ヒチョルは別にそれ以上何も言わず、
”お前もいろいろ大変だよな・・・”と頭をポンポンと叩いて立ち上がった。
「じゃ、俺、これで・・・とにかく、本当にありがとうございました。」
キュヒョンも立ち上がりぴょこんと頭を下げながら
「傷・・・そんなにひどかったですか?」
と聞くと
「いや、大丈夫だ。まぁ、あれはなんだ・・・のろけにきたってやつだ。
そりゃー嬉しそうに手当されてやがった。ったくよー。」
「なんか・・・すみません。とりあえずいろんなこと・・・」
「そんな事、まぁいいってことよ。それよりお前ほんと気をつけろよ。」
「え?何を?」
「お前、ジョンファに何度触られても全然嫌がらなかったって聞いたぞ。」
「え?誰がそんな事?」
「そんなの決まってるだろ?お前には2人くっつてるだろ保護者が。」
「あぁ・・・えぇそうですね。」
「ジョンファの野郎がベタベタ触ってきてもお前全然平気だったって
だから本当はお前もその気だったのかも・・・って。だから聞いたろ?
俺、邪魔したかって。」
「俺、なんかよくわかんないんですけど・・・
触られて平気だからその気があるって・・・
何ですか?それ。」
「さぁな、とにかくあいつらがそう思ったんだから・・・」
「・・・・・・なのに」
「え?」
「全然何とも思ってないからなのに・・・」
「どういうことだ?」
「だから、何とも思ってないから平気でいられるんじゃないですか。
あれが、シウォン先生だったら・・・平気でなんていられなくなる。
ばっかじゃない。あの人。ったく。」
「そうか。だよな。たしかにそうだ。
お前それ、ちゃんとヤツに言ってやれよ。」
「どうしようかな・・・俺、信用ないみたいだし・・・」
「ばーか。信用ないなんてことあるわけないだろ?」
「ですかね・・・」
そう言いながらキュヒョンは部屋を後にした。
シフトに入るまでにはまだ時間があった。
(時間、どこでつぶそう・・・)
そんなことを考えていたらシウォンからLINEが飛んできた。
”医局で待ってる”
そう言われればすぐ飛んでくとでも思ってるんだろうか。
キュヒョンはこのLINEを無視した・・・
☆
(はぁ・・・なんで俺・・・)
シウォンからの連絡を無視したキュヒョンだったが、
結局こうしてシウォンの医局まで来てしまい
入口のドアの前でため息をついたのだった。
キュヒョンが”よし!”とばかりに手をあげてノックしようとすると
入口の扉がいきなりあいて”やっぱり・・・”とシウォンが顔のぞかせ
いきなり腕を引っ張られ医局の中へ連れ込まれた。
「せ、先生!」
そのままシウォンの胸に飛び込む形となりギュッと抱きしめられた。
びっくりしたキュヒョンは押し返そうとしたが、半身を返すのが精いっぱいで
背後からシウォンに抱きつかれる状態となった。

『キュヒョン・・・』
「ちょ、ちょっと先生なんですか。」
『背中・・・痛い・・・ふふふ』
「な、何喜んでるんですか!ば、ばっかじゃない・・・」
『だって、キュヒョンすごく感じてくれてたから。』
「ば、ばかじゃない。そんなんじゃないですから。」
『キュヒョン・・・』
「先生、離してくださいよ。ちょ、ちょっと、服の中に手を入れないでください!」
『キュヒョン・・・敬語になってるよ・・・相変わらず照れると敬語になるんだな。』
「そ、そんなんじゃ・・・ちょ、ちょっと離して・・・」
『やだ。』
「え?やだって・・・なにそれ。」
『もっとキュヒョンを感じていたい。』
「先生、どうしたんですか?仕事は?」
『キュヒョン・・・かわいい・・・このままどこかへ連れて行ってしまいたい。』
「パ、パボ!!いきなり何を言ってんですか。俺の話しムシですか?」
『キュヒョナ・・・こっち向いて・・・なぁ、俺の事好きか?』
「先生、どうしたんで・・・」
『シウォナ・・・シウォナって呼ぶはずだろ?』
「もー、ちょっと一回離れてくださいよ!」
キュヒョンはシウォンの手の力が緩まったのを見計らって腕の中から抜け出した。」

「先生、ちょっと待って!落ち着いてくださいよ。」
『お前・・・怒ってるのか?なんで?』
「ねぇ、俺の話聞いてます?」
『そんなに・・・あいつが、あいつの事がいいのか?』
「あいつがいい?意味わかんないんですけど。あいつってダレですか?」
『ジョンファ。』
「・・・本気で言ってます?」
『キュヒョナ・・・どうして・・・』
「親切にしてくれたからですよ。お世話になったし。でも、だからって・・・」
シウォンは一瞬たじろいたが、いきなりキュヒョンを抱き上げた。
「ちょ、ちょっと先生、何をする・・・やめてくださいよ!」
キュヒョンはあっと言う間に簡易ベットの上に組み敷かれてしまった。
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長くなってしまうので
とりあえずアプ(ーー;)