シウォンの視線に入らないように入らないようにしていたつもりの
ウニョクはとうとうシウォンにつかまった。
「どういうことなんだ?」
「え・・・?何のことですか?先生」
「あいつとあの男・・・あいつ、いったい何を隠してるんだ?」
「か、隠してるって・・・な、何言ってるんですか?やだなぁ~」
ウニョクはそこから一刻も早く立ち去ろうと足早に歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待てウニョク。」シウォンはウニョクを羽交い絞めにした。
「せ、先生、ちょっと・・・ギブギブ・・・」
シウォンが手を緩めたので大きく息を吸った。
「本人に聞いてくれればいいのに・・・俺からは何も言えない んですよ。」
「何でだ?そんなに大事なことなのか?あいつ、今日どこに行くんだよ。」
「先生…ほんと、勘弁してよぉ~・・・」
「ウ~ニョ~クゥ~・・・」
「先生それパワハラ~・・・あぁ、もう・・・○○ホテル19時」
「〇〇ホテルだな・・・ホテ、ホテル???」
「あぁ、もうダメだ。俺キュヒョナに殺される・・・もう何にもしゃべりません。
絶対しゃべらないから!!」
ウニョクはその場から逃げようとしたが、シウォンにがっちりつかまってしまった。
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「ねぇ、先生、本当に行くんですか?」
シウォンは答えずホテルのロビーを大股で突っ切っていく。
「先生、まずキュヒョンに連絡して見ましょうよ!」
ウニョクが必死で呼びかけるがシウォンの勢いは止まらない。
「先生!先生!キュヒョンに怒られちゃうって。ねぇ、先生!」
目的の部屋の前でシウォンの足が止まった。
シウォンが部屋をノックすると、例の男が出てきた。
「早かったな・・・」と言いながらドアを開けるとそこには見知らぬ男が立っていた。
「あの、部屋をお間違えのようですが・・・」
シウォンはそれに答えずその男を押しのけ中に入ろうとした。
「キュヒョン!キュヒョン!」
その男はそう呼びながら部屋に押し入ろうとしていた。
チョウミはなぜこの男がいとこの名前を呼びながら部屋へ押し入ろうとしているかがわからなかった。
「あなたは一体だれなんですか?この部屋へ入る事はなりません。」
と言いながら両手をあげ制した。
部屋に戻ったキュヒョンは目の前の出来事が信じられなかった。
部屋の中ほどでいとこのチョウミと
自分の恋人(明日からはどうかわからないけど)である
シウォンが仁王立ちで睨み合っている。
その間にウニョクが割入ってるが
その頭の上で睨み合っている。
「えっ?先生なんで!?」
その声に弾けたように2人がキュヒョンを見た。
「這個男人誰!」(この男は誰なんだ!)
2人同時に中国語でキュヒョンに投げかけた。
「2人で一体何をしてるんですか?ウニョク、これ、どういうこと?」
その問いには答えずキュヒョンはそう冷たく言い放ったら。
「どういう事って、俺が聞きたいよ!お前のせいだろこれ!」
が、そんな事はお構いなしで2人も負けじとキュヒョンに詰め寄った。
「だから一体こいつはお前のなんなんだよ!」
「だからなんでそこなんですか。そんな事聞いてどうするんですか?!」
「そんな事って、お前、なんでお前はそう天然なんだよ!」
そう言いながらシウォンがキュヒョンの肩をつかんだ。
「君、やめたまえ。」
するとチョウミがその腕を取り制した。
「キュヒョナ、この乱暴な男、キュヒョナの知り合いなのか?」
チョウミはキュヒョンに聞いた。
「まぁ、まぁ、2人とも落ち着いて・・・」
ウニョクが止めにはいったが、2人はますますキュヒョンに迫った。
キュヒョンが何かを言おうとした瞬間、
「チョウミさんはキュヒョンのいとこ。シウォン先生はキュヒョンの恋人。ねっ、そうだよね!」
そう答えたのはソンミンだった。

ウニョクは天を仰いだ。
ソンミンのキュヒョンに変わってのカミングアウトにその場は収まったが、
キュヒョンの怒りはMAXに達していた。
チョウミ、ウニョク、ソンミンはシウォンとキュヒョンの痴話喧嘩
(キュヒョンは強く否定するだろうが)に永遠付き合わされる事になった。
ベットルームのドアが開き、2人が怒鳴りあいながら出てきた。
「まったくシウォンさんはなんでそうなんですか。」
『俺はお前が心配だからだってさっきから言ってるだろう!』
「ちがいますね。あなたは俺を信じてないって事ですよね。俺を疑ってるって事ですよね。」
『だから違うって言ってるだろ!
それにその話し方やめてくれって。なんなんだよ、他人みたいじゃないか!』
「えぇ。もちろん他人ですよ。今日、今、この限りで!」
そう言ってキュヒョンはパンチをくらわし、シウォンは前屈みに崩れ落ちた。
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「うわぁ~、キュヒョンって怖いんだね~」
2人のやり取りを見ていたソンミンが思わずそう言った。
「あぁ~、ちょー怖いんだぞ。まぁ、でもあれ、いつもの事だから。ほっといて大丈夫だから。」
とウニョクは携帯で写メをとりながら言った。
「先生って実はドMだんだよな~。」と言って笑った。
チ「ねぇ、あの2人って・・・いつから?」
ウ「ん~・・・シウォン先生が戻ってきて、これまたバタバタして、なんだかんだいってつい最近?
キュヒョナなんて、自分の気持ちわかんなくて、そりゃ大変だったんだから。」
ソ「僕なんて、リハやってあげてただけでやきもちやかれてたいへんだったんだよ。」
ウ「チョウミさんとしては複雑ですよね。でも、シウォン先生、ほんとーにいい人ですから。」
チ「まぁ、あのキュヒョナが思う人なら間違えないんだろうけど・・・」
ソ「うん、それは本当に大丈夫。先生なら大丈夫!」
そう言ってソンミンはチョウミに微笑みかけた。
ウ「っつかさぁ。ソンミニさぁ、なんでお前ここに・・・」
チ「ソンミナにはキュヒョナの紹介で以前からなんどか整体をお願いしてて、
今日もわざわざ来てもらったんだけど・・・ん、なに?」
ウ「ふ~ん・・・」
ソ「ウニョク、なんだよその笑い方。そうだよ。ボク、チョウミさんのこと・・・」
言い終わらないうちにチョウミはソンミンをそっと抱き寄せた。
ウ「やっぱりねぇ~・・・キュヒョンも知ってるの?」
ソ「うん。キュヒョンにいつもお願いしてたんだ。チョウミさんに会いたいって。
チョウミさん、中国だし、忙しいし・・・。」
ウ「あいつ、バカが付くくらい律儀だからなぁ~・・・」
「俺がいつそんなこと・・・話しかけられたから返事しただけでしょ?
どうしてそれがいけないんですか?じゃぁ、どうすればよかったんですか?」
キュヒョンはシウォンの胸を突き飛ばした。
「あんな奴、ムシしろよ。べたべた触られてるのにニコニコ笑って愛想振りまいて・・・
あぁ、どうしてお前はそうなんだ!!」
シウォンは大げさに手を広げて点を仰いだ。
「俺は悪くない!何でおれがそんなに怒られなきゃなんないんだよ。
先生だっていつもいつも・・・もーいい!!」
キュヒョンはドアの方へ向かおうとした。
「待てよキュヒョナ!あぁ~も~!」
そう言ってシウォンはキュヒョンを担ぎ上げた。
「やめろよ!下ろせよ!みんな見てるだろ!」
とキュヒョナが抵抗したもののシウォンはそれをムシし
「失礼。向こう借りるよ。」
と成り行きを見守っていた3人にとウィンクをしながらベットルームへ消えて行った。