口蹄疫のことは、一般にも広く知られて来たのでここで一旦置くことにする。
早期終息を願うばかりである。

毎週友人から朝日俳壇をメール配信して貰いお互いに選句選評を交換している。
5月3日の稲畑汀子選にこんな句があって、友人から選評が送られて来た。

散る花に風の形の見えにけり   松山ひとし
 
「中七の「風の形に」という措辞が使われていそうな気がしたが、風にしたがってさっと向きが変わる瞬間を捉えて好い。」

私も、この句を読んだ時に、私が昨年の10月に作った句を思い出した。

大風の風のかたちに崩れ稲  誠一郎

私は、この「風のかたち」という表現を実景からふと思いついたもので、他の句の記憶を辿ったものではなかった。
松山ひとしさんも多分同様に独自に思いつかれたのであろう。
お互い同じ「風の形(かたち)」という措辞を使用していた。
 
作句の時期から言えば私の句の方が早いが、句の出来として松山氏のが良い。
取り消せとか、引っ込めるとかということでなくて、「風のかたち」というのは、誰もが発想する「措辞」であることに気がついた。

再び使うとしたら、上掲の二句を遥かに上回る句が出来たときであろう。