久しぶりにいつもの店にウニョクと来た。
ここ数日のもやもやと程よい疲れを忘れようとお酒が進む。
ウ「そんなに飲んで大丈夫か?」
キ「大丈夫大丈夫・・・」
ウニョクは「はいはい。」と言いつつお代わりを頼んでくれた。
「あぁ、先生いらっしゃい!」と店主が声を上げた。
入口に目をやるとスタイリッシュなコートに身をまとったシウォンが入ってきた。
くそ。
なんだよ。
どう見たってかっこいいじゃないか。
キュヒョンは泣きたくなった。
ウ「せんせ・・・あっ・・・」声を掛けようとしたウニョクが小さく声を上げた。
シウォンの後から女の人が入ってきた。
ふたりはキュヒョンとリョウクの横を通り、奥のBOXへと進んだ。
まったく隙のないエスコート。
「はいはい、全く無視ですか・・・」
キュヒョンは「ふん!」と鼻で笑った。
ウ「スゲーきれいな人だな。恋人かな。
今日病棟に来てたよな。よっぽどの関係だな。」
ウニョクを殴ってやりたかった。
席に着いた二人はメニューを一緒に見始めた。
シウォンが一言二言話すと女の人は満面の笑みでシウォンに笑いかけ、
身を乗り出しシウォンの耳元で何か囁いた。
シウォンは最高の笑顔で笑い返し、おでこにキスをした。
「うぉー!見たか今の!キスだぞキス!」
ウニョクが声を上げる。
また殴ってやりたかった。
気晴らしにきたつもりが、結局はなぜだか落ちこむ羽目に・・・
こちらの視線に気づいたのかシウォンが不意にこちらを向き目があった。
そして軽く会釈をした。
ウニョクはあわてて立ち上がり挨拶をした。
連れの女の人が優雅に会釈してくれた。
照れるウニョクを蹴り倒してやりたくなった。
なんだよ。なんだよあれ。思いっきり他人モードだな・・・
って俺なに言ってんだろ。
そもそも他人だろ。
慌てて飲み物を口にし思いっきりむむせた。
「おい大丈夫か?慌てて飲むなよ~」と笑いながらウニョクがおしぼりをくれた。
その冷たさで目が覚める。
全く何やってるんだ俺は。
気づかれないようにそっとシウォンを横目で見たら、
ちょうどふたり、グラスをチ~ンと合わせ乾杯をしていた。
そしてグラスを上げこちらにも挨拶をした。
ほんっとに何やってもキザな人だ。
けど、それが自然に見えるって・・・
全く・・・なんだかとても腹が立つ。
その日のゲームも大敗だった。