世の中には不思議な縁というものがある。

自分は現実主義だが、現実に起こる不思議なことに驚いてしまう。

たった1本のギターが心を動かす出会いをいくつも運んでくれた。

 

 たくさんのギターを持つ人を批判するつもりは全くない。

もちろん 所有感や眺めることも楽しい時間だ。 ただ、たくさん所持するほど1本を弾く時間は減る。

 

 自分の場合はギターを含めて そのモノに深く向き合うことで その個性や良さを生かすことができ、満たされるのではないか?と考えるタイプだ。(そうじゃないかもしれない)

女性関係と似てる気がする。

「これが足りない・あれが悪い」 とよく聞くが 自分の耳が悪いのかよくわからない。 上手い人はどれを弾いても良い音する としか思えない。

 

 ヴァンヘイレンもブラッドギルスもイングヴェイもみんなツギハギだらけのギターだが技術にも音の良さにも驚いた。売れてからも そういう安いギターで素晴らしいプレイをしていた。

 

 アリアプロ・ギターのネックは20代の時に折れた。若くお金がなかったのでなんと50歳すぎるまで修理できずストラトだけでやって来た。50歳を過ぎたとき「ギターはあと10年くらいしたドンドン弾けなくなるんだろうなぁ」と思い「人生最後にもう1本だけギターを買おうかな」と思った。

 

 新しいのが欲しい。でも 古くてもこのギターを壊れたままにするのは胸が痛い。

そこで 当時の人はもういないだろうけど今のアリアに写真つきでメッセを送った。

「30万円くらいはかかりそうですね」という回答で

「10万円くらいなら直そうと思ったけどそれなら買うか。。。」と思った。

 

 でも ゴミになるとしても楽器屋さんで廃材として、せめて木くずとして何か利用されて欲しいと思った。

ESPに電話すると「うちで買ったギターじゃなくても修理しますよ」と言ってくれたので

ESPテクニカルセンターに持っていった。 しかし 楽器を救うことになり、自分にもたくさんの出会いをくれることになるとは思わなかった。

 

 捨てるのもやむなしという気持ちが8割だったし、良いギターがたくさん飾ってあり「あ、修理しなければこれも買える、あれも買える」とよぎる。

邪念を振り払いドライに金額で決めるつもりだった。

しかし、その古いギターを修理することで運命が動き出した。

ギターを造った渡邊さんという人から連絡が来たのだ。。。

 

(修理のエピソードは2020年5月に書きました。↓)

 

 

ESPさん ありがとう