と言うものを自分なりに力説される方と食事を共にした。 福祉に携わる公務員の方で沢山の事案を経験された上でのご意見だった。酒席ではあったものの非常に興味深くまたリアリズムに満ちていた。 あらゆる情報媒体で目にするどこか作り話のようなやるせない話が 現場を経験した方の話により身近にある話なのだなと驚きと納得が得られた。しかし彼の話で盛り上がったのは彼の担当した無数の利用者のケースではなく彼の職場にいた女性の話であった。僕以外の三人は全て役所の方々で女性がお二人おられた。定期的に食事をする僕達だがこの話の時は僕だけドン引きになっていた。彼が福祉課に着任早々上司から指示を受けたのは隣課の嘱託職員の女性への注意事項であったそうだ。その女性はミュンヒハウゼンと代理ミュンヒハウゼンに罹患しているのではないかと言う指摘に始まり、 周囲をどんどん不幸にしていくという、科学と神学のあわさった非常に新入公務員には分かりにくいものだったそうだがやがてそれらを目の当たりにする事になったと言う。 なんとか首にしたい上司と幹部連中、そしてそんなことは全く意に介さないその女性の珍妙な話が始まった。 最近退職したとかで数人のアンチの方々がうちわで お祝いまでしたらしい、またそのやめた職員さんの前職場でも同じパーティーが開かれたほどだったという。聞いていて興味深く、また彼の話し方があいまって爆笑を誘っていたが自分の身内にそのような者がいたなら、と思うとゾッとした。それから話は進み笑いを誘われやがらも意外な方向へと進んでいったのだった。