□術後4週間目
この頃、背中の手術痕が、
上から貼ってあったテープによって、
酷いかぶれを起こしていた。

近所の皮膚科に診てもらうか迷ったが、
何か困ったら外来に電話して良いと
言われていたので、
まず入院していたQ大学病院に
電話で相談してみた。

すると、市販の痒み止めなどを
塗って良いとのことだったので、
指示に従ったが、一向に良くならない。

退院後にある、
経過観察の診察予定はまだ先だったが、
自分ではなんとも対応できなく
なってしまったので、
術後4週間目の日に、
主治医に診てもらうことになった。


M内先生「皮膚科には行かれましたか?」

私「いえ、手術後なので、
まずこちらに伺った方がいいかと思い、
皮膚科にはいっていません。」

M内先生「では、かぶれは皮膚科で診てもらいましょう。
連絡しておくので、
うちの大学の皮膚科へ行ってください。
あと、もうコルセットを外して良いですよ。
これから暑い時期ですし、
背中がかぶれて炎症を起こしているので、
この炎症がひどくなって
細菌感染をするリスクの方が
怖いですから。」

予想もしていない言葉だった。
退院時の予定では、
今つけている硬性コルセットを
一ヶ月半つけた後、
さらに軟性コルセットをつける予定だった。

私「まだ一ヶ月しかつけていないですが、
外しても、骨などは問題ないのですか?」

M内先生「今回は金属を入れていないので、大丈夫です。」

私「軟性コルセットもつけなくて良いのですか?

M内先生「はい。大丈夫です。」

予定よりこんなに早く
コルセットを外して良いのだろうか。
嬉しい気持ちと同時に、
不安な気持ちがあった。

でも、主治医のM内先生は、
入院時からかなり慎重な先生だという
印象を受けていたので、
その先生が大丈夫というのなら、
きっと大丈夫だろう。


家に帰ってから、
早速コルセットを外して過ごしてみた。

一ヶ月近く着けたままだったので、
身体が慣れない。

数日の間は、外したはずのコルセットが、
まだついているような動きをしていた。

また、コルセットが外れたことで、
自転車と車の運転もできるようになったが、
こちらも、怖くて1週間は乗れなかった。




□術後5週間目
子どもの幼稚園の行事で、
近くの動物園へ遠足にいった。

3歳と5歳で、歩行速度も遅いため、
付いて歩くことはさほど困難はなかった。

一番困ったのは、子どものトイレだ。
下の子はまだ座ることができないので、
抱き上げて座らせなくてはならない。
これがかなり辛かった。

他の外出先でも同じで、
トイレ問題が発生するので、
しばらく遠出は避けるようにした。




□術後5週間目
退院後初めて、美容院に行った。

カラーをすると座っている時間が長い。
長い時間座った後、
シャンプーのため席を移動しようとする時
歩き始めがふらつく。

髪を洗ってもらう時のリクライニングは、
手術痕はもう痛くないので問題ないが、
私は胸椎とは別に、
頚椎に椎間板ヘルニアがあり、
首が痛くて辛い。

どの位置に座ってもしっくりこない。

痛く感じないシートもあるので、
ヘルニア持ちには、
シートとの相性は重要な問題だ。




□術後6週間目
子どもが目が痛いと言うので、
眼科へ連れて行く。

車で行くことができない場所で、
仕方がないので自転車で向かった。

電動自転車なので乗ってしまえばスイスイ進むが、
予想外に大変だったのは、
駐輪場に停めるため、
子どもを乗せたまま自転車を手で押して歩くこと。

そもそもの車体が重い上に、
18キロの娘が乗っているので、
かなり重たい。

その日は背中が痛くなった。
やはりまだ無理は禁物だ。


また、この頃、風邪をひいてしまった。
咳をすると背中が痛い。

不運なことに2、3週間咳が続いてしまって、
その期間はずっと背中が辛かった。

咳がこんなにも辛いと思ったのは初めてだった。
術後の風邪には気をつけた方が良い。




□術後二ヶ月
普通に生活はできているが、
しゃがむこと、前屈みは、
まだまだやりにくい。
落ちたものを拾うのも辛い。

歩くのは、
術後すぐと比べて速度がかなり早くなったが、
歩きにくさは変わらないままだ。

脚が上方向に上げにくいので、
疲れてくると
無意識で引きずっている事もある。

そして、時々、何もないところでつまずく。

元々、今回の手術の目的は、
新たな麻痺を予防することなので、
今の麻痺は残る可能性が高いと言われていた。

でも、なんとなくだが、
多少の回復を期待させる兆候も感じている。

と言うのも、
術前は、太ももの裏の筋肉が
かなり弱くなっていて、
膝から下を後ろに曲げようとしても、
足を後ろにあげることができなかった。

しかし、今はわずかに以前よりも
上がっているような気がする。

神経の回復は、とてもゆっくりで、
数ヶ月かかると聞いている。

にわかに期待が込み上げるが、
あまり期待せず、麻痺が少しでも良くなったら
ラッキーだと思いながら過ごしていこう。