生命の親世界
ある朝、ニコリはさわやかに目を覚ましました。カーテンの隙間から太陽の光が一筋、白い壁紙に
差し込んで虹色の光彩がきらきら輝いていました。二コリがヘーゼルナッツの瞳をまばたきすると、
自分の金茶色の髭も金色に輝いているのが見えました。
「もしかして?」はっとして二コリは飛び起きると、さあっとカーテンを開けました。
ああ、何と眩いばかりの一面の銀世界!一晩中しんしんと音もなく降り積もった雪は、一夜にして
一夜にして世界をがらりと変えてしまいました。
空はすきっと晴れ渡り、もみの木が堂々と、雪の上に蒼い影を落としています。なだらかな丘陵は
ずっと向こうの林までマルチカラーに輝く光の道を描いていました。灌木のどの小枝もマシュマロを
ような綿帽子をかぶり、凍った黒と赤のベリーはまるで宝石のようでした。
「素晴らしい!今日も太陽が昇って来た!新しい一日の始まりだ!生命が息づいている。
大自然の目に見えない生命の力と働きが、もみの木を活かしてくれている。みどりの葉もベリーも
道端の石も蟻も、動物たちも活かしてくれている、そして私も!」
あまりに感動的だったので、二コリは思わず声を上げました。
「生命の力と働き、全ての存在の生命の大親である『大親大生命』!生命に満ち溢れた親世界に全てが生命を頂いて活かされ生きております!有難うございます!」
ドアがほんのわずか、開いたと思うと、「ニャー」という鳴き声と共に二匹の黒猫が駆け寄ってきました。「チョイ子!パッチ!」双子の猫たちは二コリの足元にすり寄って、ご飯のおねだりをしました。
「活かされ生きてる!お前たちもね!忘れてないよ、お腹がすいたのかい?よしよし、ちょっと
待って、ミルクを沸かしてあげよう。それから真参拝して出かけよう。今日もきっといい日だよ!」