先週、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』と『星を掬う』を2冊続けて読んだ。
前者は2021年の本屋大賞受賞作品だけれど、個人的に後者の方が好みだったので、今回はそちらの感想を少しだけ記録しておこう。
『星を掬う』は、ものすごーーーーく簡単に言うと、普通の母と娘の関係を築けなかった女性たちの物語で、幼い頃母親に棄てられた千鶴という登場人物が主人公となっている。
以下、あらすじ
母がいなくなった後の千鶴は父方の家で育てられて大人になり、無事結婚までするが、旦那からDVを受ける日々で離婚。
離婚後は穏やかに過ごせると思いきや、元旦那は千鶴を執拗に追いかけて多額の金銭を要求し、千鶴が従わないと変わらず暴力を振るう。
そんな絶望が続く日々の中で、千鶴は思い出を買い取るというとあるラジオに、母と過ごした忘れられない夏の思い出を投稿する。
すると、偶然ラジオを聞いていた恵真という女性から連絡が来る。なんと恵真は、現在千鶴の母と共に暮らしているというのだ。
また恵真からは、母が若年性認知症を患っており進行もはやいこと、そしてそんな母と会ってほしいことを告げられる。
千鶴は、自分のこれまでの人生が散々で辛いことばかりだったのは、母が幼い頃に自分を棄てたからだと思っており一時再会は拒むものの、元旦那から逃げるため、恵真と母が棲む「さざめきハウス」で共に暮らしていくことを決める。
「さざめきハウス」には恵真と母の他、家の家事全般を受け持ってくれている彩子という女性が棲んでおり、また後半には彩子の実の子供である美保という17歳の少女が登場する。
それぞれ様々な悩みや過去を持った女性たちが同じ屋根の下で暮らし、果たして千鶴と母の関係性や、それぞれの人生・考え方がどのようの変化していくのか…
というようなお話。
物語の中で千鶴も美保も、母親に対して攻撃する場面が多く見られたけど、受け取られなかった愛情が異常な憎しみや悲しみになって攻撃と変わってしまう部分がとても共感できた。
親に対してそのようになったことはないけれど、
好きだとその人に期待する分、裏切られたときや、自分の期待どおりに相手が動いてくれなかったときに、もういいよ…!と投げやりな気持ちになってしまうのはすごく分かる。
けど、どんなに憎んでいたとしても自分にとっての親は生涯でたった一人で、大切な存在で、そしてそれは親から見た子供も同じで。
家族という繋がりに縛られるな、というお母さんの台詞があったけれど、ラストシーンでは元旦那に暴力を奮われてる娘を自分を犠牲にしてまで守っていて、その繋がりが素敵なんだよなあって思わせてくれる描写で、泣けた。
いざというときは守ってるじゃんね。愛だな。
うそっこバナナサンドのくだりもよかった~~
町田そのこさんの本はまだ2冊しか読んでいないけど、2冊とも文章に無駄がなくて読みやすかったし、今回の本でいうとDV、認知症、介護、若くした妊娠、アダルトチルドレンとか、現在の世の中にある問題が多く取り込まれていて、勉強にもなった。
…けど、正直ちょっとだけ詰め込みすぎな気も、した。
『52ヘルツのクジラたち』のがそれが顕著で、ごちゃつき感があったかな。
ストーリー自体はとても良いのに、後半の詰め込みました感が気になった。
のと、2冊とも人物設定がちょっと甘い?ように私は感じた。
人ってそこまで人格かわる?とか、急にそんな心情の変化おきる?!っていう感じがちょこちょこ見受けられたかな
まあ、良い意味で物語らしさが出ていたけれど。
現実ではこうはならないな~と思いながら読んでいた。
とは言いつつ、『52ヘルツのクジラたち』が面白かったから『星を掬う』を読んでみたのであって、どちらも素敵な作品だったから今度読書仲間(上司)にもオススメしよーと思っているところ。
あと、この本を読んで再認識したのは、
幼少期や青年時代の家庭環境って死ぬほど大事だなということ。
いつでも安心できる場所があって、無条件に愛情が注いでもらって、当たり前が当たり前にある毎日。
何か1つでも欠けていると、性格ねじまがるとか、殻に閉じこもる人間になるとかしちゃうよね。
ま、それをいつまでも親とか家庭環境のせいにするなって、千鶴がゆうきくんに言われてたけどね。
自分も気を付けよう。
では、また、
素敵な本に出会った時か
気が向いたときに書きに来ます~