みょうが・オブ・ザ・デッド
Amebaでブログを始めよう!

 

(リー・ワネルが好きな人が)ブレイキング・ゴッドを観た話※ネタバレは後半のみ

 

 

 

 

 

 

ブログ記事第1弾に相応しいか相応しくないかは分かりませんが、オーストラリア制作『ブレイキング・ゴッド』(原題『The Mule』)について書こうと思います。『ブレイキング・バッド』じゃないよ。TSUTAYAで空目して二度見した人が多そう。きっと邦題はそれを狙って付けられたんだろうな…

 

なぜ洋画は最近観はじめた20歳の腐女子が準新作のこの映画を借りてきたの?下ネタ好きか?絶対下ネタ好きだろと責め立てられるのは覚悟しておりますが、理由はただ1つ。この人だ!

 

 

 

 

 

リー・ワネル(Leigh Whannell)さん、1977年生まれの39歳です。綺麗なお顔立ちをされておりますが、俳優よりも本業は脚本家、映画プロデューサー。オーストラリア出身です。

私自身、映画はまだ詳しくないので日本での知名度がどの程度なのかは知りませんが、『SAW』のアダムと言われれば思い出す方も多いかも。

 

 

 

みんな大好きアダムちゃんです。びじょ濡れです。作中ではずっとあわあわしてます。

『SAW』の原点であるバスルームゲームに巻き込まれ困惑、逆ギレする等身大の若者的演技がとても素晴らしかったです。こうやって見比べると若いですね~

 

SAWはホラー、スプラッタが苦手で避けてる方にもぜひ観てほしい!続編の展開に辟易してシリーズ全体の評価を下げてしまった方にももう一度観て「やっぱり原点は最高だな」と思い返してほしい、個人的ベスト映画の1つです。

何より腐女子的にもものすごくおいしいから…そのまま楽しむもよし、推しカプに当てはめてもよしの素晴らし映画なんです…このままだとSAW語りになってしまうのでいつかSAWを語る記事も書きたいです…

 

リーさんの代表作といえばやはりSAWなのですが、SAWでタッグを組んだジェームズ・ワンと制作した『インシディアス』も名作。ワンさんとは学生時代からの盟友でとても仲良しです。

インシディアスは現在3作目まで作られているシリーズものなのですが、ところどころにSAWのエッセンス(2人のクセのような)を感じながらも全く異なった切り口の作品。ワンさんが「グロだけの監督だと思われたくなかった」と言うだけあって、こちらは「にんげんっていいな」的なあたたかさがホラーの中に散りばめられています。リーさんの十八番、どんでん返しも有り!

リーさんはスペックスというこれまた可愛らしい眼鏡男子を演じています。SAWのアダムに少しでもきゅんとした人はスペックスの可愛さを味わうべき。

 

 

 

 

 

随分話が脱線してしまったので、徐々にブレイキング・ゴッドに戻していきます!!

 

そんなこんなで、私がリー・ワネルさんの動向を追っている最中で見つけたのが『ブレイキング・ゴッド』なのです。彼は主人公のチームメイトの悪友役、そして脚本、製作総指揮としてこの映画に参加しています。

日本では「未体験ゾーンの映画たち2016」にて上映されたようですが、その時はスルーしてしまった模様…未体験~では『グッド・ナイト・マミー』は観ました(あんまり印象に残ってないけど森の中でお母さんがグルングルンするシーンだけ脳裏に焼き付いてる)。

 

 

結論から言うと面白かったです!そして冒頭で記事の第1弾に相応しいかどうかは分からないと書きましたが、絶対相応しくないです(うんこの映画だから)

一言で表すと、絶対にうんこ我慢の映画です。でもただの「うんこ我慢の映画」と表されるのは勿体ないな~と思います。

 

 

主人公はテレビ修理店で働く、地味で愚直なレイ(マザコン)。そんな彼は地元のアマチュアフットボールチームで連続出場を記録した“我慢強い”選手としてMVPに選ばれる。その我慢強さを見込まれてかどうかは知りませんが、チームメイトのギャヴィン(チンピラ?)に誘われて麻薬の密輸を手伝うことになります。なぜ我慢強さが大事かって?それは大量のコンドームにヘロインを詰め込んで飲み込み(その数20袋!)、こわ~いボスのところまでたいせつなお薬を運ぶのが彼のミッションだからです!

計画では搭乗前にお薬袋をお腹に収めたあと便秘(になる)薬を飲み、オーストラリアに着いたらトイレでスッキリ…というさほど苛酷ではない(?)お仕事でしたが、税関で捕まってしまったためさぁ大変。警察とレイとの一週間のガチンコ我慢ゲームが幕を開けたのです。

 

 

簡単なあらすじはこんな感じで、ネットで見られる各所の紹介も似たような感じだと思います。確かにネタバレを避けつつ、冒頭を中心に説明するとこうやって説明するしかない…でも、この情報だけ観て汚い!くだらない!と突っぱねてしまうのは本当に勿体ないです。何故こんなに強調するのか、私自身「リーさんが出てなければ絶対にこんな映画観てないだろうな…」と思うからです。20歳の夏休みという女盛り大学生盛りに部屋で1人うんこの映画を観ている女は嫌だ。

 

 

というか、もううんこの映画とかいうのを止めます。家族しか支えがなかった空っぽな男の「友情と成長の映画」です。

 

実は私は(ゲシュタルト崩壊する程度にうんこを連呼していますが)映画における大きい方のネタが苦手です。突然オブラートに包みますが苦手です。うんこちんちんといった小学生レベルの下ネタは来年成人式を控えた女子大学生としては些か過剰なまでに嗜みますが、あくまでその響きに笑っているのであり、実際に目の前にそれらが陳列されるところまでは想定していないです。

スプラッタ描写にはかなり耐性が付きましたし、洋画特有の虫やクリーチャーの描写は元から平気でありながら大きい方のネタはコメディでもシリアスでも避けています。

未だに観られないのが『ムカデ人間』。マッドサイエンティストのサイコパスとか大好きだけど、これ限りは克服できそうもない。『グリーン・インフェルノ』もグロ描写よりも音だけの排泄描写がトラウマになりました…

 

 

正直、この映画にも普通に大きい方が映ります。最初は「お!うまい具合に隠してくれるんか」と期待しましたが普通に出てました。明るいところでジャジャーン!って感じではないですけど。しかし大描写が苦手な私でもトラウマレベルではなかったし(ばっちり目は逸らしたけど)、不快な描写を越えたところにこの映画の面白さを見出せたので、ちょっと苦手な人でも頑張ってください。責任は負えませんが、私は大丈夫だと思います。

 

 

 

 

こちらがリーさんが演じるレイの悪友ギャヴィン。ワイルドでかっこいい。襟足がくるんってなってます。

私はこの映画において彼が準主役といってもいいようなキー・パーソンだと感じました。正直、ジャケットを見る限りチョイ役だと思ってたんだけど…そもそも日本版のジャケットがどう見てもコメディなのが引っかかります。全然コメディじゃないです。ほとんど笑えません(映画館では笑いは起きてたんだろうか…)。

 

ポイントはこの2人は元はお隣さん、家族の付き合いもあった幼馴染だというところ。しかし今のレイは愚鈍な地味男、ギャヴィンは危険な仕事に手を染めるチンピラ。レイのお母さんによるとギャヴィンは傷害事件で少年院に入っており母親は亡くなっているとのこと。

ギャヴィンはレイを利用しようとしているわけですし、現在の2人の間には大きな壁があります。しかし密輸を怖がるレイを見て「奴には無理だ」とボスに告げたり、なんとなくギャヴィンが気にかけているのも伝わってきます(結局ボスに脅されて巻き込むんですが)。

 

 

2人の関係はどのように変わっていくのか?個人的にここが胸にキました。詳しくは後半のネタバレパートにて!

 

 

 

そしてかわいい。

 

 

2人以外の登場人物もなかなかパンチが強いです。明らかな悪者は表の顔は実業家、真っ黒な裏の顔を持つ運び屋のボス。そしてレイに薬物を排泄させるために、精神的、肉体的に虐待を加える性悪警官(この人は悪ではないけど)。そしてもう比較的穏やかそうなもう一人の警官。そんなキャラクターの中でよく分からないのが、人権保護論者の美人弁護士。役に立ちそうで立たない…レイを上げて落とすような役割なんでしょうか。

 

 

 

最後にちょっとネタバレパート。お話の核心は話しません(ギャヴィンのことしか話しません)がご注意ください(画像無)。

 

 

 

 

 

 

※ネタバレ注意※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________________________ここからネタバレ______________________________________________

 

 

 

ギャヴィンはレイを利用するが為に、軽い気持ちで「親友」と呼び握手を求めます。それがレイにとってはたまらなく嬉しいものだったのでしょう。

いつしか遠くへ行ってしまった幼馴染、近所に住んでいたころどれくらい仲が良かったかは分かりませんが、後にギャヴィンの子ども時代の写真が写るシーンがあるんです。そこに何枚か同い年くらいの子どもが一緒に写っているんですが、レイかもしれませんよね(確信するには証拠不足ですが)。

 

つまりレイが命を懸けて体内の薬を守る理由は、後半に行くにつれて“親友”に認めてほしいという気持ちが強くなっていると思うんです。もちろん家族のため、自分を見下していた周囲を見返すため、女のため(この伏線がパーティシーンでの女性との絡み、象徴が美人弁護士なのかな)とかでもあると思うんですけどね!

 

ボスからの命令でレイを始末しようとするギャヴィンですが、そこでレイが自分を“親友”だと頑なに信じている様子を見て良心を痛める。良いシーンでした。

ここでの改心が唐突に感じないのは、レイを巻き込むことや始末することを躊躇っている様子や幼馴染だったという設定が生きているからでしょうね。

 

そしてその直後のフロントガラスにドーン!はテンションMAXからの急降下、ここでなぜか「リー・ワネル、最高だ」ってつぶやきました。思わず。ほんとに彼が好きそうな展開だな…って思ったからです。彼が考えた作品で彼が酷い目に遭うってもう…鉄板じゃないですか!!

 

 

何かのインタビューで「自分が考えた脚本を演じられるのは最高だ。どんなキャラクターにもなれるからね」のようなことを言っていたリーさんですが、そんなことを言いながらおいしい役なんてなんもないじゃないですか…正統派イケメンすら演じてないじゃないですか…もう好んでこういう役柄になりきってるなら最高としか言いようがない。『ゾンビ・スクール!』でも汚物まみれになってるしね!ちなみにワンさんとの共作ショートフィルム『Doggie Heaven』では犬に犯されます。Youtubeにあるのでぜひどうぞ!