【短】 とらいあんぐる⑦ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

ウォンキュ☆ひたすら妄想~

superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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「大丈夫か?」
「何が?」
「何がって…」
ウニョクはそこで言葉を止めた。

キュヒョンが病院についたのは10分前。
急いで着替えて待っていたウニョクと必要なものを点検し
VIP 室の、そうダニエルの部屋の前に立ったのは1分前だった。
SPの厳つい二人の内の一人に軽く会釈をした。

コンコン

形ばかりのノックをして中の返事を待たずにドアを開け中に入った。

「おはようございます。失礼します。」
そう頭を下げキュヒョンとウニョクは社交辞令的挨拶をした。

「やぁ、おはよう。今日も素敵な君と会えてうれしいよ。」
そう言いながらダニエルはキュヒョンの手を取りキスを落とした。
キュヒョンはそれを黙って許した。

「あの…ダニエルさん。今日のスケジュールなんですが…」
ウニョクがバインダーを確認し、顔を上げ説明しようとしたが、
ダニエルは全く気にする風もなく、キュヒョンを見つめていた。

…はいはいおじゃまでしたかね。

ウニョクは仕方なく点滴の準備の方を先に始めた。
キュヒョンは淡々と問診を続け、血圧と体温のチェックをするため、
ダニエルに体温計を渡し、血圧を聴診器で確認した。

そして採血をするため、ダニエルの検査着の袖をめくり
駆血帯を巻くウニョクに任せ、計測の終わりを知らせる
電子音が鳴った体温計を手に取った。

ダニエルの腕がチラッと目に入ったが
シウォンに負けず劣らず逞しい腕だった。

採血が終わったらすぐそのまま点滴を繋げられるように
点滴台に点滴のバッグを引っかけようとしていた。

「そういえば…君…えっと名前…」
ダニエルがウニョクに名前を聞いた。

…なにを今さら。

「あっ、はい。ウニョクです。」
ウニョクは採血のための針を刺す寸前だった。

「あぁ~ウニョク君だったね。」
「はい。」
「聞いてもいいかな。」
「なんですか?」
「君とキュヒョン君はすごく仲がいいみたいだが…」
「あぁ、こいつと俺、いとこなんですよ。」
「いとこ?」
「えぇ、直接血はつながってませんけど…」
「ほぉ。親戚関係か…」
「はい。子供のころからずっと一緒で。
あっ、さすがに今は別々に暮らしてますけど。」
「そうか…」
「あっ、痛くないですか?しびれは?」
「あぁ、大丈夫。」
「後2本ですから。」

ウニョクはそう言ってスピッツ(採血管)を差し替えた。

「ウニョ…ク君…君にひとつ聞いてもいいかなぁ。」
「えぇ、俺でわかることなら。どうぞ。」
「ありがとう。実はひとつ、昨日からとても気になってることが
あるんだが…」
「へぇ。なんですか?検査の事とかですか?」
「いや、そうではない。キュヒョン君の事なんだが…」
「え?キュヒョン?キュヒョンが何か?」
「あぁ。」

…え?俺?
背を向けていたキュヒョンは
背後の会話に耳を傾けた。

「そう。」
「俺、わかるかなぁ。」
ウニョクは歯茎を見せにこやかに笑った。

「それはね。
ここいるキュヒョン君とシウォンと同じ香りが
同じシャボンの香りがするのはなぜなんだろうか…」

「え?」
「え?」

「ウニョク君。君ならきっとわかるよね?
教えてくれないかな?なぜなんだか…」

「…」
「…」

「ねぇ、ウニョク君。君なら知ってると思うんだよ。
ぜひ、知りたいんだよ。私は…」
ダニエルは眉をひそめ、ワザと声のトーンを落として
ウニョクに耳打ちするかの如く囁いた。


ガッシャン
ガラガラガラ
ビシャ


「うわっ!キュヒョン、脅かすなよ。」
「あっ、すみません。」

あまりにもびっくりしてキュヒョンが点滴台ごとひっくり返してしまった。
その音にびっくりしたウニョクがキュヒョンを振り返った。

キュヒョンと目があったウニョクは声にならない悲鳴を上げていた。

…ムリ…ムリ…俺ムリ…
ウニョクの口がパクパクしてる。

うるさい…黙って…うるさいってば…
キュヒョンも口をパクパクさせながら小さく頭を振った。




「えっと、君…これは大丈夫なのかな?」
ダニエルの一言で我に返った。

ウニョクが最後のスッピッツを刺しかえる前に
あまりにもびっくりして思わず針を抜いてしまった。

その結果、血液が逆流してダニエルの腕を伝ってリネン類を血で染めていた。

「うわっ!すみません。」
ウニョクが頭を下げ腕を掴みすかさず圧迫した。

キュヒョンは固まったまま動かなかった…いや、動けずにいた。

「キュ、キュヒョン、何やってんだよ!止血、止血!!」
「え、えぇ?」
「ほらここ押さえて!」
「ちょ、ちょっとヒョク!!」
「あっ、ちょっと俺取ってくるから!」
「え?なに?なんだよ、何をだよ!」

そう言ってウニョクがキュヒョンにダニエルの腕を
押さえているように指示した。

「え?ちょっと待って、ヒョク。待ってよ!」

絶対聞こえてるはずのウニョクがキュヒョンの声を無視して病室を出て行った。

…うっそだろ?

キュヒョンは止血をしながらそっとダニエルの顔を見た。
ダニエルは上機嫌らしく…口元が緩んでいた。

くっそ。こいつ…なんなんだよ!!

キュヒョンはこのまま何処かへ行ってしまいたいと、心から願ったが
そんなの叶うわけもなく…


あぁ~…今日も長い一日になりそうだ…




キュヒョンはあきらめモードでウニョクが戻るのを待つしかなかった。







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いつもありがとうございます。


まだちょっと続くかと…
よろしくです
(。-_-。)