ダグラスDC-8… ボーイング707やDhコメットなどと共に
「第一世代」のジェット旅客機として1950年代にデビュー。
旅客機の世界に革命をもたらした。日本では日本航空が
採用し、ダッカハイジャック事件やベトちゃんドクちゃんの
搬送、「機長やめてください!」で有名な片桐事件などで
度々茶の間の映像にも登場した。
「日本の翼の未来を乗せて」 という華々しいコピーで
世界一周便を飛んだのもこのDC-8だった。JAL001/002便は
それぞれ西回り、東回りの世界一周便として戦後ニッポンの
象徴ともいわれた時代もあった。
その後、第二世代(B727やDC-9など)、そして大型化した
第三世代(B747やDC-10、L-1011など)に道を譲る形で
表舞台から姿を消し、日本から去ったものの、アメリカでは
90年代初めまで国内線の旅客機として活躍、そして貨物機に
改造された機体は今もなお飛び続けている。
そんな「ジェット時代の先駆者」が、実は1機だけ、日本で
細々と運航を続けていた。それも昨日まで…
場所は東京の西の外れ、在日米空軍横田基地。ここに
米軍のチャーター会社としてAir Transport International社が
DC-8を常駐させて横田基地と東南アジア間の物資輸送を
行っていたのだった。
そのDC-8も寄る年波には耐えられなかったか、昨日で
運用を終え、明日からは第四世代の魁となったB757型機に
その役目を渡し、アジアでの活躍の歴史に幕を下ろす。
最新鋭の軍用機の飛び交う基地を根城に真っ黒な排気煙を
吐きながら淡々と飛び続けた「空の貴婦人」…、いや、今では
「空のおばぁちゃん」かな? お疲れ様でした。