幸太は30才。地元の高校から東京のH大工学部に進学。卒業後Uターンで浜松のIT企業に就職した。入社3年目に高校の1年後輩の友紀と結婚し、佐鳴湖に近い1LDKのテラスハウスに住んでいる。 |
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昨年、待望の長男が生まれる。幹線道路沿いの住まいよりも部屋数がある子供を育てるに良い環境の所へ転居しようと考え始めた。条件としてはここから余り離れないこと、静かであること、近くに病院があること。ここは車で数分の所にスーパーが2つあるし、少し足を延ばせばイオンも2つもあり、大概の物は揃うので便利だと感じている。ネットショッピングが拡大しているが、実店舗を覗くのも楽しく良いものだ。また佐鳴湖にも近く、河津桜やソメイヨシノの花も楽しめ野鳥も観察でき自然が満喫できる。 | |||||||||
それから休日には子供の散歩がてら家の近辺で部屋を探し始める。ある日、モダンで洒落たデザインのマンションが目についた。この辺にはないマンションだ。気になる。友紀も同じだ。マンションに近寄るとさらに興味が湧いてきた。公園も隣だ。よく見ると、一部屋空いているみたい。緑も多く駐車場も周りに十分あり、駐輪場には1400のバイクも止まっている。俺の400のバイクも置けそうだ。 |
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スマホで検索するとこのマンションの3階の3DKがヒットし、A社に問合せ内見を申込む。内見すると思い描いていたイメージとほぼ一致。築年数は36年と古いが、追焚き、温水便座、TVホン、エアコン、LED照明などほぼ新築マンションにある設備が付けられている。少し古いものも見受けられるが。フレッツ光全戸加入タイプが導入されていると言う。ただで使え、おまけにWi-Fiもだ。部屋は6畳の洋室2つ、和室1つ、9畳のDK。DKと洋室の襖を壁に寄せると15畳のLDKになる。和室があるのは大家の「日本人なら畳は欲しくなる」と云うこだわりだとか。こんなこだわりを持つ大家は頑固かも?居室には窓が2つづつあり、日当たりは申し分なし。西側の洋室は見晴らしもよく、新幹線、浜名バイパスなども見える。息子が少し大きくなり、ドクターイエローが自分の家から見られれば大そう喜ぶだろう。弁天と舘山寺の花火が見えるようだ。内見を終え車に戻るとき、小学生と幼児を連れた親子とすれ違う。同世代も住んでいるようで安心した。 |
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人気のポエータ、コメダにも近く、妻も気軽にママ友とランチやお茶ができると言う。その夜友紀と話し会い、物件が静かな住宅地にあり、内科、外科、小児科、歯科が近くにあることから住むことに決めた。 |
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