夕立の後 地上にできた水槽。
その中で すうすう漂う魚雲。
手を伸ばして 触れてみる。
水面が揺れて 消えてしまう。
本当は 単なる幻だって 分かっている。
偶然 水槽に映っただけ。
本物は 空を見上げれば浮かんでいる。
器など無い 広大な海を泳いでいる。
いくら背伸びして 手を伸ばして 跳んでみても 決して掴めない。
誰にも崩せない。
なのに 気分次第で 自ら形を変えて ふわっと消える。
本当は そういうものだって 知っている。
儚い筈なのに 力強さを感じさせて浮かぶもの。
今日も自由に我が儘に。



