受験生なら誰もが知っている超有名単語帳「システム英単語」について解説していきます。
①特徴 ②どんな人におすすめか、注意点 ③使い方 ④前提学力、到達学力 ⑤類書との比較について紹介します。
①20年以上の歴史がありつつも最近改定がされており、今の入試にもしっかりと対応しています。著者は駿台予備学校の霜康司先生、刀祢雅彦先生です。ご存じの通り、「MINIMAL PHRASES」によって効率よく覚えられるようになっています。単語が頻度順に掲載されているため、最悪すべて覚えきることができなくても、そこまでの内容は身につけることができます。また、後半の5章には受験生が意外と手薄になりがちな多義語184語が収録されています。
②基本的にどんな受験生にもおすすめできます。フレーズで覚えたい方にとっては特に効果的です(単語帳の例文をすべて読んでいる受験生がどれほどいるのでしょうか)。従来の単語帳のある意味無機的な構成が苦手な方にもおすすめできます。また、ミニマルフレーズは膨大なデータベースを分析した結果最も出やすい形で登場しているため、今後の長文読解にも役立てることができます。さらに、英作文を書く時にもここで覚えたフレーズがとても重宝します。注意点としては、1週目はミニマルフレーズをあまり意識しない、ということです。まずは1語1訳を覚えることが最優先なので、余計な情報は入れずにとにかく暗記に専念することが重要です。また、ミニマルフレーズを見て、「そういえばこんな意味だったな」という感じで訳を思い出すのではなく、単語だけを見て訳を言えるように(2秒以内に)しましょう。1語1訳の暗記が終了したら、ミニマルフレーズや派生語なども参照し、単語の知識を肉づけしていきましょう。
③前述にもある通り、まずはミニマルフレーズを見ずに1語1訳を覚え、その後ミニマルフレーズを読み(音読も効果的)、さらにその後に2つ目、3つ目の意味や派生語、随所にあるジャンル別英単語を覚えると良いでしょう。
④中学英単語、高校超基礎単語が身についていることがこの本を使用できる条件です。そこに到達していない方は姉妹本のシステム英単語中学版やシステム英単語basicを使用すると良いでしょう。この1冊を覚えきることで、大抵の大学には単語力という観点だけでは合格点を取ることができます。逆にこの1冊だと単語力で引けを取ってしまう可能性があるのは早慶、最難関国立、医系単科大です。東大はシステム英単語のみで戦える余地がありますが、京大、一橋、東京外大は厳しいでしょう。また、阪大でも英語で点数を稼ぎたいなら2冊目の単語帳をやっておいた方が良いです。これ以外のほとんどの大学はシステム英単語のみで単語力は十分であるため、無理して2冊目の単語帳に手を出して挫折し、中途半端な結果にするよりは、システム英単語を完璧に覚えきる方が合格できる可能性が高まります。また、英検2級の語彙問題にも対応できる単語力をつけることができます。
⑤同レベル帯の単語帳として、以下のものが挙げられます。
・ターゲット1900
癖のない、至ってシンプルな単語帳です。とにかく何周も回して覚えたいという脳筋タイプの受験生はこちらを使うとよいでしょう。あとは例文とフレーズでどちらの方が覚えやすいかで決めると良いでしょう。
・LEAP
最近改定されてパワーアップしました。語源情報なども満載なため覚えやすく、さらに実際に英語を使う時のことも考えられて作られていると感じました。システム英単語とどちらを選んでも遜色ないので、書店でどちらも手に取って比較してみて、最後はレイアウトの好みで決めても良いと思います。
・STOCK4500
関正生先生が書いた単語帳です。すべての単語に記憶を加速させる、語源や周辺情報などのコメントがついています。そのため、1語1訳を覚える段階では圧倒的に使用しやすいです。また、最新のテーマには最も対応しており、英語界の流れを汲んだ「新しい単語帳」というイメージです。関先生ファンの方、あるいはスタディサプリで関先生の授業を受講している方は迷わずこちらの単語帳を選びましょう。最強の単語帳であると思いますが、唯一の懸念が単語が頻度順に並べられていないことです。そのため、1冊覚えきれる自信のない方は避けた方が無難です。また、システム英単語やターゲット1900でできるような章ごとにそれぞれのレベルの長文問題集を挟む、といったことができないので注意です。
・鉄壁
とても良く作りこまれた素晴らしい単語帳なのですが、1冊目に取り組むのはあまりおすすめできません。1語あたりの情報量が多く、1周するのに非常に時間がかかるので、挫折率が高くなってしまいます。1冊目に使用した他の単語帳の知識の肉づけとして使用するのがおすすめです。
今回は「システム英単語」について紹介してきました。万人に刺さる素晴らしい単語帳なので、単語帳選びに悩んでいる方はぜひ書店で手に取っていろいろな本と比較してみてください。