務はあっても表示義務はなく たまに表示されているものでも 「やわらか加工」「霜降り加工」「カットステーキ」等と あいまい表記 となっています。
そして、極め付きは、食材偽装の期間が10年前からと長期に渡っています。 ということは、裏返しに云うと、素人目には殆どわからないほど優秀な加工肉製造技術がすでに完成されていたという事です。 牛脂注入牛肉は「味がかなり美味しくなるから指摘されても気が付かない優れもの」だからわざわざ表示しなくても大丈夫というレストラン側の論理が成り立つのです。
ミシュラン審査員「素晴らしい霜降り、舌の上でとろけるようだ! 文句なし三つ星!」 と太鼓判を押したレストランの味も牛脂注入加工肉でした。 政府も放置することができないので、この問題は今後、何らかの法律で改正手段を講じることになると思います。
この地、シドニーでは、そんな手の込んだことをする必要もないほど、多種多様の肉があるので、今の所「加工牛肉」は市場に出回っていません(推定)。 ところで、ステーキ(Steak)とは、牛肉とか豚肉のスライスなどを焼いた料理とばり思っていたのですが、鶏肉などの肉類や、その他、サケ・マグロ・アワビなどの魚介類のでもステーキという言葉が使われるのですね。
例えばファミレスなどにも「帆立ステーキ」とノボリに書いていました。
ただし、単に「ステーキ」(Steak)と言う時は特に指定が無い限り牛肉、つまり「ビフテキ」Beef Steak のことを指すのだそうです。
日本の一般家庭での食卓を賑わす4大肉といえば・・・・牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉 でしょう。この地、オーストラリアでは、ほかにカンガルー、エミュー、ダチョウ―、七面鳥の肉がいつでも食べられます・・・・ 数年前「日本人会・カウラ1泊2日のバス旅」(Cowra Memorial Bus Tour )に参加しました。シドニー西310km、太平洋戦争終戦前に日本人捕虜の「集団脱走事件」」があった場所です。
目的地カウラ近く、途中の田舎街のレストラン、40名程で夕食を頂きました。 スープの次に出されたお肉がとても柔らかくて、みんな「シドニーと違ってこの肉は新鮮でとても美味しい、おいしい!」と褒めてなごやかな夕食が終わり、いざ解散という際に、幹事の方が “先程ご賞味頂いた肉はなんの肉でしょう” ・・・と素朴な質問を投げかけました。
殆どの参加者が地元の牛肉と思っていたのですが・・・・なんと、なんと・・・“あれは地元でとれたカンガルーの肉です” と白状・・・だれも食べたことがない ?・・・一瞬皆さんのお顔がヒキツリました。 我々もびっくり仰天しました。
オージー(豪州人)はカンガルーの肉を食べると聞いてはいたのですが、日頃、我々日本人は好んで食べる人はいません・・・。しばらくの驚嘆と沈黙の後・・・どなたも文句はおっしゃりませんでした。
つまり、よい ”味覚体験” をしたという事なのです。
カンガルーの肉なのに食感に違和感がなく、とてもおいしく、嫌なにおい、臭みもまったくなかったからです・・・・「ただ、そういえば肉が少々赤みがかった感じがしたかな?・・・」という程度でした。もう一つ、弁解するとしたら「レストランの照明がうす暗かった」ことです。 イギリスを旅行された方なら理解して下さると思いますが・・・ヨーロッパ系の人種は日本人と異なり、瞳孔反応が繊細なのでやや暗い照明を好みます。 どの店も薄暗いレストランが多いのです。
その後、興味津々でシドニー市街地のマーケットのお肉屋さんをのぞいたら「カンガルーの肉」も売っていましたが、あの日以来一度も食べたことはありません。 別にイヤという訳でもないのですが、Beef にはいろいろチョイス・選択肢があり十分満足しているからです。 シドニーの肉で驚くことがあります。 それは、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉のなかで一番高い値段がついているのが「鶏肉」なのです。日本は牛肉が一番高いのですが、この国、豪州では鶏肉が一番高価な肉ということになります。
鶏肉市価1kg¥12ドル(\1080)余禄ながら、普通の鶏卵は12個入り $4ドル(\360)フリーレンジ(放し飼い)のニワトリたまご12個入り $7ドル(\630)・・・・・同様に、なぜかたまごがバカ高いのです。 日本の2倍~3倍します。 *1ドル=¥90 その理由として、牛肉は放牧して雑草を餌とするので経費がかかりませんが、ニワトリは豆粕(かす)、貝殻、野くず米や麦、米ヌカ、フスマ、魚粉、大菜くずなどさまざまな穀物や動物性の原料を混ぜ合わせた配合飼料を与えるので経費が掛かります。
その他、鳥インフル感染予防の洗浄など、日々こまかな経費がかさむほか、日本のような量産体制が整っていません。 シドニーのビーフ(日本で云う一般的な牛肉)の市価は1kg $10ドル前後、つまり\900程度です。
但し、和牛(Wagyu)は倍以上の$24ドル(¥2160)。日本では国産の肉以外にアメリカの肉、オーストラリアの肉が相当スーパーマーケットに出回っていると思いますが、この値段には勝てないでしょう?千葉県・成田空港近くのスーパー・イオンで単なるオージービーフ1kg \3,500で販売しているのでビックリしたことがあります。
実は、歴史上、この広大なオーストラリア大陸には 牛 Cow は一頭もいませんでした。豪州の牛肉産業の始まりは、1788年(江戸末期・天明8年)に英国からの移住者が8頭の英国種の牛を豪州に連れてきたことにさかのぼります。広大な牧草地に放牧することにより、220年経過した現在では豪州の牛の数は3000万頭を飼育、人口よりも牛の数の方が多くなりました。 くだんの、オーストラリアの和牛の歴史は浅く、日本からメスの最初の遺伝子が豪州に輸入されたのは 1990年(平成2年)と言われています。
そして、その23年後の今、豪州で飼育されている和牛の血を引く牛は13万5千頭。 日本の10分の1以下ですが、その数は年々増えています。 * 同じく、羊 Sheepも一頭もいなかったのですが、1797年(江戸末期)南アフリカから輸入したのが始まりで、216年後の現在8000万頭に増えました。
(一時は1億頭を超えた時期もありました)、 1834年、豪州からニュージーランドにも初上陸、180年後の現在3420万頭です(NZ人口の約8倍)現在、世界一の羊飼育国は中国で1億3千万頭です。(中国の羊歴史は古く、なんと~8000年も前から家畜として飼育していた記録があります) オージーは固くて何度も歯で噛み砕いて食べる牛肉が好みですが、我々日系人は柔らかくてソフトな和牛ビーフ Wagyu Beef が好みです。
但し、和牛ビーフはシドニーレストランでも高値、レストランMENU にはわざと「Wagyu Beef」と明記して一般のビーフと差別化しています。日本のレストランでも和牛ビーフなら倍の値段がつきます。
つまりWagyuと呼べば付加価値がつき高く売れるのです。 トウモロコシを主原料としない自然放牧で雑草飼育の牛肉は 堅くてパサパサしたのが一般的ですが、「いかにして柔らかくするか?」のノウハウが料理人の知恵として、いろいろテレビなどのマスコミを通じて紹介されています。 その一部はご存知ですね・・・・「玉ねぎ、リンゴ、パイナップル、コーラ、梨、ヨーグルトなどに漬ける」と柔らかい肉になると日本の主婦達に朗報を与えました。
一般の人々には有難い話しです。 うまく柔らかくできれば、まさしく「眼からうろこ」でしょう。 豪州では最初、タスマニアに日本式の和牛牧場が誕生、本格的に和牛の肥育が開始されたのは1995年(平成7年)頃からですが、生産者価格が倍という噂が噂を呼んで、最近では豪州各地で日本式生育方法を採用。 日本市場およびアジア、アメリカ、ロシア市場などにさかんに輸出するようになりました。たた単に「Wagyu」とメニューに掲載するだけで、お金を稼げるので、悪質レストランでは トウモロコシを主原料で肥育されていないオージービーフでも、勝手に和牛ブランドを付けている店もあります。
我々日本人は一口食べただけで違いが分かります。 困ったもの シドニー市内の高級レストランの和牛ビーフステーキです。 和牛ビーフステーキの味もお店によってピンからキリまであります。すべての店が美味しいというわけでもありません。 タレの味付けも工夫次第で関西風、関東風という具合にいろいろ変化します。韓国人および中国人経営の食料品店も肉店を併設していて、WAGYU BEEF を積極的に販売しています。
オージーが好んでたべる、硬くて歯ごたえのある「美味しいビーフステーキ」 イギリス、アメリカのレストランと同様に、ポテトチップが必ず添えられます。「柔らかい肉は食べた気がしない」と云われたら・・・「ああ!そうですか?」としか返事できません。 食習慣の違いだから仕方ありません。
但し、英国系以外のオージーには 霜降り肉のおいしさに目覚めたのです。 和牛ステーキは静かな人気を博しているので今後市場は拡大してゆくことでしょう。日本は和牛の元祖なのですが Wagyu ブランドが今、確実に豪州に定着して、そして日本、アメリカ、ロシアなど合計14か国に逆輸出する構図になっています。日本ではなかなか入手が困難なので、中国・韓国・ロシアなどの牛肉飼育業者が良質の和牛品種の受精卵や精子を買い求めに豪州にやってきます。オーストラリアの畜産業者は、冷凍保存した「和牛受精卵・精子ストロー容器」を1本 豪ドル$1000程度(9万円前後)で主に中国、韓国業者に販売しています。 付加価値の高いものにはだれでも飛びつきます。
あと10年もすれば、中国産・韓国産の和牛ビーフ が日本の市場に出回ることは間違いないでしょう。 その際に果たして、産地を「偽装」するではないかと心配しています。 多くの日本人は「中国産・韓国産和牛ビーフ」を購入することに抵抗があるからです。 数年前、知合いのオージー女性の「50歳誕生祝い」に招待されたことがあります。その際に驚いたことがありました。
その知合いの女性オージーの母親とその友人5~6名、年齢は80歳前後ですが、食事メニューに魚料理、スパゲッティー料理メニューなどたくさんあったのですが、なんと~なんと・・・・全員ビーフステーキを注文しました。 そしてさらに驚いたことに、硬いオージービーフを噛み砕いて美味しそうに全部平らげました。 曰く「Beef は固くないと食べた気がしない」と豪語するのです。
80歳のおばさんですよ。 ホントーに文化の違いを感じさせられました。 家庭内暴力で「奥さんが旦那を殴り蹴飛ばし いじめ倒す・・・」そんな家庭もあるのがオーストラリアですが(ホントーです)・・・・なんとなく、精力的、体力的に強いオージー主婦をかいまみました。 オージー女房は怒らすと怖いですよ・・・ 日本流に言えば 高齢者のお好みと云えば・・・・「美味しい とうふ、焼き魚、お寿司・・・」というメニューなのでしょうが・・・・ 日本で安くておいしいビーフステーキを食べられるレストランは極めて限定されると思いますが、この地シドニーではRSLクラブ内(通称アールエスエルクラブ)にあるレストランがお勧めです。
10ドルから12ドルでBeef Steak が食べられます。 あまり固くなくて日本人の口もあいます。しかもレストランフロアーは豪華なカーペット敷き、落ち着いた雰囲気で食事が楽しめます。
日本での牛の歴史は古く、ユーラシア大陸からの移住者が稲作とともに牛を持ち込み、弥生時代の遺跡からも牛の骨が発見されています。
その後は役用牛の利用とともに日本での品種改良も進められ、関西地区を中心に、神戸牛、松坂牛、近江牛、但馬牛などさまざまな牛の産地がブランド化されて「肉質はきめ細かく、脂は甘くて、口の中でとろけるほどおいしい」と評判の牛肉生産に成功しました。
残念ながら、国産の霜降り度合いもよい良質の肉は、価格も高く、日頃食卓で食べる食品としては “高値の花” となってしまいました。 これからは、「価格面で勝負できる」オージービーフ(Wagyuも含む)が日本の市場にさらに進出して売り上げを伸ばしてゆくことでしょう。