書店や文房具店の店頭に来年の手帳が並ぶ季節になった。手帳の切り替え時期に悩む人も多いが、10~12月は手帳の種類が最も豊富な時期。自分に合った手帳を選べばスケジュール管理がスムーズになるだけでなく、毎日の生活が楽しくなりそうだ。(油原聡子)
手帳はデザインや大きさ、レイアウトもさまざま。
◆サイズから
手帳メーカー「日本能率協会マネジメントセンター」(東京都港区)の矢野真弓さん(34)は「手帳を選ぶときにはデザインから、という人が多いですが、まずはサイズから考えて」とアドバイスする。デザインは後からカバーを変えることができるし、レイアウトなら自分で線を引いたりしてカスタマイズが可能。しかし、サイズは後から変更がきかない。
レイアウトにもそれぞれ特徴がある。
一日の中で複数の予定がある人におすすめなのが、縦に時間軸のあるバーチカルタイプ。予定の詰まり具合が一目瞭然となる。レフトタイプは左面が日付、右面がメモになっている。時間とメモのバランスが良く、使いやすい。見開きでスケジュールページが1カ月のマンスリータイプは長期で仕事の見通しを立てる人におすすめだ。見開きで1週間の予定を書くのがメモタイプ。メモタイプについて、矢野さんは「スケジュール管理というより、その日ごとに業務管理に使う人もいます。ノートがわりに使う人も多いですね」。
最近人気なのが、家族の予定が書き込めるママ向けの手帳。昨年、同社が発売した約250種類の手帳の中で最も売れ、約14万冊という異例のヒットとなった。来年版ではワーキングママ向けの手帳も新たに発売した。
「新しい手帳を購入する前に今年の手帳を見直してみると、どんな手帳がいいのか見えてきますよ」(矢野さん)
◆色分けして
手帳の使い方に悩む人も多い。手帳セラピスト、さとうめぐみさんは「スケジュールを色分けすると仕事とプライベートのバランスが分かります」と話す。
さとうさんは予定を書くとき、青が仕事、緑がプライベートやわくわくすること、赤が重要なことや体調、黒が日常的なことと色分けをしている。「仕事ばかりになっていてプライベートが少ないとか、自分の生活がよく分かります」とさとうさん。うれしいことや楽しいことがあったら、緑色のペンで一言書くようにしているという。「電車で座れたとか、クーポン券をもらったとか、ちょっとしたことでいい。一日の中で良かったことを探すようになりますよ」(さとうさん)
欲しいものリスト、やりたいことリストを手帳に書いておくのもいい。欲しいものリストの場合、主婦なら自分と家族を分けて記入することで、浪費の防止にもつながる。さとうさんは「思っているだけじゃなく、文字にすることで意識する。情報にも敏感になります」。
新しい手帳を買ったら、1週間でもいいので細かくつけてみよう。ルーチンワークの人でも「9~17時までは仕事」などと書き、主婦は家事の時間を記入する。自分の時間がどう使われているか知ることができる。
さとうさんは「手帳を開く時間は自分に向き合う時間。手帳を使って、その日一日を味わってみてほしい」と話している。