口笛が吹けない君へ -2ページ目

手のひらがイカ臭い


「おい学校こっち」

Y字路を右に
曲がるそいつを引き止める

「いーの。黙って
あたしについてきなさい」

偉そうな態度で言われたが、俺は
抗うこともせず黙ってついて行った

真面目に学校に行くよりも
こいつとつるんでた方が
面白そうと踏んだからだ

しかし期待とは裏腹に、
着いた先は公園の沼。

ムードもへったくれも
あったもんじゃない新緑の沼

「何する気だよ」

するとそいつはさっきの
コンビニ袋からするめを取り出した。

そして自分の鞄から凧糸と
割り箸を取り出し、手際よく
結び付けた。

そして鞄から出てきたのは
小さな青いバケツ。

「ザリガニ釣んの」

へらー、と楽しそうに笑う
お前を見て、何もこんな日に
ザリガニ釣りにこなくても
いいと思った。

が、一時間目は定年男の
日本史だと分かると
ザリガニ釣りに興じる気になった。

俺も真似して凧糸にするめを
括り付ける。

そいつは既にコーヒー牛乳を
片手に釣り糸を垂らしていた。

「これ釣れんの?」

「二十分で五十六匹」

冷たいコーヒー牛乳を
すすりながらのほほんと言った。

へぇ、五十六匹…ごじゅうろっ…は?
五十六?尋常じゃない。

「そんなっ「嘘だよ嘘」

真顔で嘘つかれた。
未だにこいつのキャラが掴めない。

「おっと来た。兄さんは?」

五分もしないうちにソイツの方には
ザリガニがかかったらしい。

だけど一向に俺の竿にはかからない。

たびたび引っ張られたような気がして
凧糸を手操ってみても草が
するめに絡み付いていただけだった。

もう既に水にふやけてイカに
還ったそいつを、凧糸から外して
沼の遠くを目がけて放り投げた。

「うっさい、ぼけっとしてると
逃げられんぞ」

萎えてしまった闘争心が悲しくて
そんなことを言った。

先にザリガニがかかったんが
悔しいなんて俺は認めない。

俺はするめを一切れ口にした。

横に居る女も時折食っている、
だけどするめとコーヒー牛乳の
組み合わせってどうなんだ?

その後、俺は一匹も釣れなかったのに
向こうは四匹釣り上げた。

「さて、キャッチアンドリリース」

バケツの中のザリガニを沼に還す。

その中に一匹だけバケツの中から
出てこない奴が居た。

「うは、この子兄さんみたい」

「どこがだよ」

「一匹狼極めてるとこ、
強情なとこ、あと雰囲気がホスト」

「…それ次言ったら本気で殴んぞ」

凄みを効かせたつもりだったけど
向こうには本気にされてない。
ちくしょう。

「兄さん、連れて帰りなよ。
このバケツもあげますから」

「ほれ」

ちゃぷんと音がして
そいつから俺へと手渡される。

ふーん、こうして見ると
結構可愛いな、ザリガニ。

だけど、

「このまま行くん?俺」

「もちろん」

「…」

「じゃ学校行こっか」





ーつづくー

俺より僕を知ってる私


たくさん書いてたのに
いきなり電源が消えちゃった


また書く気にもなれないので
今日あった事を簡単にまとめると、


盗んだバイクで走り出して
しまいそうな事がたくさんありました







口笛が吹けない君へ

引き際の見つけ方


なに、私に自由はないわけ?


なんでいつもお前に何もかも
決められなきゃいけないの?


お弁当くらい好きな人と
食べさせろ(´・ω・`)




私はみちるですか?

いいえケフィアです。





口笛が吹けない君へ