詰め物の下で虫歯が進行しているとのことで、金属を被せなおした患者さんが来院されました。
それまでしみなかった歯がしみるようになり、3ヶ月たった今も症状に変化はないとのことでお見えになりました。
悪いところをとるため神経の近くまで削り、その刺激で歯は炎症を起こし、金属を被せるために削ったことで噛み合わせが変わり、負担のかかる方向からの歯の強いあたりが生じるようになったためにしみるようになったものと思います。
噛み合わせは全身にも影響するという考え方も大分広まってきているので、患者さんも知識としてなんとなく知っている方も多いと思います。
文字通り、調整で撫でる程度にほんの僅か削るだけでも全体の歯の当たり方が変わります。
被せるために削る、そのことだけで噛み合わせは大きく変化します。
金属がよくない、アマルガムが身体によくないとそれらを外しただけで、かみあわせは大きく変わるのもご存じですか?
繰り返しになりますが、わずかに削るだけでも、変わるという事です。
歯の当たりは50kg60kg100kgあるので、削ればその無理が他に移動し、歯の当たり方や体のバランスも変わります。
神経を殺してしまえば痛みは治まり患者さんはすぐに楽になりますが、神経をとってしまうと歯は脆く折れやすくなります。脆く折れやすくなるために金属を被せると、削っただけで噛み合わせが変わりますし、自然の歯と固さが異なるために相対する歯が駄目になる人もいます。
病人を休ませるのと同じで、歯を助けたいときは薬で痛みをごまかしても根本的な原因の除去にはなりません。
一番大切なことは歯も同じ、出来るだけ生かすためには休ませてあげることです。
問題の歯の近くの皮膚、首もとだけに肌荒れがあったのだけれど、削っても削っても当たりが生じてしまうような状況で、血流が悪くなっており、肌荒れも起こしたのかもしれません。
最近、いらいらすることが多いとおっしゃっていたのですが、100ミクロンの歯の当たりでもアドレナリンの増加、不整脈、無呼吸等さまざまなことが起こると言われていますので、いらいらも噛み合わせに関係していたのかもしれません。
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