【短】 とらいあんぐる㉙ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7




side:kyuhyun


「ご、ごめん…
でもヒョンが悪いんだからね!」

俺の膝が見事にヒョンのヒョン自身を直撃した。
ちょっと当てたつもりだったけど
相当痛がったるので、ちょっと気が引けた。

で、とりあえず謝ってみた。

でも、ヒョンが悪いんだ。
いきなり本気モードで来るからちょー焦った。

なんでスイッチ切り替わったかわかんないし。

「お、おれ悪くないからね」
そう言ってヒョンを見るとまだうずくまってる…

まぁ、俺も男だし、あの状態で膝蹴り食らったら
そうそうすぐには立ち直れないよな…

そりゃー俺だってヒョンとこー、久しぶりにいろいろと
じっくりまったり、ほら、たっぷりと…じゃん?

でも今の俺の体事情じゃヒョンに本気で来られたら
たまったもんじゃない。

まずは腹ごしらえして…

そうだ!そうだよ。

ヒョンは俺を食事に連れに来たんじゃないか!!

俺食ってる場合じゃないだろ!
あっ、いや…俺なに言ってんだろ…

とにかく、食事して、ゆっくり風呂に入って
それからじゃないと…

「ねぇ、ヒョン。大丈夫?」
ベットの上でうずくまるヒョンの肩に手をかけ顔を覗き込んだ。

ヒョンの額にはうっすらと脂汗が浮いていた。

相当痛かったんだろうな。
やりすぎちゃったかなぁ…

「ねぇ、ヒョンってば。ごはん食べるんでしょ?おれ、お腹すいた…」

『……どいな…』

「なに?」

『…ョンは…どいな…』

「え?聞こえないよ」

グッと顔を覗き込むと、ヒョンはいきなりムクッと体を起こした。
そして大きく”ふぅ…”と息を吐き俺を見た。

『キュヒョン。さすがに今のは効いたぞ…』

「だからそれはヒョンが…」

『もうできないかもしれない…』

「え?」

『もう、できない。きっと…』

と、突然何言ってんだ?ヒョンは。

「え?じゃあ、別にしなきゃいいじゃん。」
思わずそう言ってしまうとヒョンが目を真ん丸に見開き
俺をじーっと見つめ多分”ジーザス”と言ったと思うんだ。
小さい声で聞き取れなかった。

無言のままベットから降りて、トントンと数回その場で飛び上がって
腰を数回叩いて体を前後に曲げたり反らしたり。

そのまま歩き出してクローゼットに入ってしまった。

忍び足でついていき、ちょっと入口からそーっとのぞくと
散らばった服を拾い、棚に戻しながら何かブツブツ言っていた。

聞き取れず覆わず身を乗り出してしまって
ヒョンがいきなりこちらを向いたが引っ込みがつかなかった。

ジッと見つめる眼差しから目をそらしクローゼットへと入った。

…あぁ~機嫌悪いなぁ…

頭を掻きながらどうするか考えていると
ヒョンが右手と左手に持った服を交互に差し出して見せる。

「あっ、え?何?」

一瞬なんのことかわからず、体がビクッ!と揺れた。

ヒョンは無言でもう一度右手と左手に持った服を交互に差し出し
顎でそれを指示した。

「どっちがいいかってこと?あぁ~えっと…こっち。」

俺はヒョンが左手に持ったラルフローレンのラガーシャツを指さした。

ヒョンは一瞬、左の眉を上げジロッ!と俺を見た。

…え?外した?

「あっ、いや…もちろんそっちも…」
慌てて右手のやつもいいと思うと言おうとしたが
ヒョンは一瞬頷いて、そのラガーシャツを着た。

襟をちょっと立て、袖をサクッとまくったヒョン。
それはヒョンにとても似合っていて俺は思わず見とれた。




side:siwon


ふぅ…

体を劈くばかりの痛みに意識が遠のくのを感じたが
なんとかそれは収まってきた。

どんなにかわいく見えても、そこはやっぱり男だ。
キュヒョンに悪気はないのはわかるが
一撃にはやはりパンチがある。

昔、まだ若かった頃、ちょっとしたおふざけから
女の子を組み敷く状況になったことがあったが
その時食らった膝蹴りとは到底比べ物にならない程効いた。

油断した。

まぁ、病み上がりのキュヒョンに襲いかかるほど
節操のない俺も俺なんだが…

あんな姿見せられたら俺の理性の箍なんて
一瞬ではじけ飛ぶんだって、どうしてわかんないんだ?

そして言うに事欠いて”しなきゃいいじゃん”だと???
呆れた俺はキュヒョンを恨めしく思いながらちょっとにらんだ。

着ていたセーターはキュヒョンにとられてしまったから
とりあえず服を着ることにしてベットを降りてみた。

数回トントンと飛んで、まぁ、位置を確かめて…

キュヒョンには”もうできない”と思わず言ってみたが
本当に大丈夫か、ちょっと自信がなくなってきた。

それを確かめるすべは…

そうだ。
まだまだ時間はたっぷりある。
何も焦ることはない。

いろんなことが頭に浮かんでは消え浮かんでは消え…
そう言えば引き出しの中に…いろいろ入っていたし。
あの大きなベットの上で快感に身悶えるキュヒョンを思い浮かべた。



今うっかり口をきくと思わずにやけてしまうので
グッと渋い顔を続けた。

大丈夫かと聞いてくるキュヒョンがかわいい。
ちょっと口を尖らせて、自分が悪いんじゃないって
拗ねてくるあたりがまたオツなもんで…

服を着るためにクローゼットに入ると
さっき次々と投げ捨てた服で散らかっていた。

俺はそれを拾い棚に置いていく。
そしてBDのシャツとラルフローレンのラガーシャツを手に取り
無言で差出し、キュヒョンに決めさせた。

キュヒョンが選んだのはラガーシャツだった。

そういえば最近はあまりラガーシャツを着ることがなくなった。
キュヒョンが見るのは初めてかもしれない。

俺は軽く襟を立て、袖をちょっと上げて整えた。
ふと視線気づくとキュヒョンがジッとこちらを見ていた。

目元を朱くし、潤んだ(俺にはそう見える)瞳で俺をみつめるキュヒョン。


クソッ!
だからそういう顔しないでくれ。

俺は腰に手を当てうな垂れながら大きくため息をついた。



side:wonkyu

「ねぇ…ヒョン。怒ってる?」
キュヒョンの問いにシウォンは視線をキュヒョンの顔に合わせた。

「ねぇ…怒ってるんでしょ?」

『怒ってない。』

「じゃぁ、拗ねてる?」

『…拗ねてない。』

キュヒョンの問いにぶっきらぼうにシウォンは答えた。

シウォンは別に怒っても拗ねてもいなかった。
ただ、いったん消えかかった炎がまた勢いを増さないように
自制しているだけだった。

「ふーん。そうかなぁ…」

首を捻るそのしぐさがまたシウォンの心を揺さぶる。
シウォンは頭を左右に振り無言でキュヒョンに近づいた。

「え…な、何?
キュヒョンは思わず二歩後ろへ下がった。

シウォンはピタッと止まり眉間に皺を寄せ、不快感を表した。
その様子を感じとったキュヒョンはまた二歩後ろへ下がった。

咳払いをしたシウォンが指をクイクイっとしてキュヒョンを呼んだ。

「え?」

もう一度クイクイっと呼ばれたのでしぶしぶ近づいた。

シウォンの手が伸び、グッと頭を引き寄せられた。

…な、なに

思わずキュヒョンは首を竦め身を引き警戒心を露わにした。

そんなことにお構いなしのシウォンはキュヒョンの前髪を
スッと上げ、おでこの傷を確認した。

『もう大丈夫だな。』

「えっ、あぁ…うん…ちょっとツレるだけで他は…」

『そうか。よかった。』

「あ、う、うん…あっ、どこ…へ…」

シウォンが横を通り過ぎようとした時、
キュヒョンの手が思わずシウォンの腕を掴んだ。

『どこって…出るだけだが…ここから』

「あっ、そ、そっか…あ、ねぇ…あのさ…」

手を離すとシウォンはそのままクローゼットから出て行ってしまった。
キュヒョンは慌てて追いかけた。

そしてギュッとシウォンのラガーシャツの裾をつかんだ。

シウォンは首だけ捻りジロッとキュヒョンを見た。
キュヒョンは慌てて手を離し、体の前で手を左右に動かし
触ってないのポーズをした。

シウォンの眉間により深い皺が寄る。

『食事に行こう。』
ベットルームのドアへとシウォンは歩き出した。

キュヒョンが慌ててついてくる気配を感じながら
シウォンは抑えても抑えきれない情を必死に制していた。

「ねぇ…ねぇってば。」

キュヒョンが呼ぶので足を止め振り返った。

『なに?』

「あのさ…」

『……』

「…できる…よね?」

キュヒョンが耳まで赤く染め、上目使いで真剣に聞いてくる。

『…ジーザス』

一言吐き捨てたシウォンはキュヒョンの手を取り、半ば引きずるようにしてベットルームから連れ出した。