上の算数の文章問題を解く娘を見ていたのですが
その際に興味深いできごとがありました。
最初に(2)の1年生と2年生をあわせると何人になりますか、という部分で
答えは116人になります。その後にある問②の部分で
1年生と3年生をあわせると何人になるかと言われた際に初めて見る
文章問題に一瞬とまどいつつ、「えっ、4?」と聞いてきました。
答えはもちろん124ですが1年生と3年生をあわせる、1+3=4が
浮かんでしまったわけです。
実は興味深いことにこの全く同じ問題を人口知能AI が
解くという企画があり世界中から子供サンプルと共に
集めるプロジェクトに資本参加していたため、
結果を観察していましたがAIはこの問題で子供と同じ間違えをしていました。
人間の子供であればここは「1年生(の人数)と3年生(の人数)」
という意味であることを学習させると、次からは間違わずに解けるように
なります。そしてAIロボの学習の仕方も「パターン記憶」であり、これを
パターンとして認識させてしまい次から間違わずに解くというのが
現在の基本的なディープラーニングの技術になります。
今度はこの問題はどうでしょうか。特に(2)②の全部であわせて
何ページになりますかという問題。これは逆に人工知能の計算は
すぐ答えが出せる、つまりパターン認識としてすでに入っていたわけです。
おそらく「人間の子供」であれば上の写真より下の方がやや難しく感じるのでは
と思います
人口知能は日進月歩の世界であり、このようなプロジェクトも
今に始まったものではありません。
ただこの企画はかなり現実的には難しい結果になるというのが
個人的な考えです。(2020年現在)
日本の国立学情報研究所が10年近く前に開始した
「東ロボ君」という人口知能プロジェクトが一時期日本をにぎわせました。
東ロボ君は東大に受かることを目標としたロボットで
当時の日本の論調としてはついにAIが東大生を超える時代がきたという雰囲気
でしたが、一方で海外の人工知能に携わる人たちの「空気感」というのは
全く逆だったそうで「チャレンジングである=ちょっと無理がある」
という論調だったとか。
当時の研究センターの所長、新井紀子さんが書いた
「AI vs 教科書が読めない子供たち」という本では世間の期待とは違う
東ロボ君の受難の歴史と著者が感じる人口知能の可能性、
また逆に現時点で人口知能の限界の話しが
かなりリアルに描かれています。
またこの本では「国語(母国語)」を学習することが
如何に重要かも力説されています。
150億分を記憶させたロボットでも最大の難関になるのは国語力で見る
「常識の壁」であり、数学でも英語でも国語力がどうしても問題の中で必要
になります。上記の問題文も筆算の問題でもあるけども、実は国語の問題とも
関係してくるとことがわかると思います。
自分は特にドミニカ共和国という国に住むようになりドミニカ人と
接してから特に国語力(母国語で考える力)はとても大事だなと日々
痛感しています。国語力がないと簡単な論点を話し合う時でも話が
まったくかみ合わないのです。
これは
1)相手が何を問題にしているのか、何がこの
ポイントかが伝わらないために、こちらが「発した言葉全部」を
網羅的にすくわれるような話し合いになる。
2)
全部を網羅的にすくわれるような話し合いをすると、「発した言葉全部」を
相手に拾われるため(ポイントがわからないから)
その中で何か相手の琴線に引っかかってしまう言葉がある度に
そこの言葉で揚げ足をとられて
しまう。(その度にいちいちの会話の揚げ足をとられて
止められてしまうためポイントの重要な話しが全然進まない)
3)そして気づくと問題の内容とは違う方向に話が飛び
一向に重要なポイントについての話し合いには進まない
(相手はポイントがずれてるとは思ってないので更に状況は
厳しい)
4)そのためできるだけ言葉は少なめに伝えるのがとても重要になる。
理想的なのはできるだけ話さずに(ミスとかあってもミスには
触れずに)次からして欲しいことだけを
伝える。仕事であればミスが出た場合はミスには触れずに次からの
対策だけを伝えるのがベスト。この次からそれが起きないような
対策を必死で考えるのが重要になる。
これは自分が観察している限り、
ドミニカ共和国におけるコミュニケーションの最も
よく起きるパターンでドミニカ人同士でもこの大概はこのパターンに
なります。そして多くの人は(4)ができないため
(もしくは4の発想がない、対策のアイデアが浮かばない)
最悪は泥沼にはまり沈んでいきます。
このような経験をしていくうちに英語も大事かもしれないけど
とにかく母国語で考える力は大事だな、と思うようになりました。
ビジネスでもそうですが、相手が何かを話す際に
素早くポイントを見抜いたり、その相手の発言の裏にはどのような背景が
ありそうか、とか推論したりする力がとても重要でこれは流暢に語学を話す
能力とは全く異なる能力になります。
もちろんこれはビジネス以外の私生活でもとても
大事な能力ではと思います。
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新井紀子・著「AI vs 教科書が読めない子供たち」より
私たち人間が「単純だ」と思っている行動は、
ロボットにとっては単純どころか、非常に
複雑なのです。冷蔵庫から缶ジュースを取り出すという単純な作業を
行うとき、人間はとてつもない量の常識を動かしています。
缶ジュースはどこにあるのか、四角い中とはいえ、押入れや靴箱の中
には入っていない。冷蔵庫にあるはずだ。冷蔵庫は一般的にどこに
あるのか、玄関ではない。台所だ。そのドアは一般的にどうすれば
開くか。そもそも缶ジュースとはどのような物か。冷蔵庫のどこを
探せば見つかるか。ジュースを取り出すとき、邪魔になるものは
どうするか。邪魔になるものがこぼれたりするものだったら?
冷蔵庫にジュースがなかったら、、、、
こんな複雑なことを一瞬のうちに判断しているのです。
(別分より)
AIの本質は高速処理の計算機ですから、数式、つまり数学の
言葉に置き換えることのできないことは計算できません。
人間なら簡単に理解できる「私はあなたが好きだ」と
「私はカレーライスが好きだ」との本質的な意味の違いも
数学で表現するには非常にハードルが高いのです。
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