◆1.海外在住者・非居住者とは?

▶ 定義(税法上の非居住者)
国税庁によると、非居住者とは「日本に住所を有せず、かつ引き続き1年以上海外に居住している個人」を指します(所得税法第2条第1項第5号)。

▶ 判定基準の具体例
・海外赴任者:日本の勤務先から海外勤務を命じられ、1年以上現地に滞在している場合。
・永住移住者:永住権を取得して海外に生活拠点を移した場合。
・留学生:1年以上の留学をしており、日本に住所を残していない場合。
・家族単位の移住者:世帯全体で国外に生活の本拠を移している場合。


▶ 「住所」と「居所」の違い
・住所:生活の本拠(生活の中心がどこにあるか)
・居所:一時的な滞在場所(長期ホテルなど)


日本に「住所」も「居所」もない場合、完全な非居住者と判断されます。
この場合、日本国内の行政機関で発行される「住民票」「印鑑証明書」「マイナンバーカード」は無効・未発行状態になります。

 

◆2.非居住者でも不動産売却は可能?

▶ 結論:可能。ただし代理人が必須
非居住者(海外在住者)でも、日本国内に所有している不動産を売却することは可能です。
ただし、以下の理由により「本人単独では売却できない」点に注意が必要です。
・日本国内に住民票がない
・印鑑証明書が発行できない
・契約、登記、決済の立会いが困難

そのため、日本国内に「代理人」を選定し、必要書類を整えれば問題なく売却ができます。

 

◆3.代理人を立てる必要性と選定基準

▶ 代理人を立てる理由
不動産売却では、契約締結・登記申請・代金受領・書類提出など、法的な意思表示を行う必要があります。
海外からそれを直接行うことは困難なため、日本国内に代理権を持つ人物を選任します。

▶ 代理人にできる人物
信頼できる家族(親・兄弟・子など)・弁護士・司法書士・不動産業者(売却依頼先)

▶ 代理人を選ぶ際の注意点
・売却価格や条件を勝手に決められないよう、権限の範囲を明記する
・代理人の印鑑証明書・身分証明をセットで用意する
・司法書士など専門家を立てると安全かつスムーズ

 

◆4.不動産売却に必要な書類(非居住者版)

① 在留証明書
目的: 「海外に居住している」ことを証明する書類。日本の印鑑証明や住民票に代わる、非居住者の本人確認資料です。
発行機関: 在外日本大使館または領事館。
発行対象: 以下すべてを満たす人。
・日本に住民票がない
・現在海外に3ヶ月以上滞在中、または3ヶ月以上滞在予定
・本人が直接申請可能
必要書類:
・パスポート(日本国籍証明)
・現地住所を示す書類(公共料金請求書・免許証・居所証明など)
・戸籍謄本(本籍を記載したい場合のみ)
手数料: 約1,200円(現地通貨で支払い)
発行までの目安期間: 約3〜10日(国・地域により異なる)

 

② サイン証明書(署名証明書)
目的: 印鑑証明書の代わりに、本人の署名を公式に証明する書類。契約書や登記書類に貼付して使用します。
発行機関: 在外日本大使館または領事館。
申請条件:
・日本国籍を有する
・本人が領事窓口で署名を行う
必要書類:
・パスポート(日本国籍の確認用)
・在留証明書(求められる場合あり)
手数料: 約1,700円
備考: 領事の面前で署名を行う必要があり、代理申請は不可。

 

③ 代理権限委任状
目的: 不動産売却に関する一切の権限を代理人に与える書類。これがないと代理契約が法的に成立しません。
記載内容の例:
・委任者(海外在住者)の氏名・住所
・代理人の氏名、住所
・委任する権限の範囲(売却・契約締結・代金受領・登記申請など)
・日付、署名、捺印(またはサイン証明付き署名)
注意点:
・売買契約書よりも前に作成しておくこと
・必要に応じて「公証認証」または「アポスティーユ」取得が求められる場合もある

 

④ その他一般的な売却書類
登記済権利証または登記識別情報
固定資産税・都市計画税納税通知書
建築確認通知書・検査済証
測量図・境界確認書
物件状況報告書・設備表
印紙または印紙代

 

◆5.海外在住者の不動産売却の流れ(全6ステップ)

STEP①:不動産会社の選定
・海外案件対応の経験がある業者を選ぶ(オンライン面談・英語対応など)
・不動産会社の中には非居住者対応を断る会社もあるため、事前確認が必須。
・メール、LINE、Zoomなどオンラインで打合せ可能な会社を選ぶと効率的。

STEP②:司法書士・代理人の選任
・売却手続全般を代理できる司法書士を選任。
・司法書士が代理権限を持てば、売買契約・登記・決済まで一括対応が可能。
・信頼性が低い代理人に任せると、金銭トラブルや詐欺被害の恐れがあるため注意。

STEP③:必要書類の準備
・在留証明書とサイン証明書は日本領事館でのみ発行可能。
・発行に時間がかかるため、売却計画の2〜3週間前には申請を。
・書類は日本側の司法書士へ国際郵便で送付(DHL・EMS推奨)。

STEP④:売却活動の開始
・「仲介」:不動産会社が買主を探す(市場価格に近い)
・「買取」:不動産会社が直接買い取る(スピード重視)
・契約書、重要事項説明書は電子署名や郵送で対応可能。

STEP⑤:決済・引渡し
・通常は銀行で同席して決済するが、非居住者は代理人が立会い可能。
・売却代金は日本国内口座または海外送金(SWIFT)で受け取る。
・海外送金の場合、為替手数料と送金限度額に注意。

STEP⑥:確定申告・納税
・売却益が出た場合は日本で確定申告が必要。
・非居住者は「納税管理人」を通じて手続きを行う。
・納税管理人は司法書士、税理士、親族でも可。
・e-Taxは利用不可(紙提出のみ)。

 

◆6.非居住者売却における源泉徴収制度

▶ 制度の概要
非居住者から不動産を購入する場合、買主は売買代金の10.21%を源泉徴収して税務署に納付する義務があります。日本国内での納税逃れを防ぐための制度です。

 

▶ 計算例
売却価格が5,000万円の場合
→ 源泉徴収額:5,000万円 × 10.21% = 510万5,000円
→ 売主の受取金額:4,489万5,000円
買主が税務署に納付後、売主は確定申告で税額を精算します。
税金の還付が発生するケースもあります。

 

▶ 源泉徴収が不要な例外
以下2つの条件を満たす場合、源泉徴収は不要。
・不動産の売買代金が1億円以下
・買主が個人で自己居住用として購入

 

◆7.確定申告と納税管理人制度

▶ 納税管理人とは?
非居住者に代わって、日本国内で申告・納税を代行する人です。
税務署へ「所得税・消費税の納税管理人届出書」を提出することで登録できます。

 

▶ 届出期限
日本を出国してから60日以内に納税管理人の届出を行う必要があります。納税管理人を選任しない場合は日本を出るまでに確定申告を行うよう定められています。
また、本人が日本に帰国し日本に居住する場合は「所得税・消費税の納税管理人の解任届出書」を提出しなければなりません。
さらに最近では、日本国内の確定申告に電子申告e-taxを使って申告ができます。
しかし、このe-taxの利用できる者は日本国内の居住者のみとされています。そのため海外在住・非居住者は現状利用することができません。

 

▶ 納税管理人に選べる人
・家族(親族)・税理士・司法書士・不動産会社(法人も可)

 

※不動産売却後の確定申告はどうなる?
海外に在住する非居住者でも日本国内で所得を得た場合は、日本で確定申告を行う必要があります。海外赴任などで1年以上海外に居住していると、所得税法上は非居住者とみなされます。ここでいう所得は以下のような場合が該当します。
①日本国内で所有している不動産の貸付により所得を得た場合
例)日本に所有する自宅を海外在住の間、他人に賃貸をした


②日本国内で所有する資産を運用(保有)し所得を得た場合
例)公共債や民間債を日本国内で貸し付けした


③日本国内で所有する資産を譲渡(売却)し所得を得た場合
例)日本国内で所有する不動産を他人へ売却した


④日本国内の営業所で契約した保険契約等の一時金を得た場合
例)日本国内で保険に加入していて、海外にいる間に保険一時金を得た

さらに日本で確定申告を行うためには、納税管理人を立てて確定申告を行う者が納税する地域の税務署長に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出することになります。

 

◆8.譲渡所得税の計算と特例

▶ 税金の種類
非居住者が日本の不動産を売却した場合、課される税金は以下の通り。
・所得税
売却益に対して課税(長期15.315%・短期30.63%)
・住民税
非居住者は課税なし
・印紙税
売買契約書に貼付(契約金額に応じて)
・登録免許税
所有権移転登記時に課税

 

▶ 譲渡所得の計算式
課税譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
所得税額 = 課税譲渡所得 × 税率

※「取得費」には購入時の仲介手数料・登記費用・リフォーム代なども含められます。
※ 取得費が不明な場合、「売却価格の5%」を概算取得費として計算可能。

 

▶ 3,000万円特別控除の利用
非居住者でも、以下を満たせば適用可能。
・以前、自身または家族が居住していた家である
・転居後3年を経過する年の12月31日までに売却
・親族、会社への譲渡ではない

この控除を使えば、最大3,000万円分の利益が非課税になります。
(例:売却益2,800万円 → 課税所得0円)

 

◆9.実務上の注意点まとめ

・書類準備
在留証明・サイン証明は現地領事館で。発行に数日〜2週間要。

 

・代理人
司法書士推奨。売却条件の決定権限を明確化。

 

・納税管理人
出国60日以内の届出。帰国時は解任届提出。

 

・為替リスク
海外送金時に円安・円高変動で実質手取額が変動。

 

・税申告
e-Tax不可。書面提出必須。税理士委託で対応可。

・3,000万円控除
転居後3年以内の売却が条件。

 

・源泉徴収
10.21%。還付請求には確定申告が必要。

 

◆10.まとめ:海外在住者の不動産売却は「専門家との連携」が鍵

・非居住者でも、適切な代理人・司法書士・税理士を選べば問題なく売却可能。
・在留証明書・サイン証明書を領事館で早めに取得することが重要。
・3,000万円特別控除は3年以内の売却で適用可能。
・売却後は源泉徴収+確定申告+納税管理人届出を忘れずに。

 

ではまた。

 

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生年月日:【1992年6月22日】
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家族:【妻と2021年9月産まれの娘と2024年9月産まれの息子の4人暮らし】
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