米国では議会で金融安定化法案が成立。そして7、000億ドルの公的資金を投入して
不良債権の買取などに着手することが決まりました。
日本のかつてのバブル崩壊の時と同じく米国でも国民感情として
公的資金の投入は反対する人々も多くその動きが注目されていましたが
米国は日本の失敗を加味して異なる政策を採りました。
これで世界恐慌にもなりうると言われた事態が今後どうなるか注目を集めております。

そしてその米国の影響もありドミニカでも深刻な景気低迷に突入しています。
ドミニカの場合は一番は金利。
今年の夏場から急激な金利上昇が始まって景気にかなりの
影響を与えています。
不動産金利などは今年始めは最小で年間12%レベルまで下がっていましたが
その時点で銀行関係者からはもうすぐ上がるから今、ファイナンスを受けるのは
危険という声もあがっていました。

そして今年の夏場始めごろから金利は18→20→24%とグングン上がり
現在は25%と信じられないぐらい上昇しています。
春先に不動産投資のために銀行から融資を受けて購入した人が
金利の上昇が激しいためまた手放さなければならないという
事態が増えて社会問題になっています。
(ドミニカの銀行は一般的に融資後6ヶ月までは固定でその後は変動金利に
なるのが通常)
米国の不動産金利が8,9%、世界でも類を見ない伝説手な低金利と
言われている日本の金利は固定金利で2%とか3%(年間)とかいう
レベルですが比較するとドミニカの年間24%がいかに高いか
分かるかと。(年間24%ということは月間2%)

商業金利も同じく急上昇したために大手のImporterや車両ディーラーも
打撃を受けており景気全体が大きく低迷しているドミニカ。
ショッピングモールなどの建設も進んでいた場所が建設が中止に
なってしまった場所なども。

「やはり日本が今、低金利と言ってもこういう話を聞くと変動金利は恐い」と
考える人もいるかもしれませんが
例えば日本などで急激に金利を10%など上昇させることが
政治的にできるかというとまず不可能です。5%だって無理でしょう。
日本の円の金利が上昇すればドルを所有しているほとんどの投資家は
どう動くかというと円の方が金利が良いので当然手持ちのドルを円に交換します。
そうなると大量のドルが売られて大量の円が買われるのだから
急激な円高を招きかねないので米国はまず受け入れない。
(円高になれば米国は日本の自動車などが安く買われるわけだから
メリットもありますがドルは世界の基軸通貨であり基軸通貨である
条件としてドルは基本的に強い=信用力があるというのが前提。
つまりマーケットが動いて大きくドル安になるのは大きな視点で
見ると米国にはマイナス)

ドミニカの通貨はペソですが世界中にドルをペソに交換して所有したいという
人はドミニカ人以外はほとんどいないですしペソの口座を持つことも
ない。ペソの金利が上がってももちろん為替にも影響しないので
急激な金利上昇をしてもどの国からも文句が出ないというのはある。
(それだけが理由ではないですが)
ちなみにペソ金利がこれだけあがっても春先に比べて若干のペソ安に
なっています。個人的にはドルが弱くなりつつあるのにペソもさらに安く
なっているのが懸念されます。
また日本も期待インフレ率やリスクプレミアムの観点から長期で見ると
確実に今後金利は上がっていくと見られているので
大きな買い物するなら固定金利の方が
安全ということになっているよう。



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(株)リクルート / AB-ROADで
ドミニカ共和国、カリブ海のABガイドとして記事を書かせて
もらっています。
ブログでは書かれない観光情報等、内容が満載なのでぜひ


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