取引先での商談が終わり、ランチタイムを迎えようとしていた。

今日は祝杯を兼ねて、1人でランチビールをたしなみたい気分になっていた。

そんな気分になる今日の商談内容だった。

営業職なんて自分がなるものだとは全く思ってもみなかった、

すべてを変えてくれたのは、ハナとの出会いだった。

『あなたは、話を聞く天才ね』

『なんでも安心して話せる』



そういえば、ランチでビールを飲むなんて、これで二度目だ。

初めてハナと二人で食事をした時、

緊張を隠すため、

あたかも、いつもの習慣のようにビールを頼んだ。

その時とはオレ自身もだいぶ変わったようだ。

一杯飲むと、もう一杯飲みたくなった。

アルコール臭を少しでもかき消す為に、ひと駅前で下車して歩いて帰社した。

オフィスに着く頃には、程よい汗が流れてきた。


ハナ愛用の香水を吹きかけたハンカチで汗をぬぐう。


仕事の合間にハナを感じる。


午後の仕事も頑張れそうだ。



登場させたら追記、話の展開に合わせて加筆?


H23.5.25 現在




【俺】 20代の会社員、本編の主人公


【ハナ】 主人公の「俺」が大事に想う人?

今日は仕事が終わったら香水を買いに行く。



Prejudice ~プレジデス~



ハナがずっと愛用しているやつだ。



輸入代理店が取り扱いをやめて、ハナが行きつけのショップの棚からPrejudiceが消えた。


俺は代理店に電話した。


ビジネスの終了した商品の問い合わせに、電話の向こうは鬱陶しがっているのが伝わってきた。


「在庫があるかは直接お確かめください」



代理店がPrejudiceを販売したショップのリストをFAXしてくれた。


会社からの帰路を順に問い合わせると、3本在庫があるという都内のショップがあり行ってみることにした。


ハナはまだ次に使う香水を決めていない。


だから、しばらく使えるように3本全部買うことにしている。


最近は仕事も好調だ。


口下手な俺が営業職なんかが勤まるかと思っていたが、今ではマネージャーをサポートする立場になってきている。


得意先との関係も良好だ。


すべてはハナのおかげだ。



仕事が終わって目的の駅で降りる。


初めて降りる駅だがとてもハナがよろこびそうな街並みだ。


もう少し街並みを堪能したいが、今日はハナとの特別な記念日なので目的を済ますと足早に帰路へと向かう。


1秒でもハナを待たせたくなかった。


「ただいま」



今日は3本のPrejudiceを入手した。


家にある残りわずかなPrejudiceを部屋いっぱいに噴き散らした。


部屋がハナで満たされていく。



今日はそうしたかった。


今日はハナとの特別な記念日だから、いつもよりハナを感じなきゃいけない。


Prejudiceの高貴で優しい香りがハナの透き通るような白い肢体を思い起こさせる。


BGM for HANA