私の勤務先はヨーロッパに本社を構える業界内でトップクラスの企業です。そして所属している営業部署は成功報酬型、いわゆる出来高制で給与が決まっています。

業界や会社によってその内容は随分と違ってきますが、私の会社の場合はベースとなる給与はある程度担保されており、その上で実績を挙げればその分青天井で稼げるという仕組みになっています。

そして、その実績やパフォーマンスを評価する為に、KPI(Key Performance Indicator)つまり評価指標があるのですが、これを子供達のお小遣い制度に応用しています。

ご飯をしっかり食べる、おもちゃや布団を片付ける、時間通りに学校へ行く、宿題をやる、早寝早起きする、お手伝いをする等々、普段の生活行動に対して子供と相談の上でポイントを定義付け、達成項目に応じて月給ならぬ週給を毎週土曜日に支払います。

例として、宿題は10ポイント、学校で何があったか報告すると10ポイント、テスト満点だと30ポイント(100点以下の場合、やり直しをした後に80点以上で20ポイント、80点以下は10ポイント)、そろばん20ポイント、英語30ポイント、おもちゃの片付け5ポイントと、難易度に応じてポイントを調整しています。

ちなみに新しい項目を提案した場合はプラスで30ポイント追加となり、先日は私のジョギングについてきた際、1km毎走る毎に10ポイントの提案がありました。結果的に一緒に4km走ったので40+30の合計70ポイントをゲットして大喜びしていました。

また、かけ算をクラスで一番にマスターした際には、特別業績賞与として100ポイントを支給。これには部屋中を踊りながら喜びを爆発させていました。

KPIの設定にはいくつかポイントがあります。

1) 子供が納得するもの
2) 難易度に応じてポイントを調整
3) 決して強制せず、自己責任とする

大人がある程度までサポートしてあげることも必要ですが、やはり子供と一緒に話し合って決めることで、本人達が納得して何事も取り組むようになります。

また、なかなか頑張っても5ポイントばかりだと子供達は長続きしません。頑張ったことにはしっかり評価をしてボーナスに反映させてあげると、ポイントの為だけではなく、もっと色んなことを頑張りたいと思うようになってきている気がします。

そして、一番重要なのは強制しないことです。親の言うことを聞かず、勉強せずに遊んでばかりいれば、ポイントは貯まらずお小遣いもほとんどもらえません。子供がもっとお小遣いが欲しいと思うなら、やるべきことをやればいいと伝え、励ませばいいのです。お陰で我が家では、あれやりなさい!これやりなさい!と言うことはほとんどなく、ストレスも少なくて助かるという状況になっています。

なお、お小遣いを支払う時は、みんなの前でポイントを計算し、その場でお金を渡すので、一番頑張っている長男がたくさんもらっている姿を見て、下の子達ももっと頑張って自分もたくさんもらいたいと感じてくれている様です。

大人も仕事で上司や同僚から頑張りが認められ、給与に反映されるとモチベーションが上がる様に、子供もお小遣いを工夫をすることで、その費用対効果は高いものになると思います。

家庭によってお金に対する考え方や教育方針はあると思いますが、社会に出て世の中の仕組みを初めて知るよりも、早い段階でお小遣いを通じて金銭感覚を身に付け、頑張りに対して評価を受けるという原理原則を知っておくことは重要なことだと思います。