鳩山内閣が船出した。
しかも、17日未明の記者会見からである。
先ずはお手並み拝見という所だが、スムースなランディングになるように、
こればかりは祈りたい。

さて、ここはあの世と正反対のこの世の世界である。
昨日の続きを、ご覧に入れよう。

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歌仙<白芙蓉の巻>


名残の折


表一句  清明のネクタイピンの輝ける   ゆき


<ゆきさんの原句は「輝きて」でしたが、「~て」が続くのは野暮なので変えさせてもらいました。 歌仙は粋を追求する遊びです。名残の折が軽快に始まりました。>


なんでもありの歌仙です。 次、無季の七七でお願いします。


表二句    自転車通勤はや三日   牛二


<少し慣れてきたころでしょうか、新入社員からどんどん飛躍してけっこうですよ>


       次は、無季の五七五でお願いします。


表三句  婚活を横目に見つつリアルフォー   誠一郎


表四区    熱き血潮のおもむくまままに   牛二


<リアルフォーとは、アラフォーのあとの四十台のことでした。さ、牛二さんが恋のお膳立てをしてくださったので、付ける人は夏または冬の五七五でお好きなように恋を成就してあげてください。但し、上品に。

数少ない読者を裏切らないようにしてくださいね。>


表五句  再会のユングフラウの明け易し   誠一郎


<ユングフラウには「乙女」という意味があるそうです。「明け易し」が憎いじゃありませんか。

一夜をともにしたなんていわずに。 雄大に名残の折の恋が完結しました。>


       次は夏の七七、恋からはもう離れてくださいね。



表六句    故郷の川は雲海の下   灌木


<人間臭い句が続いた後の自然詠、すがすがしいですね。>


       また、無季の五七五でお願いします。



表七句  一村に一品興すこころざし   誠一郎


<誠一郎さん曰く、「一日を蕎麦焼酎の一杯で、雲海酒造のファンです。>

       次も無季の七七でお願いします。



表八句    袋破って生れ来る今朝   ふみもと


表九句  跡継ぎの五千グラムの赤ん坊   ひとみ


<誠一郎さんが村おこしの一品を考え、ふみもとさんがいよいよ出来上がったその一品の袋の開く日を迎えてくれたのですが、出てきたのは赤ん坊でした。ま、それも村おこしの跡継ぎに成長してくれるでしょう。>

       では、次も無季の七七でお願いします。その後は月の座となります。



表十句    官僚は早や目顔見ながら   誠一郎


<この付け句は抜群に面白いですよ。このところ二世議員ばかりですし、選挙の真っ最中ではありますし。>

        ではお待ちかねの秋の月の座を五七五でお願いします。

        初折と同趣向にならないように。


月の座  満月や大和の国は麗しき   山去


<ゆったりして堂々たる月の座となりました。官僚たちに一喝しているようでもあります。

内緒ですが、この山去さん、七七とか無季の句とか、まったく読めないんです。

花の座とか月の座になると、どこからか出没するお方なんです。本格俳人なんでしょうね。>


        次は秋の七七でお願いします。



表十二    民のかまどは秋刀魚の煙   誠一郎


<ここで秋刀魚の煙が出て、景は一気に豊になりました。歌仙の醍醐味ですね。>


        次は名残の裏に入ります。もう一つ秋の五七五でお願いします。



裏一句  七草のいくつか生けて風炉名残   山去


<この秋刀魚の煙が茶懐石のけむりであったとは、なんと風流な。風炉名残とは、座敷の下から夏の間外へ出しておいた茶釜と別れを惜しむ<風炉名残>という茶会なのです。

秋刀魚の煙に七草のいくつか、そういえば、誠一郎さんと山去さんはどことなく容姿といいお山の大将的なところといい、似てますねえ。

終盤の歌仙を盛り上げてくださって、ありがとうございます。>


次、裏二句は無季の七七になります。

どなたさまもよろしくお願いします。



裏二句    怒る秀吉見下す自刃   誠一郎


<血なまぐさい名残の裏となってまいりました。千利休の切腹まで行ってしまいました。

俳諧師の皆様、あと四句で穏やかな挙句へ持っていってくださいよ。

歌仙は歴史書ではありませんから、なんでもありです。あっと言わせてください。>


裏三句は無季の五七五です。



裏三句  液晶に換えて御前の皺までも   牛二


<これは白芙蓉の巻の大傑作となりましょうか。粛々と進んでいた営みがテレビの中のことだったなんて。そのうえ、ねね様の皺まで大写しというオチまでつきました。>


次は無季でも春でもけっこうです。七七でお願いします。

そのあとには花の座が控えています。



裏四句    イチロー選手あともう一歩   誠一郎


<カウントダウンに入ったイチロー選手を持ってきてうまいですねえ。しかも誠一郎さん曰く、

「これが読めたら偉い!皺取るマリナーズ」ですって。俳句より向いているのではと、寝た子に

変な遊びを覚えさせたかな?と不安です(笑)。>


次は花の座です。桜を詠んでください。

あとは挙句で巻き上がります。



花の座  今年また桜まんかいワシントン   山去


<これでイチローも九年連続二百安打は間違いないでしょう。白芙蓉の島人からえらいところまで旅してきたものです。>


次はついに挙句です。

春の七七でおめでたく巻き上げてください。

これは歌仙ですから、もうイチローへは戻らないで下さいね。




挙句    伝記読むには眠き春昼   牛二



<アメリカの初代大統領のジョージ・ワシントンの伝記でしょうか。ほんと、一行で寝てしまいそう。

発句の<島人の朝は早かり>とも照応していてのどかな巻き上がりとなりました。>


                参加の皆様ありがとうございました。

 

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三十六歌仙 <白芙蓉の巻>

   宗匠 捌き・・・・小筆の君こと ひとみさん


         ご覧いただきありがとうございました。