いや… 私の頭はまだもう少しフサフサしている。
今朝の滑走路の話。
昨日降った雪は宵の口には止んだものの、
飛行場地区では深夜まで時間との勝負で
雪かきが行われた。午後10時前には気温が
氷点下になってしまったので、モタモタしていたら
雪が凍ってしまい、取り除くのにものすごく
手間がかかるようになってしまうからだ。
それでも路面を完全に除雪することはできず、
今朝早番で勤務に就いたときには滑走路には
つるっつるの氷が…
これでは朝一番の飛行前点検は私がやる
しかない。滑り測定器を助手席に積んで真っ暗な
滑走路へと出る。氷の上を30km/hぐらいまで
加速してから急ブレーキを踏み、スリップしながら
どれぐらいで止まるかを測定する。約300m刻みに
この作業を繰り返し、滑走路全体の滑りやすさを
平均値で出す。この測定を誤ると着陸機やRTO
(離陸中止からの緊急停止)機が安全に停止
できなくなる可能性があるので、ここ一番の測定
ではまだまだ若手には任せられない。この「滑り
具合」の数値でパイロットは機体の最大重量を
決めるからだ。
30km/hからの急停止を何回も繰り返すので、
首は軽い鞭打ち症状になる。今はだいぶ慣れて
ブレーキを踏む前に首をグッとすくめてこらえる
ようになったのでそれほどでもなくなったものの、
初めのころはこれをやると2~3日首が動かなく
なったものだった。
結局今朝の滑走路の状態は「悪」…
大型機では重量を再検討しなければならない
数値で滑走路を開けざるををえなかったので、
太陽が昇って早く氷を溶かしてくれることを
祈っていた。
日中にはほぼ完全に氷も溶け、滑走路は
ドライに戻ったが、安心も束の間、今週末にも
雪の可能性があるらしい。雪が降ろうが氷が
張ろうが休みのない我が職場、「雪かき選抜」に
入らないことを願いつつ、今日も無事故で
終わってほっと一息…