日銀の黒田総裁が退任しましたが気付けば歴代最長の

10年にも及ぶ任期でした。

常に金融緩和の是非を世論に問われた辛い10年だったと

察しますが「政策運営が適切」だったというのは後任の植田

さんも話しています。

 

 

 

 

 

 

「ノルム」というキーワードが早速ネットでもバズっています。

 

 

過去の経験で培われた規範、社会に根づいた考え方のこと=「ノルム」

だそうです。すごく適切な表現だ。

 

 

 

このガリガリ君のCMが出た時にアメリカのタイムズ紙が

「異常なデフレの象徴」として書き立てましたが

値上げは悪いこと、値段が毎年上がることが悪いこと、こういう

日本社会の30年の結果が世界で途上国よりも貧しい国へと

突き進ませてしまいました。

 

 

 

 

うちの子供も日本のうまい棒が好きなのですが駄菓子の王様、

うまい棒など42年も値段が据え置きされてきた。昭和ど真ん中の

値段が今だに維持されてきたというのが驚異的なデフレ。

 

 

 

 

 

 

このノルムが根強く残る日本で金融緩和を10年継続してきましたが

最終的な物価2%上昇の安定目標が達成できませんでした。

これはニューヨークタイムズでも語られていましたが

多くの日本人が持つ「値上げ=悪」の意識が本来有効と

なるはずだった経済政策を大きく邪魔したわけです。

 

 

ここで質問です。日本はインフレ中ですか、デフレ中ですか。

どちらでしょうか。

この質問をすると多くの日本人は「何を言っているの?インフレ

でしょう」と答えると思います。

 

答えは長期の根強いデフレの真っ只中にいる

 

これが答えです。そうであればデフレ下の日本において

黒田元総裁や植田総裁が言うように適切な政策は

金融緩和となるわけです。

 

問題は日本人の多くが「デフレ」真っ只中にいるという

意識がないのが問題です。

「えっ、インフレで毎日テレビでも騒いでいるでしょ」と

思うと思います。

そうです。急性のインフレが起きているのももちろん正解です。

 

えっ、意味がわからないよ、と思う人もいますよね。’

デフレでもありインフレでもある?どういうことでしょうか

 

わかりやすくというと大きな枠組みとして今だにデフレの

真っ只中にいる、そのデフレという枠組みの中で

少しの品目で急性インフレが起きている、

ということになります。

学校の勉強でわかりやすく例えると長期で偏差値が下降している子供が

ほんの少し勉強の成績が一瞬良くなった、’みたいな

イメージでしょうか。でも偏差値が低いのには

変わりない、みたいな。

 

つまりまだデフレなんです。まずこのデフレの

キーワードで出た各日本人が持つ「ノルム」が解消していく

まで金融緩和が続けるというのが日銀の考えなわけです。

 

ただ金融緩和が病気の痛み止めと同じですので強力な副作用が

伴うのは事実でそれはお金をすり続けるので他国と比べて

貧しくなっていくことなのです。

 

実はこの日本の経済問題はすでに日銀だけでどうにかなる問題の

レベルを超えています。個人的な意見としては日銀がどのような

政策をとるかというよりは

各人がもつ「ノルム」が解消されない限りは

日本は他国と比較して相対的に貧しくなる道を継続する

ということでしょうか。

細かく言うといまだに脱マスクしない=コロナの過剰な意識を

ひきづるために物の生産や物流などにも影響をきたす=

インフレにつながるなども重要な問題ですのでこれは

日銀の責任ではないですし少し経済学が分かる人なら

誰でも理解していることです。

 

前にも書きましたがドミニカでも大使館やJICA のローカルの給料が

15年前に比べても大して高くない給料という位置付けになってきている

ことが話題になりましたがこの傾向も続く理由が上記の理由と

話すとわかりやすいでしょうか。

(ちなみに今ではイメージしづらいかもしれませんが

15−20年前は大使館のローカルの給料は比較的良いという

のが当時は当たり前でした)