パイオニアは、DJ/クラブ向けの新製品として、同社で30年ぶりとなるプロフェッショナル向けアナログレコードターンテーブル「PLX-1000」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は74,000円前後。7月25日よりパイオニア プラザ銀座において先行展示する。


DJ/クラブシーンで根強い人気があるというアナログターンテーブルの製造メーカーが減少し、DJプレイ向けのターンテーブルの継続供給を望む声が高まったことを受けて製品化。1984年の「PL-7L」以来、同社にとって30年ぶりのアナログプレーヤーとなる。


また、DJ向けCDプレーヤーなどを手掛ける同社は、ターンテーブルユーザーのニーズを調査、使いやすさを追求した操作レイアウトを採用。DJ機器メーカーとしてのノウハウと、オーディオメーカーとしての高音質技術により、クラブシーンで求められる操作性と高音質を両立させたという。


駆動方式はクオーツサーボ式ダイレクトドライブで、クラブなど現場での使用に耐える安定した回転を実現。3相ブラシレスDCモーターを使用し、起動トルクは業界最高クラスという4.5kg・cm以上。0.3秒(33 1/3回転時)で定速回転に達する。ブレーキは電子式。


ターンテーブルはアルミダイキャスト製で、直径332mm。回転数は33 1/3rpm、45rpm。テンポコントロールをボタンで3段階に切り替え可能で、±8%、±16%、±50%から選択でき、スライダーで細かな調整を行なう。RESETボタンを押すと瞬時に±0%の定速回転へ戻る。


筐体上部には亜鉛ダイキャスト、下部に8mm厚の樹脂を採用。底部には9mm厚の振動抑制材を備えることで制振性を高めている。インシュレータのダンパー部にはゴムとバネを使用している。ワウフラッターは0.1%以下、SN比は70dB。


トーンアームはユニバーサルタイプのS字型で、スタティックバランスのジンバルサポート型軸受構造。有効長は230mm。内部にゴムチューブを備え、共振を防ぐことでハウリングの抑制を図っている。オーバーハングは15mm、トラッキングエラーは3度以内。アームの高さ調整範囲は6mm。針圧可変範囲は0~4.0g(0.1g単位)。適正カートリッジ重量は単体で3.5~13g、バランスウェイト使用時が6~10g、シェルウェイト使用時が3.5~6.5g、サブウェイト使用時が9.5~13g。


出力端子はRCA 1系統のみ。RCA端子は同社ハイエンドオーディオブランド「TAD」のディスクプレーヤーにも採用している削り出し/金メッキパーツを採用。プラグの安定した接続で、PHONO信号を忠実に高音質で出力できるという。電源ケーブルは着脱式で、持ち運び時などの断線を防げるほか、ケーブル交換で好みの音質にカスタマイズできるとしている。


消費電力は8W。外形寸法は453×353×159mm(幅×奥行き×高さ)、重量は13.1kg。ターンテーブルシートやスリップマット、スリップシート、ダストカバー、バランスウェイト、サブウェイト、ヘッドシェル、シェルウェイト、EPレコード用アダプタ、電源ケーブル、音声ケーブル、アース線などが付属する。


■アナログレコード市場の回復続く。PLシリーズのOBも監修


同社のアナログレコードプレーヤーは、1955年のモデル「PLA-1」に始まり、初のダイレクトドライブ採用「PL-1200」(1972年)、クオーツクロック方式の「XL-A700」(1977年)などに受け継がれており、今回の新モデル「PLX-1000」は、アームの振動を抑えるDLA技術を初めて搭載した1984年の「PL-7L」以来、30年ぶりのアナログプレーヤー。また、同社が世界初のDJ用CDプレーヤー「CDJ-500/CDJ-50」を発売した1994年から今年はちょうど20年となる。


同社プロSV事業部 企画部の梶ヶ谷尚部長は、アナログレコードの市場動向が回復傾向にあると説明。IFPI(国際レコード産業連盟)の調査によれば、グローバルでのアナログレコード売上は'06年の3,400万枚をボトムとして再び上昇しており、'13年は2億1,800万枚と6.4倍まで回復。前年比27%の伸びを示した。また、米国では'13年度売り上げ枚数が30%増、英国は売上額が49%増、オーストラリアは同77%増となった。


日本でも、HMVがレコード/CDの中古専門店「HMV record shop」を東京・渋谷の宇田川町に8月2日にオープン。「国内でもアナログレコードの流通が活発になると予想している」と述べた。こうした中で、30年ぶりに同社PLシリーズの流れを受け継ぐという本格的なターンテーブルの発売が決定した。開発にあたり、過去のPLシリーズを手掛けた同社OBも監修。「PLのノウハウが活かされた製品」と完成度に自信を見せた。




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