犬や猫の細菌感染症
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「細菌」とは?

細菌とは目に見えないくらい小さな(1000分の1ミリくらいの)単細胞生物です。私たちの周りのありとあらゆる場所に生息しており、その種類も数千種類にのぼるといわれていますが、その中で実際に人やペットに病気を引き起こすのは数十種ほどです。

病気の原因となる細菌は食べ物や空気によって外から運ばれてくることもありますが、実は、私たちやペットの体(皮膚や口、消化管の中)にも常に住んでいるものもたくさんあるのです。健康な時は体のバリアによって急激に数が増えることもなくおとなしくしている細菌も、体が弱っている時には体内に入り込んで病気を引き起こすことがあります。

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肺炎

特にネコちゃんのウイルス性鼻気管炎や子犬のケンネルコフなど、ウイルス性の呼吸器病にかかっているときや、歳をとって病気に対する抵抗力が衰えた時には、細菌が肺に感染しやすくなります。

細菌性肺炎になると痰が絡んだような咳をしたり、苦しそうな呼吸になり、そのままにしておくと肺に水が溜まったり(肺水腫)、肺の外側に膿が溜まってしまう(膿胸)こともあります。

膀胱炎

意外に思われるかもしれませんが、作られたばかりのおしっこはほとんど無菌状態です。しかし、たとえば膀胱の中に結石ができて粘膜の表面が傷ついてしまっているような時、またおしっこを我慢していつも膀胱内におしっこが溜まっているような時には、ペットがお尻を舐めたときや地面に座ったときなどに細菌がおしっこの出口から膀胱に入り込んでしまうことがあります。

膀胱炎になると、膀胱は弾力がなくなって大きく膨らむことができずに、何回も少量のおしっこをするようになります。そんなときは、細菌の毒素でおしっこはとても臭くなります。

膿皮症

体が弱っていて免疫が低下しているペットや、アトピーになっているペットは皮膚のバリアがうまく働きません。また、毛玉をそのままにしたり、皮膚の脂分や水分が多すぎると細菌が急激に増殖してしまいます。すると皮膚の表面にいる、本来はなんでもない細菌が悪さをして皮膚に炎症を起こすことがあります。

ペットは痒みを我慢できないので、炎症を起こした場所を爪などで掻き壊し、そこの掻き傷からさらに細菌が入り込んで膿んでしまうこともあります。

歯周病

もともと口の中にはたくさんの細菌が住んでいます。もし、ペットの歯に食べ物のカスがついたままになっていると、それを餌にして細菌はどんどん増殖していき、歯垢となります。

歯垢は唾液中のカルシウムを吸収して硬くなり歯石となり、歯と歯茎の間を押し広げていきます。細菌はそのすき間から歯の根元の方に広がり、歯根膿瘍(歯の根元に膿が溜まる病気)や歯が抜け落ちる原因となります。

食中毒

ペットは何でも口に入れようとします。鼻がくっつくほど匂いをかいだり、舐めることでそのものが何であるかを確認しようとします。また、特にワンちゃんはくさいものほど興味を示し、腐ったものでも舐めようとすることがあります。このような時に細菌が腸に入り込み、食中毒のような症状を示します。

人で食中毒を示す細菌にはブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、ビブリオ菌などがありますが、ペットでもこれらが下痢や吐き気の原因になることは同じです。

細菌をやっつけるもの。それは抗生物質!

細菌感染の病気になって病院に行くと、「抗生物質」を処方されますね。抗生物質とは、細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする物質の総称で、細菌感染症になったときに生体の免疫作用を助けて病気を治す働きがあります。何種類もあるのですが、それぞれの抗生物質は特定の細菌にしか効き目をあらわしません。ですから相手となる細菌に合わせて病院の先生は何を使うべきなのかを決めていきます。

ただし、抗生物質は使い続けると、細菌の中にはこれに対する抵抗力を持つものもあらわれてきます。これを「薬剤耐性菌」といい、やっつけるのは非常に困難になります。以前、“メチシリン”という抗生物質に抵抗力を持ってしまった「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」が、人間の間で問題になっていたことを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。このように抗生物質はやたらに使えばいいというものでもないのです。

細菌感染を防ぐために

細菌感染によるペットの病気は「ある日突然恐ろしい病原体がやってきて、体に入り込んで発症する」というよりも、日常的に存在する菌が、環境の変化で急激に増えたり体の抵抗力が落ちて入り込みやすくなったりして発症することが多いようです。

ペットの細菌感染症を防ぐには、生活環境の清浄化、栄養バランスの取れた食餌と規則正しくストレスのない生活、グルーミングやコミュニケーションを通しての病気の早期発見を心がけるようにしましょう。