今日は祝杯を兼ねて、1人でランチビールをたしなみたい気分になっていた。
そんな気分になる今日の商談内容だった。
営業職なんて自分がなるものだとは全く思ってもみなかった、
すべてを変えてくれたのは、ハナとの出会いだった。
『あなたは、話を聞く天才ね』
『なんでも安心して話せる』
そういえば、ランチでビールを飲むなんて、これで二度目だ。
初めてハナと二人で食事をした時、
緊張を隠すため、
あたかも、いつもの習慣のようにビールを頼んだ。
その時とはオレ自身もだいぶ変わったようだ。
一杯飲むと、もう一杯飲みたくなった。
アルコール臭を少しでもかき消す為に、ひと駅前で下車して歩いて帰社した。
オフィスに着く頃には、程よい汗が流れてきた。
ハナ愛用の香水を吹きかけたハンカチで汗をぬぐう。
仕事の合間にハナを感じる。
午後の仕事も頑張れそうだ。