シドニーの一般住宅はハーバーブリッジの北側、ノースシドニー地区に人気があります。 市街地より車でわずか15分~20分、閑静な住宅街が延々と続きます。
鉄筋建てアパート、マンション以外は 「一戸建ての芝生付き庭住宅」があたりまえ、平屋、または2階建ての住宅で、「芝生のない家」はまずありません。 英国系のオージー(豪州人)ガーデンには一番手入れがし易い「芝生 Lawn」 を好みます。 赤、青、黄色に乱れ咲く花々は一鉢もなく「芝生オンリー」の住宅もめずらしくありません。 “花はきれいだが、自分で手入れするのは面倒” というのがホンネです。
また専門のガードナー(庭師)を雇うとお金が掛かり過ぎるという気持ちの表れです。 郊外の住宅地に住めば、庭の芝生がきれいで “のんびり人生” を楽しめると誰でも想像されますが・・・それは・・・まったく違います。富裕層で資産家であれば、専門の ”ガードナー Gardener“ を定期的に雇って庭の芝を刈って貰えば済むことですが、一般的にはこの芝刈りは「住人みずから」手入れを行います。
イギリス本国の住宅地では 土曜日、日曜日など もし主婦が 「芝刈り」の作業をしていると、近所の主婦達が飛んできて “あなた、何をしているの!それは旦那の仕事じゃあないの! “ と叱られるそうです。ここシドニーでは英国程、厳重ではありませんが・・・・芝刈りはだいたい、旦那の仕事と決まっています。 6月から8月の冬場3か月を除いて、あとの9か月は1~2週間に1回芝刈りをしないといけません。 そこで取り出すのが Lawn Mower( 芝刈り機)です。
一般家庭用ならば Burnnings という(日本でいうHome Center専門店)大型店で $500~$600ドル程で購入することになります。普通芝刈り機のほか、エッジング刈込機 (際を曲げずにまっすぐ刈り込む) など用途に応じて数種類あります。 敷地面積が広いと、刈込にそれだけ時間がかかります。
それと玄関先の芝生はCouncil(カウンシル・市役所)の所有ですが、居住者が芝刈りをするならわしになっています。夏場は帽子、日焼け止め、虫よけ薬、手袋、耳栓を用意して、汗をかきかき作業をします。
毎週1回1時間程度ですが・・・ついでに庭の雑草取りもしなくてはなりません。
だから、皆さんが “うらやましい” と考えていることは “恨めしい” に早変わりするのです。「やりたくないことは先送りにする」という 多少怠け者タイプの男にはつらい作業となるのです。
もし、そのまま長い間放置すると強い芝生が家の中まで入り込んで大変なことにもなります。週末になると、 エンジン式芝刈り機の「ブルン、ブルン、ブルブルブル……」という音が聞こえてきます。 近所の男どもが一斉に芝刈りを始めるからです。他にも、放っておくとすぐに見苦しくなる垣根を「剪定ばさみ」で刈ったり、すくすく伸びすぎる木の枝を「チェーンソー」で切ったり。さらには雨どいから庭を通って下水に通じるパイプを勝手に破壊する熱帯植物をカットしたり、庭仕事は することがいっぱいあります。
放置すると下水管が詰まってしまいます。 修理屋さん(プラマー Plumber)を呼ぶと$300 ~$500ドル覚悟しなくてはなりません。 スプリンクラーもよく部品が破損、故障したりします。器用な人は自分で修理します。こんな時、オヤジたちの頭に去来しているものはただ一つ「冷えたビール、ひえひえに冷えたビール・・」 個人的趣味で “ガーデニング(Gardening)が楽しみ”・・・とかいうセリフが出る人は、 “一種の庭奴隷”‘ となって長期国内旅行・海外旅行など夢のまた夢となります。また、日本とは比較にならないほど紫外線が強くて、長時間庭仕事をすると 肌の弱い欧州系の人々は「皮膚ガン」になりやすいので外まわりの作業は特に嫌がるようです。
花の手入れ以外に「雑草取り」にも大変な労力が要ります。 ほどんどの家の庭は傾斜地になっており、レベルランド(水平・平地)の庭はごく限られて “いびつ” な土地、土壌環境になっているのがシドニー郊外のお家です。還暦を過ぎると庭仕事が辛くなって、庭のない「アパートマンション」に引越をすることばかり考えるようになります。