29日 日曜日

「顔 晴 ろ う ! 東北!」

現地の子供が教えてくれました。

顔が晴れるように・・そう言い聞かせるためにあえてこの字をつかうそうです。二日間、快く泊めてくれた赤間夫妻。本当にありがとう。。
今度は家族で富山にもきてね。。また会いにくるね。。

最終日。
今日もどれだけ回れるだろうか?・・・行けるだけ行こう!と相方と一路名取へ・・・

東部有料道路を走ると、高速道路を堺に左右で全く景色が違う。
名取ICをおりて、名取市役所へ。

市役所の横にある名取市文化会館へ。
快く受け入れてくださったのだが、今日は仮設住宅の説明会と、引越しの方がいらっしゃって少し人の出入りが激しいので、ゆっくりと時間が取れないかもしれない・・とのこと。

本部の職員さんたちに、メッセージを見ていただきお礼を告げて後にする。
何箇所かの避難所をまわると、どうやら避難所から仮設住宅への引越しがはじまったようで、どこの避難所もトラックとともにボランティアがやってきている。聞くと、名取地区は仮設への引越しが昨日、今日で行われている・・と。

状況が少しわかったので、被災の現実を記憶にとどめるために、閖上地区の被災地へ車を走らせてみた・・・
目を覆いたくなるような景色。
神社があったのであろう高台に、たくさんの花束が供えられている場所で、ぐるりと周りを見渡してみる・・・
跡形もなく、何もかも無くなっている景色は涙が溢れてきて、雨が降っていることを忘れてしまった。
辛くて、痛くて、いたたまれなくて、その場を後にした。

帰りの時間や、ルートもあるから福島方面へ移動しながら「浜街道」を南へ

新地町にも何箇所か避難所がるので、聞いてみる。
こちらも仮設住宅への引越しと説明会が行われている・・とのこと。。

2つめ、小学校の避難所へ。

仮設への引越しがほぼ終わり、最終組の方々がまだ70名ほどいらっしゃるとのこと。
体育館のなかで歌わせていただき、お話を聞かせていただく。
震災直後はこの体育館の中に500人くらいの方が避難していらっしゃったと・・・足の踏み場もないような状態の中だったそう・・・

お話を一人一人とさせていただいているところへ、おばあちゃんを訪ねて、お孫さんたちが・・・
避難所のお年寄りにとって、お孫さんの笑顔に勝る元気の素はないんだなぁ・・と、こっちまで元気がでる。

「富山から、東北のみんなに元気を出して欲しいと思って、歌とメッセージをもってきたの。そして、東北のみんなの気持ちをもって帰りたいの・・」
と、説明すると、メッセージを書いてくれました。。

歌を聞いてくださったおばあちゃん達も書いてくださいましたが。
子供の言葉に、胸が苦しくなる思いでいっぱいです。

「微力だけど、無力じゃない」

今回の旅で感じたことです。
そして、現地の方が本当に元気に頑張っていらっしゃる・・・ただ、その元気や頑張りは、少しの悪意や、何気ない言葉や行為で簡単に壊れてしまう。
遠くにいても、僕たちはそのことを忘れてはいけない。

仮設住宅への引越しが進むと、より細かいケアが求められるようになるし
生活の基盤の復旧がさらに求められるようになってくる。
今回訪れた地域より、さらに北の地域、小さいコミュニティーのなかで、復興が加速しない地域・・・
いろいろな問題はこの先も山積みになっている。

それでも、音楽の力は偉大です。

ぜひ、この先も音楽とメッセージを届けるために東北を伺いたいと思います。今度はもう少し人数を増やして。
避難所の統合も進むし、たくさんの人に届けられるのも夏くらいまでだと思います。
早急に現地の避難所と予定を立てて、訪問ツアーを組みたいと思います。

参加したい、一緒に行ってもいいぞ!と言って下さるかたがあれば、力を貸してください。


28日の朝から、仙台在住の友人の案内で松島、石巻へと歌を届けにいってきました。


仙台市から45号線を一路塩釜へ・・・

途中の道路が、ある場所を堺に突然景色を変える・・
1階部分が丸ごと破壊された建物が増えてくる・・・
ニュースや写真で見ていた映像だが、何がおこったのか???と目を疑う景色が広がる。
日本三景の松島を通る・・・
観光遊覧船の復活がニュースになっていた港には、観光客のすがたも見られる、笑顔で遊覧船に向かう人たちを見ると、すこしほっとする。

東松島の海水浴場の近く・・・松林をなぎ倒し、基礎だけの残るガレキの山・・自衛隊と警察による搜索のようすを横目に見ながら石巻市へ。
45号線から見える景色は、本当に何がどうなったのかわからない景色だ・・
ガレキの撤去や、泥の掻き出しをしているボランティアのグループにも出会う。

港周辺の景色が広がる。何も無い・・あるのは破壊の限りの景色。
天候も悪いせいか、人の姿もまばらだ、高台にある学校が避難所になっている。石巻最大の避難所、石巻高校へ・・・

自衛隊、医療スタッフ、お風呂の炊き出し、受付の前では賑やかな笑顔
あまりのいろいろなものの充実している様に気が引けてしまった・・・

隣の市立女子校の避難所へ・・
こちらは現在40名くらいの方がいらしゃるとのこと。
「メッセージと、歌を届けにきました、そしてこちらの方々のお言葉をいただいて、それを持ち帰って伝える・・そんな活動を続けたいと思っています。」
・・・と
「ありがとうございます。いいですよ!!」
と受け入れてくださった。

ちょうど、マッサージのボランティアの方も来ていらっしゃる、2部屋に別れていらっしゃるお部屋のひとつにおじゃまして、主旨を伝えると喜んでくださった。

歌わせていただき、お話を伺う。
「黒い海が溢れてきた」「全部なくなってしまった」そんなお話の中でも、笑顔や、笑いが溢れて、最初のしばらくは、ご飯も食べれなかったけど、寒さと、何より水が欲しかった・・・と。

次の中学校、小学校はちょうど伺ったタイミングで、チェロの演奏や仮設住宅の説明会などで、できなかったが、避難所本部の方たちは、どこの方たちも優しく受け入れて下さる。ありがたいことだ。。

高台を降りて、海沿いの地区渡波(わたのは)へ。
こちらの小学校はも移動図書館、救急車とセットで来ている医療ボラ、花の苗木の配布、炊き出し、物資も倉庫にあふれている。
本部でお話をするが、今日は予定を組めない・・とのこと。

道を隔てた保育所の避難所へ・・・
五右衛門風呂を作って、炊き出しをしてらっしゃる。
入口でお話をさせていただくと、2つ返事で案内していただいた。

こちらも、30人ほどの方が避難していらっしゃるとのこと、うたわせて頂いたあと、メッセージを見ていただき、お話させていただくと。
もう少しギターを弾いて欲しいと・・そして、ギターに合わせて踊り始める御婦人。ラテンの社交ダンスを教えていらっしゃる先生だと・・
僕も一緒に踊らされ・・ご指導いただきました。
「汗をかくほど踊って、笑って、本当に嬉しかったわ、ありがとう!!」

そういって頂けるだけで、僕たちも頑張ってきたかいがあります。

昨日は、小学生、中学生時代を過ごした町で
【今を生きる】
と名打った、講演会に参加させて頂きました。

今回の震災後、真っ先に現地入りされた消防の方のお話を聴かせていただき
現地の友人からのメールだけでは解らなかった事や
自分達が普段から気をつける事
いろいろ思い出させてくださりました。

そんな中で、シンポジウムの場で私自身の考えや想いを話せた事は非常に貴重な時間となりました。

私は歌を歌ってます。
今回、歌の持つチカラについて…と言われたのですが、
歌に限らず、人の行いにはチカラがあるのです。

歌うなら、メロディや歌詞の言葉以上に
【伝えたい想い】や【感じた心】が大事だと。

全ての行いに、少しの優しさを加えるだけで
受け取る誰かの幸せになる。

昨日は、そういう内容で話し、そして歌わせて頂きました。

皆さんの出来る、優しさを、胸に思って下さい。
それは誰かの幸せになるかもしれない。