チリ南部で起きた火山噴火、
噴煙は15,000mもの高さまで
吹き上がっている。我々の
業界の単位でいえば50,000
フィート超えだ。
上空まで吹き上がった
火山灰は、強い風に流されて
かなりの広範囲まで広がる。
成層圏にまで吹きこんで
しまうと、なかなか地上へと
落ちてくれない。
ジェットエンジンが火山灰を
吸い込むと、燃焼室で一旦
ドロドロに融け、直後の排気
タービンに岩にように析出
してしまい、回転ができなくなり、
エンジンが停止してしまう。
かつて火山灰の中を飛行し、
ジャンボジェットの4基全ての
エンジンが停止したことがあった。
このときは降下(落下)中に
奇跡的にエンジン再始動に
成功し、事なきを得たが、毎回
こうなるとは限らない。
南半球へ飛ぶフライトは
そうそうあるものでもないので、
すぐに業務に影響が出ることは
考えにくいが、火山灰の拡散
状況を注視し、突発的な飛行
支援業務が入っても大丈夫なように
しておかなければ…