この曲は、僕の実際の経験に基づいて書いたものですが、ざっくり言うと中立的な立場をとらざるをえなくなってどちらにもいい顔をしなきゃいけない自分の現状を嘆いた歌です。
僕が中学3年の頃、友人関係が二分するという出来事がありました。
僕がその原因を作った訳ではなかったのですが、今考えれば些細なきっかけだったかもしれません。
きっかけを作ったのは、友人二人が対立したのが原因でしたが、僕はその二人ともとても仲が良かったので、どちらとも仲良く今まで通りに接することを心がけていました。
でも状況はどんどん悪化していくばかりで、当事者でない友人たちも悪口を影で言い合うようになりました。
僕もたまに流されて酷いことを口走ったりしていたかもしれません。
その度に心が痛くて、ただ仲良くしたいだけなのに何故争うのか、そして自分は何故言いたい事も言えずにくすぶっているのか、訳も分からず一人で考え込んでいました。
そもそも僕は家庭にも居場所があるとはあまり感じておらず、家庭でも中立的な立場をとらざるを得ない、そんな状況の中にいました。
誰と一緒にいても、もう片方の側にいる誰かを思うたびに、結局僕は孤独でした。
何故僕は一人なのか、といちいち考えていました。
「つらくて、つらくて、死にたい」
そう思う事もしばしばありました。
そんな状況とその時の思いが、この歌には埋め込まれています。
結果としては友人関係は改善して、今ではみんな仲が良いので、あの時耐えていてよかったと思いますが、あの時のつらさを今でも忘れることはないと思っています。
もう一つ、
この歌では「天国」についても歌っています。
死後の世界があるなんてはっきり信じている訳ではないのですが、もし死んだらどうなるんだろう?という疑問がありました。
今日の出来事です。
僕は煙草を吸いながら、自分のひいおばあちゃんについて考えていました。
僕のひいおばあちゃんは、おせっかいの親切心が迷惑がられて、何かするたびに家族に怒られる毎日でした。僕はそれを毎日見ていました。
僕の勉強机はひいおばあちゃんの部屋にあったので、あの人が一人で泣いてる姿も何度か見たことがありました。
「私はみんなが喜ぶと思ってやったのに」
そう嘆く声もなんども聞きました。
ある日、僕もひいおばあちゃんのおせっかいに腹が立って喧嘩をしました。
もちろんあの人は何も悪いことをしていません。
ただの反抗期でした。
イライラをひいおばあちゃんに八つ当たりしてしまった、ただそれだけのことでした。
数日後、ひいおばあちゃんは突然亡くなってしまいました。
初雪が降った日でした。
通院の際、バスから降りようと足を滑らせて転倒、そのままショック死したと聞きました。
僕がそれを知ったのは下校中のことです。
隣のおばさんが車で迎えに来て、その事を伝えてくれました。
家に帰ると、ひいおばあちゃんは眠っています。
その目が開くことはありませんでした。
僕は未だに、喧嘩したことを謝らなかったのを悔やんでいます。
一生後悔するでしょう。
10年も経って、まだ謝れていないのに、煙草が美味いと感じるような、そんな大人になってしまった
逢いたいなんて長い間思ったことがなかったあの人に、今はものすごく逢いたいと思いました。
会って、ごめん、と、その一言を伝えられたらどれだけ楽なんだろうと思いました。
窓から吐き出した煙が空に消えるのを見ていると、白鳥の群れが列をなして飛んでいました。
きっとあれはひいおばあちゃんなんだと、何故か、確信にも似た感情が心にありました。
泣きながら2本目に火を点けて、
「ごめん」
と呟きました。
また思い出したら今度こそ逢いにきてくれると思いながら。
もしも死後の世界や天国があるのなら行ってみたい、というのは、心の底では現実が辛くて死にたい、なんてことを考えているからだと思います。
もちろん程度の大小はあると思いますが、そう思う人のほとんどの胸の中にはきっとあるはずだと思っています。
でもそれが悪いことだとは思いません。
僕は、確かに死にたいと思っていたことがありました。
もしも僕が死んで、鳥になれるなら、魚になれるなら、なんて妄想も何度したことか。
でもそんな願いは叶わなかった。
いくら失敗して挫折して後悔しても、すぐに死ねるわけがない。
現実は続いていきます。
いつか諦めて僕は今、生きていて良かったと思います。
充実しているとは言えませんが生きていることは楽しい、そう思ってます。
曲中では
「僕の夢は叶わなくなったよ」
「僕の夢は今、叶ったんだよ」
2つの対照的な言葉を叫んでいますが
夢=天国に行くこと
生き続けること
2つ、真逆の願いを込めています。
結果的に今生きていることがどうなのか、おそらく死ぬまでわかりません。
なのでこの歌だけは、墓場まで持っていきたいと思っています。
死とは
生とは
対照的なもの、ともすれば同義的な側面もあるものです。
その真ん中に立たされた、ぼくの歌。
それがMiddle Sectionです。
よかったらライブに来て、聞きに来てください。
文章的に分かりづらい箇所や曖昧な点もあったと思いますが、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。