先月の末、私の父方の祖父母のお墓参りへ行ってきました。

父が三年前の12月の終わり頃他界してしまってから、そういえばもう何十年も亡き父の故郷へ行っていないことに気づき、静岡へ行ってみようと決意しました。

 父の生前、私がお世話になっている知り合いのご住職様のおかげでご先祖さまのお位牌などを作り直し、自宅から遠いこともあり日蓮宗に改宗しました。

そのため、父の葬儀の時も日蓮宗の戒名をいただき、3回忌も滞りなく終えることができました。

 しかし、一つ気がかりな事がありました。父のお位牌がある仏壇の中に、父の忘れ形見である阿弥陀如来様の仏像と掛け軸があることでした。

一つの仏壇に別の宗派のものが入っているのは父にとっても困ることかも知れないと考えた私は、静岡県のお寺に連絡して、事情を伝えました。

勿論、改宗したことは口に出さずにご住職さんにそれらを持って行きたいという話をして、

時間を作ってもらいました。そんなわけで、静岡県袋井市にあるお寺へ一泊二日で行きました。

 この日は雨が降っていて、袋井駅からタクシーで30分程の民宿ふくだというところに泊まりました。民宿ふくださんは、船宿の為かお魚料理がとても美味しかったです。

夢カサゴの二度揚げやお刺身、魚のすり身と野菜の鍋など、女将さんの裁量がわかるお料理の数々でした。アットホームな雰囲気で食事がいただけて、とても満足感がありました。

おかげさまで、夜もよく眠れました。

 次の日は大雨に見舞われ、予定を変更して先に袋井のお寺へ連絡し、時間を変えてもらいました。ご住職さんとお会いする事ができましたが、以前私がお会いした方とは違う方でした。しかし、私の父のことを覚えてくれていたので、訳を聞いたら息子さんが引き継いだとのことでした。

 父が亡くなったことを息子さんであるご住職さんに報告して、3回忌を3月初めにつつがなく終えたことを伝えました。その後、長い間お経を上げてくれました。

 マイペースで少し怒りっぽい父でしたが、自由人でユニークでもあり、私は父の遺伝子をかなり受け継いでいるので父の死はとても辛く悲しい事でした。片方の足が不自由で、周囲の人の差別もある中で、私を学校に通わせるために一生懸命働いてくれて本当に感謝しています。 父とは私がかなり大人になるまでそんなに意思の疎通が測れなかったので、もっと色々と話したかったです。

 雨がいっとき止んだので、ご住職さんに連れられ父方の祖父母の眠っている永代供養墓の前で手を合わせました。亡き父も祖父母も、もしも来世があるのなら生まれ変わって色々なことにチャレンジできる人生が送られますように。と願いを込めながら。。。  

 結局、阿弥陀如来様の仏像と掛け軸は、家に忘れてしまった為にご供養していただく事ができませんでした。

 きっと父は、故郷に何度も連れてきてもらいたいのかも知れませんね。折を見て、足を運びます。