トンネルを抜けた先に見えるモノ 「ハリウッド・ドリーム」 | ナオトのシアワセのオトナり

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東京の風は時に冷たく、厳しいけれど、
目を閉じると故郷・和歌山が微笑んでくれる。
だから僕は負けたりしない^^。

田村英里子さん。



以前この日記でも彼女の事には触れた事があるのですが、

現在公開中のハリウッド大作「ドラゴンボール エボリューション」にも

出演している、

僕がこの上なく尊敬をしている女優さんです。


そんな彼女が先日3月10日に自叙伝を発表されました。


ハリウッド・ドリーム/田村 英里子
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「ハリウッド・ドリーム」という本なんですが、

恥ずかしながら、田村さんのブログは欠かさず日々チェックしているので、

その事は知っていたのですが、

忙しかった事と、普段本屋さんにフラリと入る習慣があまり無いので、

なかなか読まずの状態でした。



ですが、つい先日今思えば何か導かれたような感覚で、

普段入らない本屋さんに入ってしまい、

気が付けばこの本が視野に入っていました。

それで気が付けば購入していたのですが、

この本、158ページほどあるソコソコの厚みある本で、

写真も挿絵も無い本なんですが、

入った近所のスタバで、

コーヒーが冷めようが、携帯電話に着信があろうが、

メールが届こうが、

夢中で、一気に全ページ読み終えてしまいました。


今は、3回目なんですが、

再度田村さんの言葉一つ一つに込められた感情や意味を考えながら、

読み返しているところです。




日本のアイドル・歌手・女優がハリウッドで活躍して、本人が執筆。

と書いてしまえば、なんだか爽快なサクセスストーリーな印象があるか、

もしくは、日本またはアメリカの芸能界の裏事情や暴露話なんかの、

低俗なモノを期待してしまうかも知れませんが、

実際に僕も、読んでみるまでは、

田村さんには、後で書きますが、このブログという媒体でとても印象に残っている事があるので、

こうして成功を手に入れた今となっては、

過去のアイドル時代から現代までの武勇伝の羅列みたいな仕上がりになっていたら・・・、

という不安も少ーしだけあったりもしたのですが、

そんなのは想像するだけ無駄な心配でした。


やっぱり、田村英里子さんは本当に尊敬に値する人だと思います。


内容的には、

16歳の時、「ロコモーション・ドリーム」で歌手デビューしてから、

単身アメリカに渡って、現在テレビ「HEROES2」や映画「ドラゴンボールエボリューション」の仕事を

獲得するまでの日々を淡々と綴っているのですが、

中盤で、彼女は仕事のアテも目標もなくなり、

失望してしまい、非常にネガティブな日々を送った時期を迎えます。

実はですね、ちょうどこの頃の話は、

田村さんが、以前に書かれていたブログがあって、

今はそのサイトごともう無くなってしまったのですが、

そこでは毎日のように更新をしては、弱気な日記を書かれていました。



僕もそれまでは、田村英里子さんといえば、

トップアイドルな人であって、一連の日本の週刊誌のゴシップで、

性格面での不評を鵜呑みにしてしまってる部分があったので、

さほど好感度は高くなかったのですが、

その田村英里子とは思えないほどの、弱気で、投げやりな日記に、

妙に親近感を覚えました。

だから、今回本が出版されて、

その頃の時代に触れているトコロでは、

あのブログの記事と全く同じ心境、言い回しで綴られていたのが嬉しかったです。

ウソや偽りの全く無い、本当の自叙伝だと思うからです。



読んで頂ければ、分かるかと思いますが、

この本を通して感じる田村さんは、決して強くない。

むしろ弱気で落ち込んでいるし、そんな部分も赤裸々にさらけ出してくれています。

日本で、歌手や女優として名前が知れ渡っている功績のある方なので、

そういう部分をさらけだすのは、本人も書かれていますが、

相当勇気が要ったと思います。



でも、それっておかしい事でしょうか?

いくら目標や夢があっても、

日々うまくいかずに、結果を出せずに、

知らない土地で、時間とお金と気力ばかり浪費していく日々の中では、

まるで自分自身が否定されてしまってるような、

自分自身の存在価値が0のような、

そんな弱気な気持ちになるのは、普通の事ではないでしょうか?



いつもどんな時でも前向きに、ネガティブな発想はせずにいられるのなら、

それは理想かも知れませんが、

そんな人がいても、逆にその人は本当に鈍感か人の痛みを知らなさそうで、

信頼できない気がする。

表向きは頑張り屋で、ポジティブな表情をしていても、

本当は傷ついた心を抱えて、臆病になって、

それでも見えない光を頼って生きていく人が、

本当に前向きで強い人だと思う。


本当に、数々の屈辱や孤独感、挫折を経験をこの本では綴ってくれていますが、

僕はこの本から本当に多くの事を学びました。

田村さんほどのスケールではありませんが、

僕自身も今まさに未知の地で、毎日毎日転びながら歩こうとしていますが、

この本を読み終わった時、

誰かに言って欲しかった言葉の数々をようやく言ってもらえた気がしました。

特にそれはこの本の最後の一文なんですが、

それは・・・ココでは書きません。

ぜひ直接読んでみて頂きたいです。

もしも、もうダメだと絶望のどん底にいる友人がそばに居るのならば、

ぜひこの言葉をかけてあげて欲しいと思います。




また、彼女の言葉の中で印象に残っている事で、

出口の見えない袋小路のような日々とあるのですが、

その後、本を読み終え、

とあるブロガーさんの日記に、

ほぼ同様な言葉が記されていました。

「トンネルを抜けた先には」

偶然を通り過ごして、運命のように、

同じ日に知ったこの二つの言葉。

このお2人の言葉を読んだら、

なんだか背中を優しく押してもらったような気がします。



何かに今挑戦している人や、

今、何かに絶望して上を向けない人、

そんな人には騙されたと思って、

一度この「ハリウッド・ドリーム」を読んでみて頂きたいです。