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オーストラリア、シドニーから

昨年1月、フランスの百貨店大手「プランタン」が、パリのルーブル美術館に隣接するショッピングモールに新店を32年ぶりにOPENしました。

宝飾、美容、バッグ、時計などに絞った高級ブランド主体の小型店ですが、パリの百貨店としては異例の日曜営業、また大型観光バス80台が駐車できるスペースも確保して主に、中国人・韓国人・日本人観光客の取り込みを競いあっています。

1960年代はアメリカ人、1970年代から日本人、1990年代ロシア人、2000年頃から韓国人、2003年頃から中国人がナンバー1の顧客という具合に経済発展と共に主役が入れ替っています・・・・・

パリ市観光局などによると、中国人の多くは郊外に泊まって節約し、買い物にお金を回す傾向があるとの分析。いわゆる、去年から流行している日本での「爆買い」Shopping binge と同じ現象です。

免税手続きでみると中国本土系は一人平均1500ユーロ(約21万円)使い、日本人760ユーロ(10万円)の2倍。 番外の香港系は1880ユーロ(25万円)にもなっています。

日本の百貨店は昔から品揃えが豊富で “棺桶以外なんでも売っている” と比喩されるほど、衣料、食料品、雑貨などの宝庫でした。

とにかく総合商品をきめ細かく陳列して栄華を誇りましたが、近年では売上が伸びず、大都市圏でも縮小、撤退する異変が起きています。

どんな商品でも原則として「定価販売」を伝統的に受継いで、三越、高島屋、大丸、伊勢丹、阪急など “百貨店ブランド” が主流でしたが、それに対抗するように激安スーパーのイオン、イトーヨーガ堂、西友、ダイエー、いずみや、長崎屋などの他、米国資本ウオルマートなども進出、加えてローソン、セブンイレブンなど消費者のニーズにあった店舗が全国にぞくぞくと群雄割拠の状態、“安売りと定価販売” では安売りが伸びて百貨店側も舵取り変更を余儀なくされています。

しかし日本の場合はどちらも、緻密に消費者のマインドを分析して増収増益に日々、涙ぐましい努力をしています。

一方、1970年代、海外旅行ブームが始まり、初めてヨーロッパに旅立った「日本人観光客」が買い物する際に、現地で驚いたことが一つあります。

それは通称、“ロンパリローマ” の3大拠点では創業百年以上という少数の大手老舗が支配する百貨店産業が、日本とはかなり異なる品揃え営業形態だったのです。

初期の頃、日本人観光客は日本流の考えで、なんでも売っている、揃っている百貨店に飛び込みました。

ところが、例えば、パリの2大デパート百貨店 プランタン Printemps、ギャラリー・ラファイエット Galeries Lafayetteにある商品は殆ど「ノーブランド商品」で価格帯も日本のスーパー並み、おみやげに買い求めるルイ・ビトン、エルメス、シャネル、クリスチャン・ディオール、ニナ・リッチなどの高級ブランド、ブテックは皆無の状態でした。 そして日本人観光客のほとんどは短期間の旅行スケジュールでは、地理不案内の有名専門ブテックに飛び込む時間がありませんでした。

日本流のサービスを提供すべく、その後、高島屋、そして三越の2店舗がOPENしましたが、総合商品でなくて、免税優遇処置を受けられるブランドブテック商品に限定して品揃えをするのがやっと。 日系のミニ百貨店はロンドン、ローマも同じような商品構成でした。

当時、日本人観光客の爆買い、購買力はすざましいものでした。 例えば、パリ三越、1970年~1980年代、フランス人(地元の人)を相手に商売して1か月で売り上げる合計を日本人の団体客がバス1台で乗り付けると、たった一日でその店舗1か月分の売り上げを達成するという具合でした。

男性は腹巻に大量の現金、女性はキモノの帯裏側にCASH隠し持って、日本の税関を潜り抜け ショッピング天国の欧州へ・・・・そのような隠密爆買い時代でした・・・・

1964年(昭和39年・東京オリンピック)、海外旅行が自由化になった年の日本人海外旅行者数はわずか・・・13万人。

当時の一番人気の旅行先、「ハワイ6日間の旅」パック旅行価格@お一人約36万円でした。 (これは今日の物価に換算するとなんと約@400万円もする豪華旅行費用)

1970年にはジャンボ機の導入、1973年円高海外旅行ブーム時200万人、1978年頃から海外ハネームーンの幕開け、1990(平成2)バブル時期には1000万人突破。

昨年の海外旅行者数は1700万人と爆発的な勢いで海外旅行が定着、だれでも海外旅行が気軽に楽しめる時代となりました。

1980年代、バブル期の国内営業の好業績と円高時代の海外旅行ブームに乗じて、日本人旅行客をターゲットに日系百貨店はヨーロッパ諸国にも進出しましたが、1992年、バブル崩壊による国内の営業の不振、円安にともなう海外売上の低下によって、多くは撤退を強いられました。

現在では欧州の免税店では「中国人様、韓国人様、熱烈歓迎」を第一の目標に掲げて、取り込みに躍起になっていて、Japanese は「蚊帳の外」に置かれています。


国内の百貨店再編によって国内営業の状況はようやく上向きつつありますし、中国人、韓国人の爆買いによって、将来、ユーロに対して円は強くなるかもしれません。

その意味では、日本の百貨店がヨーロッパ諸国に再進出する条件は、将来、整うかもしれませんが、一度失敗しているので楽観はできません。 

昨今、ヨーロッパの免税店では、訪日観光客の爆買と同じで「中国人様、熱烈歓迎」ムード。中国本土から訪れる観光客が幅を利かせています。 時代の流れなのです。そして、その次は韓国人観光客、 日本人は財布のひもが固くて やはり、順序から言えば3番手、4番手でしょう。

日本の消費税が来年4月から8%10%に増税・・・・、

そうなれば、外国人は日本で免税価格の買い物を楽しめる利点が生じます。

東京秋葉原、大阪日本橋の電機街では10%の消費税免除手続き書類を整えて商売をしないとガイジン観光客を取り込むことが出来なくなるのは間違いないでしょう。

果たして、日本政府はこの点、どのような認識を持っているのでしょうか? 

1964年(昭和39年・東京オリンピック)の訪日外人観光客数は年間35万人、今日のようにアジア人ではなくて、殆どのガイジンさんはアメリカ人観光客でした。1ドル360円の時代、現在より物価が3分の1以下だったので、アメリカさんにとってJapan Tour はとても安上がりだったのです。

その後、年々、訪日観光客数は増加の一途だったものの、旅行ブームにより日本人の海外旅行者数が爆発的に増えて日本の旅行収支は毎年赤字でしたが、日本政府の「観光立国推進運動」により、2006年(平成18年)頃から訪日観光客が年々増加、とくに成長著しい中国、韓国、台湾などから訪日観光客数が増加して、ついに2013年(平成25年)年間訪日観光客数は1000万人を突破、そして旅行収支も、なんと、なんと、去年から 44年ぶりに「黒字」に転化 するというビックリニュースとなりました。

人口減で縮む内需を補う効果が国際収支にも表れた形、しかもモノやサービスなど海外との取引状況を表す経常収支も今年3月から3カ月連続の黒字となり政府はホクホク。国の目標は2016年までに、訪日観光客数を1800万人に増やす意欲的目標を設定していますが、消費税10%の免税システムをすみやかに構築しないと国際問題に発展するでしょう。

ビッグ、ケーズ、ヤマダ、マツヤ、ジョーシン電気など量販店では、店頭価格00%引きを表示、ポイントカードの代わりに「旅券・パスポート」を提示すると「特割がありません」という姑息な手段を使って、外国人に対するメリットを除外しています。 例え外国人でも、顧客愛用カードを持っていれば割引の対象とすべきでしょう。

10%の免税分を直接お客様に離陸する空港税関で割戻清算する方法と、後日、小切手を発行して10%の割戻金を お客様のご自宅に国際郵便で送付する方法などいろいろなシステムの構築が要ります。 免税優遇処置に不馴れな店舗とお客様とのトラブルがしばらくの間、続くかもしれません。

今年初めのNIKKEI新聞朝刊によれば政府は訪日外国人を2000万人に倍増する観光立国に向けた行動計画を今月中に策定すると発表。

空港を使いやすくするため羽田と成田を都心で直結する鉄道を新たに整備、国土交通省が需要調査に着手して詳細ルートを決定するようです

短期滞在査証(ビザ)を免除する国を増やすほか、病院への通訳の配置や街中で無料の無線LANを提供することも盛り込2020年の東京五輪開催を控え観光産業の育成を急ぐ計画で皮算用は、1000万人から1800万人、そして今度は2000万人と強気、強気の「観光立国」推進案のようです。

ちなみに英国では2014年版の消費税に当たる付加価値税(VAT)20%、フランスは21.5%、イタリアは23% と3か国とも値上げとなります。

日本のほぼ倍額以上です。税率に差があるものの、双方にメリットがある「免税ビズネス」は益々盛んになってゆくでしょう。