痴話げんか2-⑲ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

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superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


twitter→@won_kyu7



 


“悪ぃ!もうちょっと時間かかる。向かいの店でコーヒーでも飲んでてくれ”

“大丈夫です。忙しいのにすみません。店で待ってます”

“あぁ。また連絡する”

“はい”


ヒチョルからの連絡に返事をしたところで
キュヒョンは目的の店の向かい側にあるコーヒーショップへ入った。


今朝、目覚めたらシウォンはいなかった。
結局シウォンの書斎のソファーでそのまま眠ってしまって
ウニョクの電話で目が覚めて慌てて出勤した。


オンコールで出かけて行ったシウォンとは、
今日は病院でもすれ違ってばかりで、
ちょっと見かけただけで直接話もできなかった。


はぁ・・・
なんだか一杯引っかけたい気分だよな。


ドンヘ先生の事とか、全くって言ったらうそになるけど、
ほとんど気にしてはいなかった。
ただ、どうやってそれを伝えたらいいのかが分からなくて
戸惑ってるだけだった。

と言うより、ドンヘ先生が俺に対して
本当に何もないのかが気になってしまって
感情が揺さぶられどうにもこうにもいたたまれなくて
どうしていいかわからない。


はぁ・・・
どうせこれから会うんだから
ヒチョル先生は何とも思ってないのか、聞いちゃおうかな。


はぁ・・・
キュヒョンはもう何度目かわからないため息をついた。


『お前、そんなため息ばっかりついてると幸せが逃げちまうぞっ!』


びっくりして顔を上げるとヒチョルが立っていた。


「あっ、先生!今日はすみません。忙しいのに・・・」

『いいって事よ。遅くなって悪かったな。時間大丈夫か?』

「えぇ、俺は・・・でも、あの・・・店が・・・」

『あぁ、閉まってるけど大丈夫。話通してあるから今からでも会ってもらえる』

「ありがとうございます。さすが先生!」

『おぉ。任せとけって。さぁ行こう。』


キュヒョンはまだ決心が付きかねていたが、
ヒチョルに促されてコーヒーショップを後にした。

 


 


その店に着くと、挨拶もそこそこに早速打ち合わせに入った。

『で?イメージとかそう言うのなんかもう、あるのか?』

「えぇ、大体の・・・」

『そっか。それを伝えれば大丈夫だ。
そのイメージでこいつがデザイン、ビシって決めてくれるから。』

「ご期待に沿えるよう頑張るよ。」

ハンギョンさんはそう言って優しく微笑んでくれた。


ヒチョルとドンヘのペアンリングがあんまり素敵だったから
一度どこで買ったのかと聞いたことがあった。
その時オーダーメイドだと言っていたのを思い出して
そのリングを作った人を紹介してほしいと頼んだのだった。

ヒチョル先生の家はファッション関係で名を馳せる家柄で
装飾品全般も扱いその関係でハンギョンさんとは昔から付き合いがあるんだとか。

紹介してくれた上に、一緒に付き合ってくれてる。
ヒチョル先生には本当にかわいがってもらってると自負はしていた。


俺は今、シウォンとのペアリングを密かに作ってもらおうと
ここにヒチョル先生と来ていた。

 

『あいつとお前、なんだかんだ言ってでけーからな。
ふたりともきれいな手をしてるけどやっぱそこは節々はしっかりしてるし・・・』

確かにそうなんだ。
俺もかなり大きな手をしてるけど、シウォンはもっと指も長いし掌も大きい。

『でもあんまごっついのはな・・・しっかり主張しながら繊細な感じで・・・』

「おい、お前が決めてどうするんだよ。キュヒョン君のイメージ聞かないと。」

『え・・・?あっそっか。すまん。』

「いえ、俺こういうのよくわからないんで助かります。
ヒチョル先生、俺たちの事、よくわかってくれてるし、信頼してますから・・・」

『お前はほんっとに・・・参ったな・・・』

”俺にはさらっとそう言うこと言ってのけるのに・・・なんであいつには・・・”

って、俺の頭をガシガシと撫でながら何かごにょごにょ言われたけど
よく聞き取れなかった。


俺とヒチョル先生のやり取りをちょっと不思議そうに見ていた目の前の彼が大声で笑った。

『なんだよ。びっくりするじゃねぇーか。』

「ごめんごめん。お前たちってなんかこう・・・」

『なんだよ。なんだってんだよ。』

「ファンタジーな感じ?」

『はぁ?なんだよそれ。わけわかんないこといっんじゃねぇよ!
お前はいっつもそうやって・・・』

ヒチョル先生がちょっとまごまごしながら頬をちょっと赤らめ
答えてるのをみてちょっと驚いた。

先生がこんな感じに接する人ってそうそういないから。

俺は二人の顔を交互に見ながら苦笑いをした。

 


「じゃぁ、ひとつだけ教えて。キュヒョン君とその人との共通したイメージは?」

「え?あぁ、イメージ。えっとその・・・天使なんです。
天使をモチーフにしてもらえれば・・・」

「天使?あの天使?」

「えぇ、その・・・天使。天使の羽とか、そう言ったものを入れてもらえれば・・・」

『あぁ。そっか。お前、あいつ、お前の事”俺の天使”って言ってるしな。
そっか。それいいなぁ。天使の羽のモチーフ。うんいい!』

「えぇ・・希望はそれだけで・・・あとはお任せします。」

「あぁ、任せて。」

「よろしくお願いします。」

そういった時にはもう目の前に広げられているスケッチブックに
鉛筆を走らせ、イメージを描き始めていた。


『で、納期は?』

「ん?そうだな・・・デザインがビシッと決まれば作成はそんなに時間かからず・・・」

『あと金額だな。お前、予算は?大体の予算決めておかなくちゃ。』

「あっ、えっと・・・俺、相場がわかりません。」

『デザイン決めて・・・素材決めて・・・』

「まぁ、こいつの紹介だし、ちょうど納品終わったとこだし、
次の仕事まで1か月開いてるからこれに集中できるから・・・
2週間で仕上げてやる。」

『え?マジで?本当にいいのか?』

「あぁ。次の始まっちゃうとしばらく無理だし。今だから何とか。
お前の顔、潰すわけいかないしな。」

『わりぃーな。でもほんっとよろしく頼むよ。』

「あぁ。俺は約束を守る男だ。2週間で上げてやる。」

「あ、あの本当によろしくお願いします。」

なんだかよくわからないけど、本当は多忙極まりない売れっ子デザイナーらしく、
ハンギョンさんに頼む事だけでも大変なことらしい。
ヒチョル先生にはいつも助けられる。

 

「おい、キュヒョナ。何感動しちゃってんだよ。
そんな見んじゃねぇよ。俺の顔に穴が開く。」

無意識に横顔を見つめていたらしく、ヒチョル先生に小突かれた。

 

「で、キュヒョン君。相手の方の画像か何か持ってる?イメージ掴むために・・・」

あぁ、それなら・・・とiphoneの中に入ってる画像を見せようとして差し出したところで
あっ。と一瞬躊躇した。

俺、相手が男だって言ったっけ?

変な汗が背中を伝った。

「あの・・実は相手は・・・」

『大丈夫。こいつはそんなの気にしない。見せてやれよ。』

ヒチョル先生にそう言われておずおずと差し出した。


そこには満面の笑みでこちらを見つめるシウォンの姿が映し出されていた。


「おい、ちょっ・・・これって・・・え?まさか・・・」

その画像を見るや否や、なぜかびっくりしてヒチョル先生を見た。


『そう、そのまさか。世間に名高いチェ・シウォン。
因みにこいつはチョナングループの御曹司。チョ・キュヒョン君』

「これはこれはまた・・・何ともその・・・ビックカップルで・・・」

『だからお前にしか頼めない。そこの所・・・』

「あぁ、わかってるって。俺を誰だと思ってるんだ?
にしても・・・いや、さすがの俺もこれは・・・」


そんな会話が目の前で飛び交ってもキュヒョンには
なんだかピンと来なかった。
俺とシウォン先生って・・・何?
ビックカップルって・・・芸能人じゃあるまいし。

キュヒョンにはどうでもいい事だった。


『こいつ、わかってないだろ?一般人の考える事なんて全く思いもしない。
なーんの欲もないし、誰をうらやましがったりしないし・・・
ほんっとに生粋のお坊ちゃまだから。』


「先生、それ、俺が無知なボンボンって言ってるんですか?
バカにしてる?」


『いやいや、本当にリスペクトしてんだぜ。
そうそういない人種だ。
お前とウニョクはほんっとにいいやつらだ。
でなきゃ、俺が側に置かない。』


「なんか、違うきがするなぁ~・・・」

キュヒョンが口を尖らすとヒチョルはその口をチュッと啄ばんだ。

「せんせっ!なにするっ・・・ばっかじゃね?
そうやって俺をガキ扱いするんだから!」

口元を手の甲でぬぐいながらヒチョルの脛に蹴りを入れた。

 

「おいおいお前らなんなんだよ。」

そのやり取りを見ていたハンギョンさんは呆れ返った声で
俺たちに声をかけた。


「え?何が・・・?」
『こいつ俺の愛人』

首に手を回され引き寄せられるとバランスを崩しながら
ヒチョルの胸に抱き寄せられた。


「はぁー???」


キュヒョンはヒチョルのふざけた言動に目をまん丸くして
違います。違うってば。違うからー!!!と叫ぶしかなかった。